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日々は楽しく色鮮やかに  作者: 明日葉 晴
球技って、人の安全に気を使うよね
20/61

第20話 決勝戦は緊迫に

こちにんは!

明日葉です!

決勝戦を終わらせる為に二話目の投稿です。

 前回のあらすじ

 会長、副会長さんが圧倒的。負けるわけにはいかない。




 試合再開。

 澪がボールを投げる。その方向には伊集院君。いいコントロールだ。


「伊集院君!」

「いいよ!」


 いい気合いが入ってるじゃないか。

 遠慮なく、踏み台に。高く跳んで、ボールをつかむ。


「その作戦は読ませて頂きました」


 副会長さんがゴールとの斜線上にジャンプしてきた。

 みんなの顔が、驚きと失敗を悟った様な表情をする中、私だけがニヤリと笑う。


「そうくると思いましたよ。だから!」


 私は副会長さんに構わず、ボールを投げた。ゴールではなく、斜め下に。


 バンッ!

 …………ガシャン!


 床に叩きつけられたボールは大きくバウンドして、ゴールへと入った。

 これがやりたかったのさ!

 着地した私と副会長さんは向かい合う。

 私はドヤ顔で、副会長さんは無表情だ。


「先ほどの副会長さんのお話を参考にさせて頂きました」


 これはさっきのお返しだ。


「なるほど。最初からこれが狙いでしたか」

「ははは!秋広君が出し抜かれるのを久しぶりに見たよ。まぁボクも予想出来なかったんだけどさ!本当に面白い子だね」

「不覚でしたね。見事に手の上で踊らされました」

「まだ終わりじゃないですよ。これからが本番です」

「いいね、いいよ!次はボクなんだろう?しかと見ようじゃないか」

「その余裕、今にへし折りますから」

「楽しみにしているよ」


 お返しのターンはまだ続く。

 男子二人の必死のガードと陽子のサポートで、生徒会の三人はなかなかパスを回せないでいた。

 だが束の間、会長の割り込みにより、ボールが奪われる。仲間から奪うって言うかはわからないけど。


「さぁ!海君!勝負しよう!」

「その勝負、受けますよ!」


 私と会長が対峙する。

 何を考えてるかわからないけど、向かい合ったまま私達は動かない。

 ボールの弾む音とギャラリーの声だけが聞こえる。


「奪いに来ないのかい?」

「会長こそ、進まないんですか?」

「ふふふ。生憎ボクは、運動能力が秋広君並に高いわけじゃない。だから君を、運動能力だけで抜くのは無理だろう」

「なら、どうします?」

「ふふ。こうする、さ!」


 会長がパスを出す…………風に見えた。

 幻覚のような光景に一瞬目を奪われたけど、実際にはボールはその方向にはなかった。

 フェイント!どこだ!?


「「海!」」


 呼ばれて振り向くと、会長がいた。


「どうしたんだい?幽霊を見たような顔して」

「ええ、幻覚見せるわ、一瞬で消えるわで、幽霊かと面白いましたよ。どういうカラクリですか?」

「言っただろう?企業秘密だと。それにしても、その位置でいいのかい?ボクはこのままゴールに向かってもいいのだけれど。諦めたのかい?」

「ご冗談を。私は負けられないんで、ね!」


 予備動作無しでフル加速。

 全力でボールを奪いに行く。だけど、振った手は空を切った。


「チッ!」

「おお、怖い怖い」


 私と会長の位置が入れ替わって、再び向かい合う。

 さっき手が空振りしたとき何か違和感を感じた。けど正体がわからない。

 思わず強く両足を握る。


「さて、二回戦だ。ボクからボールを奪えるかな?」


 私は応えず、会長を見据える。

 何かある。フェイントは確かに、幻が見えるほど鮮やかだった。けど、多分そこは根本じゃない。もっと何か消えたように見える原因がある。

 私の勘がそう言ってる。


「そう熱く見つめられると照れるじゃないか」


 この人は本当にうるさいな。


「ボールはいいのかい?」

「海!副会長!」


 ボールって、会長はそこに。副会長さん?会長の後ろに…

 そこまで思って副会長さんがシュートを打つ間際のことに気付いた。

 なんで!?会長が動いた素振りはなかったのに!

 そんな事を思いながら、私は自陣のゴール方向に走り出した。

 副会長さんから放たれたボールは弧を描いてゴールに向かう。


「間に合えぇぇぇ!」


 私は壁を蹴って飛び上がり、ギリギリのところでボールを弾く。


「危ないとこだった」


 弾かれたボールは、不運にも会長の手に渡った。


「今のを防ぐのだね。さて、じゃあ三回戦と洒落こむかい?君が満足いくまでボクは付き合うよ」

「いえ、次で勝ちます」

「へぇ。自信はあるのかい?」

「ありません。だけど、後がないと思えば自然とやる気が出ます。それに、そろそろ私が勝つ姿を見せなきゃいけないんで」

「なるほど。なら、この攻防を最後としよう。この勝負に勝った人のチームの勝ちとしようじゃないか!みんなもどうだろう!?」


 会場から賛同する声が聞こえた。

 これでもう本当に後には引けない。けど、問題ない。元々これで勝つつもりなのだから。


「みんなの同意は得られた。さぁ!最後の勝負だよ!」

「えぇ。いいですよ」


 その言葉を最後に、誰の声も聞こえなくなる。

 会場も静まって、ただ、ボールの弾む音だけが聞こえる。

 長く感じた停滞の後に、ついに会長が動いた。

 抜きに…違う!会長なら…!!

 直感の、本能の思うままに、私は…跳んだ。


「させるかぁぁぁ!」

「なっ!」


 一瞬見えた幻が消え、シュートの態勢で跳んでる会長がはっきりと見えた。

 驚きの表情を浮かべたまま、ボールは放たれた。

 一歩出遅れていた私の指先をボールがかすめた、軌道に若干ずれが出て、それでもゴールへ向かった。

 そして…


 ガシャン!ガシャン!

 ダンッ!ダンッダン…


 リングを数回跳ね、ボールはゴールに入った。


「私の、負けですね。防ぎ切れませんでした」

「いや、引き分けにしようじゃないか。ボクの行動は読まれ、君はボールに触れた。それでボールが入った可能性もあるからね。先生、引き分けの宣言を!」

「り、両者、引き分け!」


 会場から溢れんばかりの拍手が響く。

 けれど私は納得してなかった。


「会長、なんで引き分けにしたんですか?あれは触れなくても、絶対にゴールするコースだったじゃないですか」

「それは神のみぞ知るってやつだよ。あと、ボクは悔しいんだ。海君にシュートを見抜かれたことが。どうしてシュートだと思ったんだい?」

「それは…勘、ですね」

「そうかい。なら次は、海君の勘も出し抜けるようにしようじゃないか」

「次は完全に止めます」

「ふふふ。楽しみにしているよ」


 そう言った後、私と会長は握手して、会場の歓声に手を振って応えた。

 より一層大きくなった拍手と、健闘を称える言葉のなか、バスケ大会は幕を閉じた。

第20話目を読んで頂き、ありがとうございます!

バスケが終わりました。1話か2話挟んだら次の競技に移る予定です。

とりあえず、今後ともよろしくお願いします。

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