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日々は楽しく色鮮やかに  作者: 明日葉 晴
球技って、人の安全に気を使うよね
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26/61

第26話 相手は用意周到に

こんにちは!

明日葉の晴です!

野球に限らず、団体競技は色んなものが同時に動きます。

ですが、文章中は一つ一つしか動かせません。

なので同時に、しかも瞬時に動いてるように見せるのがとても難しいです。

そんな感じですが、本編をどうぞ。

 前回のあらすじ

 野球決勝!若干押され気味。




 決勝戦、一回裏。三年生チームの攻撃。先頭バッターは部長さんだ。


「あれ?ホームラン生産機はキャッチャーでいいの?なら楽勝だな」

「青井君も球速は速いですよ。甘く見ない方がいいと思いますけど」

「知ってるよ。アイツは運動神経いいからな。サッカー部の次期エースとして期待もしてる。でも、俺が打てる、打てないは別だ」


 ふざけてるように見えるけど、自分も他人も正しく判断してる。多分この人はそういう人なんだろう。

 そうしてる間に、青井君が構えた。


 第一球目。


 スパァン!


 綺麗な速球。部長さんは見逃した。けれど、驚きの表情は見えない。それどころか、余裕そうにすら見える。


「ホームラン生産機。お前名前なんての?」

「江東 海ですけど」

「じゃあ、えっちゃんだな。えっちゃん、青井の欠点ってわかるか?」


 チラリと見た後にそんなことを言われた。部長さんの呼び方は気になるけど、それよりも気になることを聞かれた。青井君の欠点?完璧人間にしか見えないけど…


「えっと…わかりません」

「そっか。じゃあ宿題。そのうち答えて見てくれ」


 私が返事する前にボールが投げられる。


 カキン!


 ファールすれすれに転がり、ボールはライトの後方へ。ボールが拾われる頃に、部長さんは二塁を蹴って三塁に向かっていた。二塁をカバーしていたショートにボールが渡り、部長さんは三塁で止まる。スリーベースヒットとなった。


「タイム!」


 私は一度仕切り直すことにした。


「青井君、ドンマイ。気にしないで!」

「ありがとう。でも流石部長だ。一筋縄じゃいかないか」

「どういうこと?」

「打たれてから気付いたけど、多分あれは狙ってやられた。バッターボックスに立ったときから全部仕組まれてたんだと思う」


 そう聞いて、部長さんの方を向いた。笑いを浮かべていた。


「じゃあ私としゃべったのも作戦のうちなのかな」

「話してたの?なんて?」

「私をえっちゃんとか言ったり、どうでもいいこと。一回こっち見たしそっちが本命だったのかも」


 青井君にこれ以上負担を掛けたくなかったから、欠点の話は黙ることにした。


 部長さんが、ただ私を惑わせる為の話なのかもしれないし。


「なるほど。とりあえず、今まで以上に警戒しよう」

「了解」


 試合再開。二番の人は問題なく三振に押さえた。どうやら青井君は、部長さんのことを引きずってはいないみたいだ。

 三番。ツーストライクで追い込み、第三球目。


 カツッ!


 詰まった音で、ボールは少し転がる。ピッチャーゴロだ。青井君は素早く補給してファーストに投げようとしたその時、部長さんが走り出す。青井君はすぐ切り替え、私にボールを投げた。 が、部長さんはすでに三塁に戻っていた。ファーストの方を見たけど、三番はすでに一塁を駆け抜けた後だった。


「やられたっ…」


 気付いたらボールを強く握り締めていた。

 状況見てやったのか。それとも最初から作戦だったのか。

 深く考えるほど、深みに嵌まっている。そんな感覚を感じ、ふと、最近似た感覚があったと思い、気付いた。


 生徒会長さんと同じ感覚だ。だとすると、最初から相手のペースだったんだ。


 結論を自分の中で出し、改めて部長さんを睨む。相変わらず余裕のありそうな笑みを浮かべていた。


「タイム!江東さんごめん!一点取られてでもアウトを取るべきだった。部長ばかり警戒したから最悪の結果になってしまったね。ごめん」

「いや、いい判断だと思うよ。私も青井君も簡単に点が取れない状況で、リードされるのは不味いから。それよりこの後はどうする?」

「そうだね…そしたら、敬遠して満塁策を取ろう。迷うから部長の策に嵌まる。なら、迷わない状況にすればいい」

「なるほど。ホーム一択にするんだね。それなら大丈夫か。よし、じゃあやろう!」


 四番を敬遠し、満塁に。これならホーム一択で済む。 続く五番。初球をライト方向に打ち上げた。


 これは不味い…


 ボールの軌道から落ちる位置を予想して、そう思った。


「ボール取ったらすぐに投げるんだ!」


 青井君も気付いたのか叫ぶ。ライトがボールを深い位置でキャッチした瞬間、部長が走り出し、一瞬、間を置いて一、二塁が走り出す。

 慌てた様子でライトがボールを中継に来たセカンドに投げる。セカンドは一番アウトに出来そうな一塁ランナー狙いを付けたようだ。

 けど多分、その判断は誘導されたものだ。


「ホーム!」


 私は叫んだが、セカンドの反応は間に合わず、二塁にいるショートへ投げた。その間に一塁ランナーは一塁へと戻る。

ショートは私の意図に気付いて、一瞬迷った様子だったがファーストへボールを戻し、一塁ランナーを挟み打ちにすることにしたようだ。

 そして、その間に部長さんはホームを踏んだ。それを見届けた一塁ランナーは止まり、大人しくアウトとなった。


 どこまで計画通りなんだ…


 攻守交代となったけど、一点を先制されることになった。不安が募る展開で、私達は攻撃へと移るのだった。

25話を読んで頂き、とても嬉しく思います。

私は自称引きこもりです。

なので、スポーツの経験はほぼないです。

それでも、経験者の皆さんに何か感じるものがあればとても嬉しいです。

今後ともお付き合い頂ければ幸いです。

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