第20話 決勝戦は緊迫に
こちにんは!
明日葉です!
決勝戦を終わらせる為に二話目の投稿です。
前回のあらすじ
会長、副会長さんが圧倒的。負けるわけにはいかない。
試合再開。
澪がボールを投げる。その方向には伊集院君。いいコントロールだ。
「伊集院君!」
「いいよ!」
いい気合いが入ってるじゃないか。
遠慮なく、踏み台に。高く跳んで、ボールをつかむ。
「その作戦は読ませて頂きました」
副会長さんがゴールとの斜線上にジャンプしてきた。
みんなの顔が、驚きと失敗を悟った様な表情をする中、私だけがニヤリと笑う。
「そうくると思いましたよ。だから!」
私は副会長さんに構わず、ボールを投げた。ゴールではなく、斜め下に。
バンッ!
…………ガシャン!
床に叩きつけられたボールは大きくバウンドして、ゴールへと入った。
これがやりたかったのさ!
着地した私と副会長さんは向かい合う。
私はドヤ顔で、副会長さんは無表情だ。
「先ほどの副会長さんのお話を参考にさせて頂きました」
これはさっきのお返しだ。
「なるほど。最初からこれが狙いでしたか」
「ははは!秋広君が出し抜かれるのを久しぶりに見たよ。まぁボクも予想出来なかったんだけどさ!本当に面白い子だね」
「不覚でしたね。見事に手の上で踊らされました」
「まだ終わりじゃないですよ。これからが本番です」
「いいね、いいよ!次はボクなんだろう?しかと見ようじゃないか」
「その余裕、今にへし折りますから」
「楽しみにしているよ」
お返しのターンはまだ続く。
男子二人の必死のガードと陽子のサポートで、生徒会の三人はなかなかパスを回せないでいた。
だが束の間、会長の割り込みにより、ボールが奪われる。仲間から奪うって言うかはわからないけど。
「さぁ!海君!勝負しよう!」
「その勝負、受けますよ!」
私と会長が対峙する。
何を考えてるかわからないけど、向かい合ったまま私達は動かない。
ボールの弾む音とギャラリーの声だけが聞こえる。
「奪いに来ないのかい?」
「会長こそ、進まないんですか?」
「ふふふ。生憎ボクは、運動能力が秋広君並に高いわけじゃない。だから君を、運動能力だけで抜くのは無理だろう」
「なら、どうします?」
「ふふ。こうする、さ!」
会長がパスを出す…………風に見えた。
幻覚のような光景に一瞬目を奪われたけど、実際にはボールはその方向にはなかった。
フェイント!どこだ!?
「「海!」」
呼ばれて振り向くと、会長がいた。
「どうしたんだい?幽霊を見たような顔して」
「ええ、幻覚見せるわ、一瞬で消えるわで、幽霊かと面白いましたよ。どういうカラクリですか?」
「言っただろう?企業秘密だと。それにしても、その位置でいいのかい?ボクはこのままゴールに向かってもいいのだけれど。諦めたのかい?」
「ご冗談を。私は負けられないんで、ね!」
予備動作無しでフル加速。
全力でボールを奪いに行く。だけど、振った手は空を切った。
「チッ!」
「おお、怖い怖い」
私と会長の位置が入れ替わって、再び向かい合う。
さっき手が空振りしたとき何か違和感を感じた。けど正体がわからない。
思わず強く両足を握る。
「さて、二回戦だ。ボクからボールを奪えるかな?」
私は応えず、会長を見据える。
何かある。フェイントは確かに、幻が見えるほど鮮やかだった。けど、多分そこは根本じゃない。もっと何か消えたように見える原因がある。
私の勘がそう言ってる。
「そう熱く見つめられると照れるじゃないか」
この人は本当にうるさいな。
「ボールはいいのかい?」
「海!副会長!」
ボールって、会長はそこに。副会長さん?会長の後ろに…
そこまで思って副会長さんがシュートを打つ間際のことに気付いた。
なんで!?会長が動いた素振りはなかったのに!
そんな事を思いながら、私は自陣のゴール方向に走り出した。
副会長さんから放たれたボールは弧を描いてゴールに向かう。
「間に合えぇぇぇ!」
私は壁を蹴って飛び上がり、ギリギリのところでボールを弾く。
「危ないとこだった」
弾かれたボールは、不運にも会長の手に渡った。
「今のを防ぐのだね。さて、じゃあ三回戦と洒落こむかい?君が満足いくまでボクは付き合うよ」
「いえ、次で勝ちます」
「へぇ。自信はあるのかい?」
「ありません。だけど、後がないと思えば自然とやる気が出ます。それに、そろそろ私が勝つ姿を見せなきゃいけないんで」
「なるほど。なら、この攻防を最後としよう。この勝負に勝った人のチームの勝ちとしようじゃないか!みんなもどうだろう!?」
会場から賛同する声が聞こえた。
これでもう本当に後には引けない。けど、問題ない。元々これで勝つつもりなのだから。
「みんなの同意は得られた。さぁ!最後の勝負だよ!」
「えぇ。いいですよ」
その言葉を最後に、誰の声も聞こえなくなる。
会場も静まって、ただ、ボールの弾む音だけが聞こえる。
長く感じた停滞の後に、ついに会長が動いた。
抜きに…違う!会長なら…!!
直感の、本能の思うままに、私は…跳んだ。
「させるかぁぁぁ!」
「なっ!」
一瞬見えた幻が消え、シュートの態勢で跳んでる会長がはっきりと見えた。
驚きの表情を浮かべたまま、ボールは放たれた。
一歩出遅れていた私の指先をボールがかすめた、軌道に若干ずれが出て、それでもゴールへ向かった。
そして…
ガシャン!ガシャン!
ダンッ!ダンッダン…
リングを数回跳ね、ボールはゴールに入った。
「私の、負けですね。防ぎ切れませんでした」
「いや、引き分けにしようじゃないか。ボクの行動は読まれ、君はボールに触れた。それでボールが入った可能性もあるからね。先生、引き分けの宣言を!」
「り、両者、引き分け!」
会場から溢れんばかりの拍手が響く。
けれど私は納得してなかった。
「会長、なんで引き分けにしたんですか?あれは触れなくても、絶対にゴールするコースだったじゃないですか」
「それは神のみぞ知るってやつだよ。あと、ボクは悔しいんだ。海君にシュートを見抜かれたことが。どうしてシュートだと思ったんだい?」
「それは…勘、ですね」
「そうかい。なら次は、海君の勘も出し抜けるようにしようじゃないか」
「次は完全に止めます」
「ふふふ。楽しみにしているよ」
そう言った後、私と会長は握手して、会場の歓声に手を振って応えた。
より一層大きくなった拍手と、健闘を称える言葉のなか、バスケ大会は幕を閉じた。
第20話目を読んで頂き、ありがとうございます!
バスケが終わりました。1話か2話挟んだら次の競技に移る予定です。
とりあえず、今後ともよろしくお願いします。




