第54話 最強の称号は誰の手に
こんにちは!江東海です!
やぁ!柳詩音だ。
海:ついに会長来ましたか…
詩:なんだい?その不満そうな声は?ボクはとても楽しみにしていたと言うのに!海君とこうして二人っきりになるのを!
海:不満じゃなくて不安なんですよ!それが!!
詩:ふふふ…嫌がられると熱くなってしまうね。
海:あぁぁ!副会長!副会長はいないんですか!?
詩:秋広君なら今頃、生徒会室で大量の書類と戦っているだろうね!ボクが残してきたから!
海:くっ…クズ…
詩:さぁ…諦めてボクとこの時間を楽しもうじゃないか!
海:ちょっ!?いつの間に隣に!?
詩:企業秘密さ!それよりも…
海:それより本編いきましょう!本編!!
詩:ふふふ…仕方がないね。
海&詩:それでは!本編をどうぞ!
前回のあらすじ
レースで激走!ゾンビを滅多撃ち!
私達は小休止の為に、併設されたカフェに入った。
「なぁユウ!やっぱお前アレ一回やっただろ!」
「やってない」
「嘘だぁ!?」
「やってない」
どうやら賢也君は立花君がシューティングをやったかまだ疑ってるみたいだ。
「賢也君、疑うの良くないよ?」
「そうだよ賢也。優がゲーム得意なのは知ってるだろう?」
「そーだけどさぁ…やっぱ納得いかねぇよ…」
まぁ賢也君が言いたい事もわかる。私も一緒にプレイしてて異常だとは思った。
一回やってもあのプレイが出来るとは思えないけどね…
「河辺ちゃんは!?河辺ちゃんもコイツが異常だと思うよな!?」
私と青井君が味方にならないと知ると、賢也君は灯ちゃんに助けを求めた。
「うーん…怖くてあんまり見てなかったからわかんない…」
「くぅぅ…!!誰か俺の味方はいねぇのかよぉ…!」
だけど現実は無情かな。灯ちゃんにはそんな余裕はなかったらしい。そうだとは思ってたけど。
「ごめんね…はうぅ…思い出したらまた怖くなってきた…」
「賢也君!灯ちゃんに怖いの思い出させないでよ!」
「それは理不尽じゃね!?」
灯ちゃんを怖がらせる方が悪い。
「賢也うるせぇ。周りに配慮しろ」
「俺への配慮は!?」
「「ない」」
私と立花君がハモった。賢也君はその言葉でテーブルに突っ伏した。そんな様子を、灯ちゃんと青井君が苦笑いで見ていた。助ける気はないみたいだ。
「それより、この後はどうしようか?」
「そだねー…一日で回り切れる広さでもないし、計画立てないとだね」
「楽しそうなのがいっぱいで迷っちゃうね!」
「よしよし。灯ちゃんは私とまた来ようね」
「うんっ!」
私が灯ちゃんを撫でながらまた来ることを約束すると、満面の笑みで見返してきた。なにこの生き物。可愛すぎる。
「まぁ、もともと青井君達はゲームセンター目的でしょ?だから今日はそっち中心でいいと思うよ」
「ありがとう。とすると…」
「なぁ!思ったんだけど、ユウと河辺ちゃんってどっちが格ゲーつえぇかな!?」
「おぉっ…!びっくりした!」
いつの間にか復活していた賢也君が、いきなり叫んだから私は驚いた。だけど確かにそれは気になる。
「どういう意味だ?」
「河辺ちゃんって格ゲー超つえぇの!」
「そうなのか?」
「灯はよくわかんない」
立花君が灯ちゃんを疑うように見た。灯ちゃんはそれに対して困惑したような顔をする。
「ふふん!灯ちゃんは強いよ!なんたって私の灯ちゃんだもの!」
「海ちゃん…?」
「はっはーん?言っとくがユウはあり得ねぇぞ?大会で優勝経験だってあんだからな?」
「なんでお前が誇ってんだよ…」
