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現実を嫌悪する者へ  作者: Nexnem
仮想編第2話
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仮想編第2話Act1-1

Act1-1

~警告と予知を兼ね備えた悪夢~


 ・・・ここはどこだ?

“私は誰?”という状態ではないが、暗すぎて真っ平らな床に立っていることくらいしかわからない。右手には何か筒状のものが握られていた。勿論、どこから取り出したのかは覚えがない。ここに来る前は確かにホテルのベッドで寝ていたはずだ。服は私の好みとはかけ離れたクラッシクな服装だったはずだ。今の服は何なのだろう?スカートをはいていることは間違いないが、上半身、特に背中や胸のあたりは素肌のようだ。気になるな・・・

 握っている筒が懐中電灯だったらよいのだが・・・いろいろ探っていたが、先端には穴が開いていた中ほどには突起、いや、スイッチのようだ。

(電灯であってほしい)

スイッチを押し込んだ!


“☆→!!”


ピンク色で半透明の光線が出現した。光線剣、QUSWアルファMkⅠ。この世界に私が登場してから初めて使った武器だ。今は敵を斬るためではなく明かりを探すために使うことにする・・・。


⋮


 (見つけた)


説明書きなんてなかったが、間違いなく電灯のスイッチだろう。古めかしいレバーに似た格好のそいつを押し上げた!


“?↑”


明るくなった。光線剣から漏れ出ている光だけだったところにLEDの照明が部屋全体加わった感じだ。

灰色だった。壁一面にグレーの壁紙が張られていた。窓なんて存在しない。目の前は全て壁だ。床もグレー。


(私・・・)


都合よく姿見が立っていた。鏡の中の私は赤、それも原色に近い赤のドレスを着ていた。胸元が大きく開いているタイプだ、映画女優が着れば確実に目立つだろう服だった。


「似合うかな?」


・・・私ってキレイ?


「麗しき乙女は最高のディナーだ!」

(!!)


後ろから抱き着かれた!ご丁寧にやわらかい部分はしっかりホールドされている。私から見えるのは腕の部分だけだ。そいつは、グレーのスーツのような長袖、わざとらしくグレーの宝石らしきカフスがついた袖と、その袖口から見えるワイシャツ、グレーの布製らしき手袋に包まれていた。


「Aaaaahhhh!」


首筋にかみつかれた!でも・・・気持ちいい!気持ちいいだけではない。手足の感覚が消えるくらいの快感だ!


「これが本当のバンパイアキッスだ!いい味だろう?」


いつの間にか“そいつ”が正面に回り込んできた!違った。私が振り向かされた。

“そいつ”を見た瞬間、冷めてしまった。・・・万全の状態ならば今すぐこいつを切り捨ててやりたい!8年間私はそう思い続けていた。憎すぎてこいつが存在することが許せない奴だ。そいつは全身グレーのスーツを着ていた。ネクタイもグレーだ。胸ポケットにはやはりグレーの布きれらしきものが入っている。“そいつ”はどこかのパーティに出席しに行くような姿だった。


「ここはお前の存在が許される場所じゃない!」


・・・叫ぼうとしたが、声は出なかった。例え叫べなくても私は何が何でもこいつを斬り捨てなければならない!動いてくれ!1mくらいスライドするだけで奴の腐った口を封じることができる!


「御主人様には決して逆らえない・・・俺が決めたルールだ」


首をつかまれた!・・・右腕1本で・・・。不思議と苦しくない。頸椎が折れることもない。

すぐに何かやわらかい、多分布団の上なのであろう場所におろされた。


「お前は俺の永遠の僕だ!そうだろう?学・・・おっと、今はフルフルか」


違う!私の主人は私!誰の僕でもない!


「僕の使命は主の望むものを奉げることだ!今の望みはお前からの快楽だ」


光線剣を取り上げられた・・・。服も脱がされてしまった。手も足も動かない・・・丸腰になってしまった。いろいろと穢されているが、全く声が出ない・・・


「AGGGGGHHHHHH!!!」


出た!


「夢の中の相手は彼女?それとも彼氏?」

「?」


聞き覚えのある声だ。そして、それは最近知り合った女性のものだ・・・

周りはさっきまで覚えていた地下室とは似ても似つかない部屋だ。崩壊寸前とまではいかないが、壁紙が染みだらけのホテルの客室だ。

部屋の空きがなかったから相部屋だった。


「フルフルがあまりにも気持ちよさそうだったから★」

「・・・」


私の躰には布団が掛けられていた。勿論、服も着ていた。部屋の中には変わりない。だが、あいつに襲われた部屋には窓がなかったが、今はある。日の光が差し込んできている。ベッドも木製ではなく金属製、床はすり切れたカーペット。これは幻覚でない。私が寝ていたホテルだ。


(あれが夢だったのか・・・)


「何だったの?」

「多分インキュバス・・・にヤラレタんだと思う・・・」

「いるみたいよ。そういう奴ら・・・」

「私自身が憎くてどうしようもない奴の顔をしていた・・・」

「・・・まあ、私も見たわ。そういう夢・・・」

「同じ?」

「顔なんて忘れられない・・・鏖殺したくってしょうがない奴らにヤラレタ・・・そういう夢よ」

「・・・何かの警告なのかな?」

「そうなのかな?警告夢っていうのを聞いたことがあるわ・・・それでも私の頭の中は変わらない・・・発見次第鏖殺!ただそれだけ」

「私も変わらない・・・次に会ったら斬り捨てる!」


大変長らくお待たせいたしました。

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