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日々は楽しく色鮮やかに  作者: 明日葉 晴
球技って、人の安全に気を使うよね
23/61

第23話 作戦実行は正確に

こんにちは!

明日葉 晴です!

この小説を始めたきっかけは、ささいなことです。

でも、そのささいなことのお陰でこうして好きに物語を作ろうと思うことができました。

そう考えると、きっと大きなことなのだろうと思います。

では、本編をどうぞ。

 前回のあらすじ

 灯ちゃんがチームメイトを骨抜きにする。野球するよ!





 最初の対戦相手は三年生。サッカー部のみで構成された運動神経の塊の連中だ。厳しい戦いになると予想出来る。


「初戦は三年生の先輩達か。なかなか厳しいだろうね。身体的にも精神的にも」

「直接の先輩だもんね。やっぱり怖い?」

「いや、先輩は皆優しいよ。手加減も遠慮もせずにこいって言ってる。けど、先輩は活躍の有無に関わらず、一年生に負けたら練習増量なんだ」

「それは…なんとも言えないね」

「だよね。本当は、僕らが活躍しつつ、先輩達に惜しくも負けるのが一番なんだろうけど。負けることを考えてたら失礼だからね」

「まぁ、勝負は真剣にやらないとね。私も灯ちゃんが観てる限り、負けられないし」

「ははは。本当に江東さんは河辺さん一番だね」

「まぁね!親友だから!」

「さて、じゃあ整列しようか」


 そう言って私達は整列して、挨拶をした。

 男だらけの中、私一人がいるのを先輩達は気にしつつ、守備についていった。


「じゃあ一番。頼むよ」

「任せろ!ホームラン打って、河辺さんにかっこいいとこ見せるぜ!」


 灯ちゃん効果継続中。全く、罪な子だよ灯ちゃん。だけど、一番の仕事はしてくれよ。


 願い届かず、三振。ガックリ肩を落とし帰ってきた。


 まぁ…ドンマイ。


 続く二番。


「俺が代わりに河辺さんにアピールしてやるよ!」

 灯ちゃんの影響はまだ続く。しかし、一番に続き三振。さて、私としては次からが本命だ。


「じゃあ、僕が行ってくるよ」


 気負いなく告げ、青井君がバッターに立つ。


「青井君。やっちゃって!」


 そして、初球でボールを打った。

 打球は伸びて、センターを越える。ツーベースヒットとなった。


「やったー!次!私!行ってくるね!」


 四番は私だ。灯ちゃんに活躍を見てもらう為にこれだけは譲れなかったから、立候補したのだけど、簡単に通った。

 四番として出てきた私に、ピッチャーの先輩は驚いたみたいだけど、すぐに気を引き締めて構える。

 そして、ボールを投げた。


「やったらぁぁぁぁぁぁ!」


 初球から大きく振ったバットは、見事にボールに当たる。

 そして、大きく打ち上がったボールはネットを越えていった。文句なしのホームランだ。


「やったね!まず二点!」


 一周してホームベースに凱旋。青井君とハイタッチした。


「流石だね。ホームランを軽々打つなんて」

「私が女子だから油断したんだろうね。絶好球だったよ!」


 そして、グランドの隅にいる灯ちゃん達に手を振った。


「よっしゃ!次は俺だ!俺も一発かまして、河辺さんに手を振って貰うぞ!」


 私達のやり取りを見て、五番が行った。しかし、現実は残酷だ。ファールフライで終わる。


 前に飛ばしただけ、前二人よりよくやったと思うよ。


 さて、攻守交代。私と青井君以外打てなかったせいか、チームは意気消沈してるようだ。じゃあ、ここで一つ活を入れようか。


「君達!あそこに天使が見えるだろ!」


 そう言って灯ちゃんを指差す。なんだと怪訝そうな表情のチームに畳み掛ける。


「君達は今からあの天使の守護者だ!ボールは敵の攻撃!あの天使を狙う攻撃だ!ここまで言ったらもうわかるね!?」


 私は拳を挙げて言った。


「天使を狙う…」

「俺達がもしボールを通したら…」

「ダメだ!あの天使を傷付けられねぇ!」

「絶対に通すものか…」

「俺が…守る…!」

