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現実を嫌悪する者へ  作者: Nexnem
仮想編第1話
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仮想編第1話Act1-6

Act1-6

~初陣~

 取り敢えず晒し者・・・じゃなかった余興はこれくらいにしよう。


「行くか」

「・・・まっ!序盤だから大丈夫ね。・・・で、βでの話だけど、首都の南方の森が初心者の狩りに最適だったのよ・・・そこへ行きましょう」


エリー姉とアスラムが主力で、私とテウルギアがサポートするという形だ。


                   ⋮


しきりに髪の毛を撫で回される。ゴミはついてないはずだ。


「ブルネットいーなー」

「いじるなら自分の髪にしてくれ」

「クセッ毛とか剛毛より柔かいストレートの方がさわり心地がいいのよ」

「ウィッグを買えばいい」

「地毛でも髪型は身嗜みの基本よ」


そんなボサボサだったのか?

・・・ようやく撫で回す手が止まった。人形遊びに飽きたわけではない。

緑色の皮膚を持った人型のクリーチャーが犯人だ。こいつが6体。お待ちかねの初陣が近い。臨時ブリーフィングをしよう。


「確かディスゴブリンとか言う名前だったかな?Lv1ソロで囲まれても楽勝だぜ」

「なら各個撃破だ!1匹回してくれ」

「私が分断する。斃せなかったらベテランプレーヤーの名折れよ」

「俺を誰だと思ってやがる!天下の名ファイター、テウルギア様だぞ!」

「あら?“テウルギア”は160cm位の“相撲取り”じゃなかった?」

「“190cmオーバーのボディビルダー”の“テウルギア”は初めてよ」

「なら、イメチェンしただけだってわからせてやるぜ!」


軽口を言い合いつつ各自散開する。緑の人擬き小隊中心あたりの地面が盛り上がった。連中が下を見る前に間欠泉(?)が噴出する!200ミリセカンドくらい経った瞬間、小隊全員が火山弾の如く吹き飛ばされた!

狙ったわけではなさそうだが、目の前に星になり損ねた1体が転がってきた。素早く起き上がるクリーチャー。額に角が見えた。名前通り小鬼だ。右手に棍棒を持っている。茶色の、あまり着慣れてなさそうで泥も少ない、多分ポリエステル製、なおかつポケット大量のベストとパンツ、それとおそらくは合成ゴム製だと思われる黒いシューズを身にまとっている。そいつが目を吊り上げながら私の方を向いた。躰全体で怒りと憎しみを表現しているように両手を大きく広げ、蟹股で迫ってきた!


(一番槍!)


先制攻撃の突きを仕掛ける。余裕で躱される!もちろんわざとだ。無防備になった小鬼に袈裟切りを撃ち込む・・・はずだった。なぜか目の前には茶色い壁が!


(あれ?どこ行った?)


顔と背中に衝撃が走った!


(ファーストアタックを取られてしまった)


目の前の足首に切りつける。外すわけはない!

ひるんだ隙に起き上がる!小鬼は八双構を取っている。得物がピンク色の光を放っていた。


(アーツを撃ち込もうとしている)


隙だらけだからカウンターを狙う!光線剣を引き絞り・・・小鬼が棍棒を振る直前に撃ち出す・・・はずだった。またしても目の前には土壁が!


(もう、しばらく踏込は封印しよう・・・)


なぜかHPバーの隣に目に斜線がかかったアイコンが浮かんでた。おまけに、視界の左1/3が真っ暗だ。

背中に衝撃を感じつつ目の前の足首を再び切りつける。小鬼が尻餅をついたのが見える!起き上がって踏んづける!まずは右手に突きを入れる!小鬼の得物がどこかへ飛んで行った!


(チェックメイト!)


                   ⋮


何度突きを撃ち込んだかは覚えてない。


(小鬼一匹に大苦戦するとは)


大言壮語を吐いてくれた張本人を見る。やっぱり似たような状況だ。小鬼にマウントポジションを取られてる・・・もっとも、顔はあさっての方向を向いてて丸腰になってる状態でタコ殴りにされてるのは小鬼の方だが。


「”中ボス“撃破オメデトウ!」


エリー姉が声をかけてきた。もちろん笑顔で!


「いつから?」

「始まってから20秒くらい後かしら?」

「5分くらい前よー」


最後の小鬼がポリゴン片をまき散らした。テウルギアの方へ3人で歩いていく。


「囲まれても楽勝じゃなかったの?名ファイターさん?」

「”アバターが思い通りに動ければ”だ!」


質問が意地悪すぎるから言い訳っぽい回答になってしまったようだ。


「次は2対1にする?」

「・・・えーっと・・・」

「しばらく2対1だ」

「どのくらい?」

「私が走れるようになるまで」

「どうすんだよ?2人で殴り掛かるにはこいつ、小さすぎるぞ?」

「挟み撃ちにしよう、とりあえず、最初は私が前方、テウルギアが後方から不意打ち・・・かな?」

「なるほど」

「決まりね。でも、早く斃さないと、私達が乱入するわよ」

「えい♥」


左目を引っ張られた!


「何すんだ!」

「"この眼は母にもらったものだから!"♪」


目をキラキラさせて妹が木の枝を私に向けてきた。先っぽには白い球の中に黒い球が入った物体が・・・なぜか赤い糸のようなものまでくっついてる!こんなものが食べ物のはずはない。アスラムが何をやらせたいのかは理解できたが、これを食ったら人間やめた連中の仲間入りだろう。


「まだ人間は止めんぞ!」


元凶を没収して・・・捨てた。知らないふりしよう・・・


「名シーンが台無しよ・・・!」

「何が面白くて自分の目玉を食わなきゃならんのよ!」

「演出、演出!」


何故かトレードウィンドゥが出現した。

アスラムの提示品には・・・“目玉が刺さった枝”が・・・


「却下だ!却下!!!」

「面白くしなきゃだめよ」


じゃあ、面白くするか・・・

私の目玉を受け取って・・・破壊!


「!!!」

「これで面白くなった」

「フルフルの勝利!」

「Boo!F○ck you フルフルー!」

「遠吠えはほどほどにね」


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