仮想編第1話Act3-5
Act3-5
~生存者の帰還~
部屋の中だ。窓は無い。床は材質がわからないくらいの埃だ。あるのは灰色の等身大人形と・・・棚に乗ってる埃をかぶった物体と・・・床にある埃の山と・・・赤茶色のドアだ。取り敢えず取っ手を握って、引っ張る!・・・動かない。
取っ手を押す!・・・動かない。
取っ手をスライドさせる!・・・動かない。
「帰れると思ったのに・・・」
・・・
「鍵よ!」
ミッション、部屋のドアを開けて脱出せよ、スタート。
探すべきは、埃の山だ。不自然に盛り上がっている。下に何かが埋まっているのだろう。床の積埃は約2~3cm。相当なものが埋まってる!
手を突っ込む!硬くてデコボコした感触が。そいつを握って・・・引き抜く!
グリーンの板に大量の黒いチップがくっついた物体だった。山が標高が少し低くなった。
⋮
標高が2/3になったが、出てくるのは用途不明で緑と茶色の基盤ばかりだ。ジャンク屋に売れるかな?その前に換気扇が欲しい。VRで気管支炎なんてなりたくないよ。
「「!」」
積もっていたものが崩れた音がした。
等身大人形が動いてる!手にはライフル、銃身の延長線上には・・・私!?
迷うことはない!突撃だ!
「攻撃しないで!」
人形・・・じゃなかったロボ(?)が声を発した!性別判定不能な高さだ。銃口はまだ私の顔に向けている。ホントに言いたいのは”銃がお前を狙っている!”じゃないのか?止まらずに距離を詰める!なぜかロボがホールドアップした。何がやりたいのかはわからないが、用心の為、剣の攻撃圏内まで前進する。
「何者だ!武器を捨てろ!」
「私は丸腰です」
・・・私は今まですぐわかるような嘘をつくロボに会ったことがない。
「もう一度言うわ!武器を捨てなさい!」
「丸腰ですってば!」
「握ってるのは銃じゃない!」
「銃ではありません!」
この強情ロボに言うことを聞かせるにはどうしたら良いか・・・多分ノッキムがスクラップにするのが最速の手段だろう。
?待った・・・あいつ、手持ちの物を銃として認識してないのかもしれない。
小声で、ついでに耳元で
「あいつの手に持ってるものって」
「どう見ても銃でしょ?」
「調べられない?」
「ロボが嘘ついてるだけだと思うけど・・・」
ノッキムが左手を動かしている。ホントに銃なら私がロボを真っ二つにしなければならない。
ノッキムが剣をしまった。釣られて私も丸腰になる。
「・・・勘違いだった」
「私はただの管理者です」
ロボが銃に似た何かを降ろして自分の躰をあちこちを撫で始めた。灰色から白っぽい外見に変わった。人間の女性型だった。白人系の顔と皮膚、金混じりの灰色の髪。見た目だけなら埃をかぶってしまった人間と答えてしまうだろう。
ロボは自分を管理者と言っていたが、愛玩用にしか使われない器官が存在した。それは彼女(?)が愛玩用として作られた決定的な証拠だ。その証拠を縫い閉じている紐だけが彼女(?)の身に付けている衣服の全てだった。
持ち主、変態だろ・・・でも、もうちょっと見ていたいけど・・・ノッキムがビニールシートで彼女(?)をくるんでしまった・・・。取ったら私が同じ格好をさせられそうだ。
「管理者さん・・・ならドアの鍵は何処かしら?それと、ここは何処なの?・・・10秒で教えてちょうだい!」
「ここはノビスシティ、N4E8地区の256政府庁舎保管庫です」
鍵を出しながら答えてくれた。
ノビスシティ!戻ってきた!・・・希望は再びつながった!
もうこのロボに聞くことは決まっている!
「ここから南地区へはどう行く?」
BBSの皆、アドバイスをくれたフレンドの皆、それからこのロボにも感謝しなきゃ!やるべきことは山積みだ!その中にこのロボに服を渡すことも追加だ!
仮想編第1話 完




