7 初めての
時は流れ3時間後。
俺は遠い目をしながら肉を焼いていた。
ゲームで肉を焼く時には、一瞬で肉焼きセットが出され、10秒くらい陽気な音楽に合わせて肉をぐるぐる回すだけで、こんがり肉の出来上がりだった。
「生肉ゲット~! さあ、肉を焼くよ~」
そう言って妹はボタンをポンっと押した。
妹が、つまりプレーヤーがやった事は
指を少~し押しただけ。
そして、それに合わせて動く現実キャラの俺は、薪集め&火おこしからだった。
モンスターとの戦闘でへとへとの体での薪集めは辛かった。
火おこしも大変だった。
そして、この俺の体ほどもある肉。
アトドレダケヤイタラタベラレルンダロウネ・・・
「日が変わるまでには焼けるかなぁ。」
ひたすら遠い目の俺。
肉、細かく切って焼けばすぐなのに。
ゲームの演出がそのまま形になった馬鹿でかい肉を眺める。
ゲームの設定に逆らえない自分が悲しい。
「お兄ちゃん、まだ焼けないの~。
私、ご飯とお風呂済ませてくるね~」
ユルスマジ
そして・・・
初めての狩り
初めての解体
初めての火おこし
初めての5時間肉回し
初めての味付けなしの肉へのかぶりつき
初めての自分の胴体ほどの肉の完食
初めての野宿
初めてのおはようモンスター遭遇
初めての腹一杯での全速力での逃走
その他、まだまだたくさんの「初めて」を体験し、二泊三日をかけて、ようやく俺の初めてのクエスト「きのこ集め」が終わった。
【完結】兄妹そろって断罪中のヒロインの中に入ってしまったのだが
【完結】兄妹そろって断罪されている息子を見守る王様の中に入ってしまったのだが
【完結】ざまあ、してみたかった
【完結】ざまあ、してみたかったな2
【完結】ざまあ、してみたかったな3
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