第32話 両者の士気は上々に
こんにちは。
河辺 灯です。
今回は灯が担当します。
球技大会は海ちゃんが大活躍ですね!
灯は運動が苦手なので、いっぱい活躍してる海ちゃんが少し羨ましいです。
では、本編をどうぞ。
前回のあらすじ
ゴールを守った!昼休憩。
昼休憩も終わって、さらに勝ち進んだ私達は、ついに決勝へと駒を進めた。
「よし!ついに決勝だよ!先生を悲しませた奴らを見返す為に勝つよ!次の相手は?」
「えっと、次は…あ、うちのクラスだよ」
「私達のクラス?」
「そう。メンバーは…」
「よう。次の対戦はお前達か。同じクラスだが、手加減はせんぞ。手加減して勝てるとも思わんしな」
そう言って間に入ってきたのは、巨大なマッチョマン。岩尾君だ。
「岩尾君のチームも勝ち上がったんだ。こっちこそ、手加減はしないよ!」
「うむ。そうでなくてはな。江東。お前の活躍は聞いている。お互い、全力を尽くそう。決勝を楽しみにしている」
立ち去る岩尾君。
後ろ姿が絵になるなぁ。漢って感じ。
そんな感想を抱きつつ、私は気を引き締める。岩尾君の運動神経は、バスケを一緒にやった時によくわかってる。本当に気を抜けない相手だ。
「みんな、相手は同じクラスだけど、私達のやることは変わらないよ!ここまで勝ってきたって事は相当な実力だし、岩尾君の強さは私も知ってる。けど、勝つよ!」
「「「おう!」」」
正直、私達以外で、私達のクラスの人達が勝ってもいいような気もするけど、それとこれとは別だ。負けたくないし。
それに、私達が優勝してこそ、先生の雪辱を果たせるってもんだよね。
再度気合を入れて、私達は決勝戦へと望んだ。
「みんな!今まで通りガンガン攻めちゃって!後ろは私に任せなさい!」
決勝戦、序盤。私のチームは、守備をほぼ捨てて、圧倒的な攻めで相手に向かう。今まで通りなら、超攻撃的な姿勢に相手は怯むのだけど、今回は違った。
「笑止!全員臆するな!」
岩尾君は単体でも圧がある。そんな人と一緒に戦ってきた相手のチームは、多少の圧力じゃ怯まないみたいだ。圧倒的な存在感のある人の激を受けた相手は、みんな士気も高く、なかなかゲームを支配させてくれない。
幸い、岩尾君はゴールキーパーらしき人と一緒に並んで、後ろで待機していた。
てか、岩尾君と一緒にいたら、大抵の人なんてプレッシャーに強くなるよね。
試合は拮抗していて、どちらもシュートを打てずにいたけど、ついに状況が動き出す。後ろで待機していた岩尾君が、前へと上がってきた。後方でも、山のような存在感を持った人が前に出てきた為か、私も含めて、チーム全員が逆に怯まされたみたいだ。少しだけ動きが鈍くなった。
「来ないか?だが、手は緩めんぞ!」
味方からパスを貰った岩尾君が、体格からは想像出来ないほどの俊敏さを見せて、次々に私のチームの人を抜いて行く。
最後の一人が抜かれ、私と一対一になった。
「行くぞ江東!」
「勝負よ!岩尾君!」
岩尾君が、ペナルティエリア手前でシュートを打つ体勢に入った。
今までの誰よりも威圧が凄いな。
岩尾君がシュートを放つ。
パシィィン!
間一髪、何とか反応して爪先でボールを弾いた。弾かれたボールはエリア外へ行き、コーナーキックとなる。
ギリギリで反応出来たけど、何回も打たれたら全部止める自信がないかな。中心に来ても、キャッチ出来る自信ないや。
威力を殺し切れず、ボールを受けた足は少しだけ痺れていた。それに神経を集中してたから、少しだけ精神的にも疲れた。
対して岩尾君は、ほぼコートの端から端まで走り切った上に、半分はボールを持って相手を避けてたにも関わらず、息一つ切らしていなかった。
これはものすごく分が悪いかな。
コーナーキックは、岩尾君が徹底的にマークされていたから、キッカーは別の人にパスを出した。そのままシュートされたけど、私はなんなく受け止める。
岩尾君のシュートを受けた後だとかわいく思えるなー。
私がボールを止めた後、岩尾君は自分の陣地へ戻っていた。
好機を生かす為に、激しい攻勢を見せたけど、再び、相手にボールを奪われる。そのとたん、岩尾君が上がってきて事態は一転。早くも二度目の一対一になった。
その勝負もなんとかギリギリで弾く事が出来た。だけどボールは前に転がり、体勢が崩れていたとこを、後ろから来ていた岩尾君の味方にボールを押し込まれ、ゴールに入れられてしまう。
私はこの大会初の失点をしてしまったのだった。
32話を読んで頂き、本当にありがとうございます。
ついに海ちゃんが一点を取られてしまいました。
この学校は、海ちゃんと互角に勝負出来る人がいっぱいいて、正直驚いてます。
でも、灯は海ちゃんが勝つって信じてるから、きっと勝ってくれます。
次回は青井くんが担当します。
それでは、これからも本作品をよろしくお願いします。




