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日々は楽しく色鮮やかに  作者: 明日葉 晴
球技って、人の安全に気を使うよね
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27/61

第27話 警戒は厳重に

こんにちは!

明日葉 晴です!

私は基本的に、一話一話が短いのですが、たまに、もう少し長くした方がいいのかと思います。

でもやっぱり、長く書くのは何となく安定しないような気がするので、やめてしまうのです。

どうしましょうね。

では本編をどうぞ。

 前回のあらすじ

 部長さんの策略に嵌まる?一点先制される。




 私達はこの大会、常に先制点を取って勝ってきた。相手に取られたのは初だ。追われる側から追う側になった私達は焦り、そのせいか攻撃が上滑りしてしまい、二、三回と三者凡退してしまった。

 相手の二回の攻撃も一人ランナーを出すものの、無失点で抑えることが出来た。そして、三回裏、相手の攻撃。バッターは再び部長さんから始まる。


「よお、えっちゃん。調子どう?」


 バッターボックスに入りながら、そんなことを言ってきた。私は無視することにした。


「無視かよ、ひでぇなぁ。まぁ焦ってるだろうし、対戦相手と話したくないのも分かるけどさー。もうちょっと楽しもうよ」


 私はそれも無言を貫く。部長さんはため息をついて構えた。青井君は振りかぶり、ボールを投げる。


 スパァン!


 ストライク。見逃し。


「えっちゃんはさ、この試合、今までどこまでが俺の作戦だと思ってる?青井の意見は無視してな。勘でもいいから」


 まだ話すつもりか。

 そう思いながらも、この話は気になったから応じることにした。


「七割くらいだと思います。全部はいくらなんでも出来すぎなので、三割は偶然、もしくは起きたことを突発的に使ったってところですかね。勘ですけど」


 本当に勘だ。


「惜しいね。三割は合ってる。そう、偶然を利用しただけだ。けど俺の作戦は多くて五割くらいだよ」

「計算が合いませんけど」

「残りの二割は考えてみてくれ」


 聞いてから気付いた。これは最初と同じで動揺させる作戦なのだと。だとしたら、真面目に聞く必要はない。


「わかりました」


 私は平坦に返した。

 作戦とバレたのに気付いたのか、部長さんは苦笑して、構えを取った。 二球目。


 スパァン!


 また見逃しのストライク。

 三球目も同様に見逃し、アウトとなった。

 初回を打ったのだから打てると思うけど、部長さんは打たなかった。これも何かの作戦なんだろうか。

 だけどその考えはすぐに違うとわかった。ベンチに戻った部長さんが、仲間から怒られているのが見えたから。

 いったい何がしたかったんだろう。

 考えを聞こうと、青井君の方を見たら、部長さんの方を見ていて、混乱してるのか、驚いた様な顔をした後に難しい顔をしていた。


 これだと聞いても意味ないかな。


 そう思った後に、気持ちを切り替える。その後、二人を打ち取り、三回が終了した。


 四回表、青井君から始まる私達の攻撃だ。


「青井君!気負わずにかましちゃって!」

「あぁ、行ってくるよ」


 いつもより余裕のないように見える青井君がバッターボックスに向かう。


「お、出たなイケメン。次は打ち取ってやるよ!」

「えぇ、お手柔らかに」

「お前もっと乗ってこいよ。俺だけ盛り上がってたら馬鹿みたいだろ」

「部長はそうやって、自分のペースに持ち込むのでお断りします」

「あぁもういいよ!」


 茶番だね。


 一球、二球とファール。展開が一回と同じになる。

 そして、第三球目。


 カキン!


 打ち上がったボールはセカンドの真上へ。そして、グローブへと収まった。

 なんてことだろう…ついに青井君が打ち取られてしまった。

 チーム全員に動揺が走った気がした。そして、戻ってきた青井君の表情も暗い。


「ごめん。繋げなかった」

「ドンマイ!そういう時もあるよ!私がちゃんと仇取ってくるから!」

「あぁ。頼んだよ」


 私は努めて明るく言って、バッターボックスへ向かう。青井君の様子に違和感を覚えつつも、部長さんを倒す為に集中する。


「次はえっちゃんか!青井に続き打ち取らせてもらうよ!」

「私は負けられないので、次は完全に捉えさせてもらいます」

「いいね!そうこなくちゃ!」


 私は負けられない。灯ちゃんが見ているから。勝つ。そういう約束だから。


 ふと、灯ちゃんを見ると、真っ直ぐに私を見ていた。私が見たことに気付いたのか、一度だけ頷いた。


 まだ私を信じてくれている。負けることを少しも疑ってない。なら私は、それに応えなきゃならない。


「部長さん!私はどこまで作戦かはわかりません!でも、全部作戦だろうと、私は、私達は打ち破ります!」


 部長さんは一瞬面食らった様な顔をした後、少しだけ柔らかい感じに笑った。


「そうそう!勝負は勝ってなんぼだよね!」


 私と部長さんはお互いに構えた。

 第一球目。


 カキィン!


 ライト方向にファール。

 速度が上がってる。

 第二球目。


 カイィン!


 レフト方向にファール。

 緩急を付けてきたみたいだ。

 第三球目。


 カァン!


 今度は後ろに飛び、ファール。

 変化球でずらされた。ほんとに器用な人だ。


 四、五球とファールは続く。

 第六球目。

 甘い!なら…

 ボールは急激に落ちる。


 カキィィン!


 完全に捉えたボールはセンターの後方、グランドのフェンスの向こうへ。

 ホームラン。これで同点。


「よく見切ったね」

「部長さんが、ただ甘い球を投げるわけないと思ったので」

「なるほど。俺もまだまだだな」


 部長さんが苦笑いを浮かべるのを見て、満足した私は一周するために走り出した。

 ゲームは振り出しだ!このまま追い越して勝つよ!

27話を読んで頂き、ありがとうございます!

野球編、思ったより長くなりますね。

最初、短くするか迷ってるとか言ってたのが嘘みたいです。

というより、短くするのは無理でした。

モブ達の奮闘を飛ばしても、長くなってしまいます。

そんな感じですが、これからもお付き合い頂ければ幸いです。

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