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現実を嫌悪する者へ  作者: Nexnem
救出編第1話
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救出編第1話Act3-1

Act3-1

~望まれない世界~

「・・・時間だ!」


岬が部下たちに号令をかけた。


「行くぞ・・・カウントダウン!」


声にはどうやっても隠すことができない喜びが混じっていた。


「10!」

「9!」

「8!」

「7!」

「6!」

「5!」

「4!」

「3!」

「2!」

「1!」


休憩室の壁の中から円筒が突き出てきた!キャスターなどはついていないようにしか見えないが、素早く、水面から射出されたかの如く岬たちに迫ってきた。しかし、それで恐怖を感じる人間は一人もいなかった。


「イグニッション!」


円筒から爆発音と共にオレンジ色の閃光が発射された!部屋の中は瞬時に紙吹雪という名の爆炎で満たされた!このような状況でも聞こえてくるのは歓喜だけが込められた話し声だけだった。


紙切れが床に触れ、次々と消滅していく中、部屋にいた全員は巨大投影モニターを注視していた。モニターを占拠している数値は回転しているスロットマシンの如く変化し続け、ついには10万を数えた。


「成功だ!!」


岬の叫びと共にメンバー達は手に持っていたクラッカーを鳴らした!なぜか部長だけは紙のコーンのようなクラッカーを持たずに大型の円筒を抱えていた。緑色、それも軍隊が好んで使用するような色に塗られ、中には判別不能な何かが詰まっていた。部長はミサイルランチャーにしか見えないそいつを岬たちに向け、トリガーを引いた!”ミサイルランチャー”は部長が期待していたようなミサイルの代わりに大量のテープを岬たちに振りかけただけだった・・・。ただし、それでも、本来の目的は果たされていた。岬たちはわけがわからず固まっていたのだ。


「無礼講よ!」


                    


「いまどきのプレーヤーってこんな飽きっぽかったっけ?」

「粘り強いですよ?もー餅並に」


アルコールのせいで上機嫌になってしまった元と楓が軽口をたたいていたが。岬の表情は険しくなっていった。


「何があった」


岬はアクセス数の減少を示している投影モニターを凝視していた。


”TWHaR became isolated world・・・Players shall abide in this world. And noone can help the victims! It is not manual but retribution!!!!!!!!!!!”


もはやたとえ理性を保てないほどのアルコールが体内に入っていたとしても笑顔の人間などはこの場に一人もいなくなった。


”GMバイタル消失!”


確かにそのような意味の言葉が書いてあった。


「なななななななな何?」


パニクるメンバー。


「斎藤!浅井たちとGMルームへ!救急車も忘れないで!」


部長の絶叫でわずかだが、落ち着きを取り戻した。


「ここを頼みます!」


                    


来る場所を間違えた・・・。ここ、VRでしょ、現実空間に戻っていいかな・・・?誰もがそのような表情をしていた。部屋の中に存在していたのは、鉄とタンパク質、そして、食べ物が消化されきった匂い、だらしなく弛緩し、股間部分を濡らして痙攣を続ける人間、赤黒く若干の粘性を持った流体、出てしまうと致命傷だと誰もが判断できるピンク色の肉塊だった。


大半の人間はあきらめてトイレへ逃げ出した!一方で岬は、歯を食いしばり、粘性流体の沼地に足を踏み入れた。そして、痙攣している人間の上半身を抱きかかえ、絶叫した!


「逝くな!!ここはVRじゃない!現実だ!戻ってこい!」


人間だった物体は何も反応を示さない。


「俺たちの作った世界が・・・なぜだ・・・畜生!」


岬は小声だが、怒りを抑えようとせずに呟いた。


                           救出編第1話 完

救出編第1話はこれで完結です。

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