灯ちゃんが何も言わないから私が代弁した。すると、なぜか賢也君が言い返してきた。まぁ気にするところはそこじゃなくて…
「へぇ?そこまで言うんだ…?」
「なんだよ?文句あるのか?」
「あるよ?私の灯ちゃんの方が強いね」
「ユウに決まってんだろ?」
「こうなったら…」
「方法は一つ…だな」
「「勝負!!」」
要はこうする為の茶番なんだけど。
「えっ?えっ?えっ?」
「なんでお前らが決めてんだ…」
「まぁまぁ、いいじゃないか」
ということで、カフェから出た私達は格ゲーのある一角に移動した。
「おっし!じゃあ機種は…」
「前に灯ちゃんとやったやつでいいんじゃない?それでいい?立花君」
「なんでもいい」
別の機種だと教えるの大変だし、やったことあるやつなら、灯ちゃんも不安はないだろう。
「よし!決定!じゃあ灯ちゃん!頑張ってね!」
「うん!頑張るね!」
「ユウ!負けんなよ!」
「うるせぇ」
灯ちゃんと立花君がそれぞれ席に着いた。いよいよ頂上決戦が始まる。
『ファイッ!!』
ついに決戦の火蓋が切って落とされた。
「えいっ!やっ!んっ!!」
「…………」
灯ちゃんは可愛い可愛い掛け声とともに、立花君はひたすらに無言でキャラを操作していく。はたから見れば、灯ちゃんが押しているように見える。
「いけいけ灯ちゃん!可愛いぞ!」
「おいユウ!河辺ちゃんが可愛いからって手ぇ抜いてんじゃねぇぞ!」
私が灯ちゃんを、賢也君が立花君をそれぞれ応援する。青井君は興味深そうに見ていた。
「なるほど…」
「え?あっ!きゃあ!」
立花君がつぶやいた後、突然攻勢に出て、瞬く間に灯ちゃんのキャラのHPを削っていった。そして…
『K.O.!』
「負けちゃった…」
「あー…残念だったね、灯ちゃん」
「でも、楽しかった!」
尊い…
「へっへーん!どうだ!」
「「うるさい」」
私と立花君が同時に賢也君に言い放った。
「まぁ…確かに強かった」
「へぇ…優が認めるなんてね」
「だしょ!?さすが灯ちゃん!」
「だが、プログラム上の限界を出しているだけだ。正直すぎる。だから搦め手に弱い」
「んー…よくわかんない」
まぁだろうなぁ…それでこそ灯ちゃんだと思うけど。
「まぁ…別に上を目指すわけじゃないならいいと思うが」
「んー…わかった!楽しかった!ありがとね!」
「…あぁ」
灯ちゃんから最大級の笑顔をもらった立花君は、さすがに照れたように顔を逸らした。
「おっ?おっ!?ユウ!照れてんのかぁ!?」
「黙れ」
「いたたたたた!!!ちょっ!?やめっ!?」
「………」
「無言やめっ!ちょ!ホントタンマ!」
「「「あはははは!!」」」
「誰か助けろ!?」
こうして格ゲー頂上決戦は、賢也君の叫び声で幕を閉じたのだった。
海&詩:第54話を読んで頂き、ありがとうございます!
海:とおぉっ!
詩:おや?なんで逃げるんだい?
海:私のなかで危険信号がなったので。
詩:それは大変だ!ボクがそばに付いて守ってあげよう!
海:そっちの方がよっぽど危ないですよ!
詩:大丈夫。何もしないさ。
海:会長のその発言だけは信用できないです。
詩:なら、信用を勝ち取るチャンスをボクにくれないだろうか?
海:良いこと風に言っても嫌です!
詩:なかなか手強いね…だけどボクは諦めないよ。海君が心を開いてくれるまで!
海:いい台詞なのに、邪に聞こえるのが会長の凄いところだと思います。
詩:しょうがない。今日はこれくらいにしておいてあげよう。
海:はぁ…よかった…
海&詩:それでは、次回もお付き合い頂ければ幸いです!




