第27話 警戒は厳重に
こんにちは!
明日葉 晴です!
私は基本的に、一話一話が短いのですが、たまに、もう少し長くした方がいいのかと思います。
でもやっぱり、長く書くのは何となく安定しないような気がするので、やめてしまうのです。
どうしましょうね。
では本編をどうぞ。
前回のあらすじ
部長さんの策略に嵌まる?一点先制される。
私達はこの大会、常に先制点を取って勝ってきた。相手に取られたのは初だ。追われる側から追う側になった私達は焦り、そのせいか攻撃が上滑りしてしまい、二、三回と三者凡退してしまった。
相手の二回の攻撃も一人ランナーを出すものの、無失点で抑えることが出来た。そして、三回裏、相手の攻撃。バッターは再び部長さんから始まる。
「よお、えっちゃん。調子どう?」
バッターボックスに入りながら、そんなことを言ってきた。私は無視することにした。
「無視かよ、ひでぇなぁ。まぁ焦ってるだろうし、対戦相手と話したくないのも分かるけどさー。もうちょっと楽しもうよ」
私はそれも無言を貫く。部長さんはため息をついて構えた。青井君は振りかぶり、ボールを投げる。
スパァン!
ストライク。見逃し。
「えっちゃんはさ、この試合、今までどこまでが俺の作戦だと思ってる?青井の意見は無視してな。勘でもいいから」
まだ話すつもりか。
そう思いながらも、この話は気になったから応じることにした。
「七割くらいだと思います。全部はいくらなんでも出来すぎなので、三割は偶然、もしくは起きたことを突発的に使ったってところですかね。勘ですけど」
本当に勘だ。
「惜しいね。三割は合ってる。そう、偶然を利用しただけだ。けど俺の作戦は多くて五割くらいだよ」
「計算が合いませんけど」
「残りの二割は考えてみてくれ」
聞いてから気付いた。これは最初と同じで動揺させる作戦なのだと。だとしたら、真面目に聞く必要はない。
「わかりました」
私は平坦に返した。
作戦とバレたのに気付いたのか、部長さんは苦笑して、構えを取った。 二球目。
スパァン!
また見逃しのストライク。
三球目も同様に見逃し、アウトとなった。
初回を打ったのだから打てると思うけど、部長さんは打たなかった。これも何かの作戦なんだろうか。
だけどその考えはすぐに違うとわかった。ベンチに戻った部長さんが、仲間から怒られているのが見えたから。
いったい何がしたかったんだろう。
考えを聞こうと、青井君の方を見たら、部長さんの方を見ていて、混乱してるのか、驚いた様な顔をした後に難しい顔をしていた。
これだと聞いても意味ないかな。
そう思った後に、気持ちを切り替える。その後、二人を打ち取り、三回が終了した。
四回表、青井君から始まる私達の攻撃だ。
「青井君!気負わずにかましちゃって!」
「あぁ、行ってくるよ」
いつもより余裕のないように見える青井君がバッターボックスに向かう。
「お、出たなイケメン。次は打ち取ってやるよ!」
「えぇ、お手柔らかに」
「お前もっと乗ってこいよ。俺だけ盛り上がってたら馬鹿みたいだろ」
「部長はそうやって、自分のペースに持ち込むのでお断りします」
「あぁもういいよ!」
茶番だね。
一球、二球とファール。展開が一回と同じになる。
そして、第三球目。
カキン!
打ち上がったボールはセカンドの真上へ。そして、グローブへと収まった。
なんてことだろう…ついに青井君が打ち取られてしまった。
チーム全員に動揺が走った気がした。そして、戻ってきた青井君の表情も暗い。
「ごめん。繋げなかった」
「ドンマイ!そういう時もあるよ!私がちゃんと仇取ってくるから!」
「あぁ。頼んだよ」
私は努めて明るく言って、バッターボックスへ向かう。青井君の様子に違和感を覚えつつも、部長さんを倒す為に集中する。
「次はえっちゃんか!青井に続き打ち取らせてもらうよ!」
「私は負けられないので、次は完全に捉えさせてもらいます」
「いいね!そうこなくちゃ!」
私は負けられない。灯ちゃんが見ているから。勝つ。そういう約束だから。
ふと、灯ちゃんを見ると、真っ直ぐに私を見ていた。私が見たことに気付いたのか、一度だけ頷いた。
まだ私を信じてくれている。負けることを少しも疑ってない。なら私は、それに応えなきゃならない。
「部長さん!私はどこまで作戦かはわかりません!でも、全部作戦だろうと、私は、私達は打ち破ります!」
部長さんは一瞬面食らった様な顔をした後、少しだけ柔らかい感じに笑った。
「そうそう!勝負は勝ってなんぼだよね!」
私と部長さんはお互いに構えた。
第一球目。
カキィン!
ライト方向にファール。
速度が上がってる。
第二球目。
カイィン!
レフト方向にファール。
緩急を付けてきたみたいだ。
第三球目。
カァン!
今度は後ろに飛び、ファール。
変化球でずらされた。ほんとに器用な人だ。
四、五球とファールは続く。
第六球目。
甘い!なら…
ボールは急激に落ちる。
カキィィン!
完全に捉えたボールはセンターの後方、グランドのフェンスの向こうへ。
ホームラン。これで同点。
「よく見切ったね」
「部長さんが、ただ甘い球を投げるわけないと思ったので」
「なるほど。俺もまだまだだな」
部長さんが苦笑いを浮かべるのを見て、満足した私は一周するために走り出した。
ゲームは振り出しだ!このまま追い越して勝つよ!
27話を読んで頂き、ありがとうございます!
野球編、思ったより長くなりますね。
最初、短くするか迷ってるとか言ってたのが嘘みたいです。
というより、短くするのは無理でした。
モブ達の奮闘を飛ばしても、長くなってしまいます。
そんな感じですが、これからもお付き合い頂ければ幸いです。