「苦悶の表情の天使…いいかも…」

「おい、そこの馬鹿。やるよ?」

「江東さん、顔怖いよ。まぁ今のは流石に僕も許せないけど」


 流石に今の馬鹿は許せない。後でシメよう。

 今も周りからボコボコにされてるけど。

 それはそれ、これはこれ。


「君達!やることはわかったね!」

「「「イエッサー」」」


 簡単だ。私が昨日やられたことを、今日は私がみんなにやっただけだ。ちょっとアレンジしたけど。


 でもまぁ、誰にも共通するね。かわいいは正義。


 そんな感じで、鬼気迫る表情の守備陣。いかに先輩と言えど、周りからの圧に押されてるようだ。 バッターボックスに立ってもどこか表情が固く見える。

 強張るバッター達は青井君の敵ではなかった。見事なピッチングを見せ、三者三振に押さえる。


「流石青井君だね!」

「先輩達が緊張してたからだよ」


 そうして、また攻守交代するも、こちらも三者凡退。前に飛ばした数は増えれども、三人で終わった。

 先輩達の攻撃も未だに迫力の消えない男子達に押され、すぐに交代した。

 三回の私達の攻撃は一人前に出たが、その後続かず、ダブルプレーを貰い、青井君の前で終わってしまった。

 そして、先輩達の攻撃。流石に慣れたのか、先輩達は今までよりも固くならず、青井君のボールについてき始めた。しかし、天使の守護者(仮)となった男子達によって事なきを得た。


「さて、じゃあまた行ってくるよ」

「よろしくね!」


 青井君はまたもやツーベースヒット。

 そして、私。


「さぁ!こい!またホームランを叩き込むよ!」


 意気込んだ一球目。なんと大きくボール。二球目も同じ。これは敬遠か!

 そして、三球目。またも大きく外れるコースだ。


「さっせるかぁぁぁぁぁぁ!」


 私は飛び付いてバットを振った。ジャストミートしたボールは二度目の場外へ。ホームラン。


「逃げるのは許さないよ!」


 そう言い残し、一周。

 青井君とハイタッチ。


「江東さん、流石にあれはおかしいよ?」

「私は勝負から逃げるのを許したくないんだー」

「うん。僕もそう思うけど、それとこれは別だよね」


 私は青井君の言葉をスルーして灯ちゃんを見る。手を振って飛び跳ねてくれてた。かわいい。その横の澪と陽子は呆れ気味だ。

 そんな反応をしてるのは三人だけで、他の人達は流石にざわついていた。


「マジで…?」

「普通じゃない…」

「人じゃない…」

「オー…シーイズモンスター…」


 ここまで来るともう慣れた反応だよね。てかなんで最後英語なの。なんか怪しいし。


 私達の攻撃は続かず、その後三人で終わる。

 流石に四点差を付けられた先輩達は気を引き締めてバッターボックスに立つ。


 さて、ここで次の作戦といこうか。


「先輩、表情固いですよ。ライトの後ろのフェンス奥見て、和んだらどうですか?」


 そう言われて、反射的になのか、言われた方向を見る。

 私の言った方向には灯ちゃんがいる。そして、誰だろうが初めて灯ちゃんを見た人は…


「か、かわいい…」


 灯ちゃんのかわいさに呆然となる。


 まぁそうなるよね。灯ちゃんだもん。


 これが私の第二の作戦だ。棒立ちの人達から次々にストライクを取り、交代。


「江東さん、いったい何したの?」

「灯ちゃんのかわいさを広めただけだよ」


 不思議そうな青井君にしれっと答える。

 それでも困惑気味の青井君。まぁ確かに青井君には通じない作戦かもね。数少ない例外にはわからないだろう。

 こうして、初戦の前半が終わっていった。

24話目を読んで頂き、誠に感謝です!

今回は、盛大に灯ちゃんを使いました。色んな意味で。

かわいいは正義。で、全てに優るのですよ。

野球をどこで終わらせるか迷った結果、一回戦が長くなりました。

というより、野球ってそもそも一試合が長いですよね。

間を持たせるのが結構難しいです。

では、これからもお付き合い頂ければ幸いです。

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