仮想編第1話Act3-3
Act3-2
~撃破する為に・・・~
・・・これ、何かのイベント?目の前に黄色っぽい肉塊が降ってきた・・・。
顔と胴体・・・は人間だ。でも、両肘と両膝から先が存在しない。服も着ていない。両手足の断面と胸から光が漏れてる。新手のMob・・・じゃないよね。
(誰?)
取り敢えず鑑定・・・
“ネーム:???
性別:???
LV:???
状態:???
HP:???/???
MP:???/???”
この娘、偽装持ちだ・・・もしかして、写真の娘かな?何となく雰囲気が似ている。
ウォルターの情報と照合してみよう。
名前:偽装Skill使ってるみたいだから不明・・・偽装Skill持ちであることは一致
性別:女性・・・一致
顔:美少女・・・じゃなかった、照合不能
髪型:ブルネットのショートポニーテール・・・一致
肌の色:モンゴロイド系・・・一致
アバター年齢:成人から1、2年ほど前・・・一致
身長:足が無いから不明
服:誰かに破かれたみたいだから不明、事後じゃないといいけど・・・
胸:多分AA・・・後姿だけじゃ照合不能
武器:手が無いから不明
年齢、体型、髪型は間違いなく”写真の娘”だ。ようやく会えた。貴女を探していたのよ。さてと、初めまして・・・かな?スマイル、スマイル・・・
「!」
彼女と目があった!目が大きく見開かれている・・・口が開いている。半分くらいしかない腕と脚で後ずさった!
・・・嫌われたかな?
「私もプレーヤーよ。Mobじゃないわ」
後退が止まって、目の開きが小さくなった。・・・良かった。
「貸しよ!」
取り敢えず抱きかかえて・・・奔った!
⋮
「セーフティエリアに侵入しました」
前略、デカい黒鎧に手足を切り飛ばされて、心臓串刺しにされて、服をひん剥かれて、なぜか謎の少女に躰目的でモーテルに拉致られました・・・。
取り敢えず・・・服が着たい・・・早く手足治ってくれ・・・なんで治らないんだ?
「ノッキムよ」
「?」
「ワンコ呼わばりされたくなきゃ名乗りなさい!」
「フルフル・・・だ」
!しまった!思わず。いや、写ってたのは後姿だけだ。気付いていない可能性も。
「・・・!!?マック、男だって言ってたのに?」
「私はこれでも男だ」
それ以上訊かないでー。
「・・・運命の手の込んだ悪戯ね。それで、確認したいんだけど、フルフルが”写真の娘”よね?」
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・バレタ!
「・・・」
・・・フルフル、不覚・・・
Duuuummmmmm you!マァァァァァァック!書き込み頼むんじゃなかった!
F○ck off!ドォォォォォォォォォォン!お前とは未来永劫デートしないぜ!
You S○○○○○○○○○ck!フルフルーーーーーー!隠すんじゃなかった!
今すぐこっから消えたい!しばらく人間やめてたい!
「・・・プフッ、カワイイ!まあ、パパラッチはメンドーだからね」
・・・そんなんで済むの?
「まあ、フルフルの書き込みは当然の対応ね。同じ状況なら私だってそうするわ」
・・・ちょっとバツが悪いな・・・
「・・・ところで、手足、何にやられたの?」
「ゴーディとか名乗るデカい骸骨に・・・やられた」
「そのデカブツ・・・いい趣味ね・・・下種くて!」
「少なくとも奴はプレーヤーや雑魚・・・ではないはず」
「知ってること、全部話しなさい!」
・・・尋問されタイム、スタート・・・
「・・・わかっていることは・・・目測5m位の黒鎧を着たデカい骸骨で、6m位の長剣をブン回してくることだ。なぜか取り巻きはなし」
頷いた。意訳:デカ!
「出現場所の地面は人工池で、やたらと粘度の高い水が広がってる。でも、奴だけ普通に動ける」
眼が大きく見開かれて口が全開になった。意訳:汚ー!
「奴に斬られると一撃で手足が消滅する」
唇の真ん中が釣り上がった。意訳:チート!
「後は"1人だから一騎討ちで応じる"・・・って言ってた・・・」
黙ってしまった・・・
「そいつに手足をやられたわけね・・・」
胸に手を伸ばされた!・・・指先が谷間に入って・・・そのまま体内まで届いた?
「!!!!!!」
「心臓がなくなってる・・・確かにこれじゃあ治らないわね・・・」
Omg―――――!
⋮
“人間”に戻るのに1日掛かりだとは・・・やっと野良犬状態から脱却できた。
取り敢えずメニューを開く。
服を選択する。
“メイドさん”を選択する。
「メイド服・・・趣味?」
「拾い物の一張羅」
「もしかして・・・嫌い?」
「1分前から」
クラッシックなやつの方がどれだけマシなことか!私はリアルドールじゃない!帰ったら真っ先に着替えを買いに行こう・・・マニアックでないやつを!
・・・っとその前に作戦会議だ。
「あの黒鎧を斃す!」
「随分ゴーディって奴に固執してるみたいだけど、何があるの?」
「奴の後ろに転送ゲートらしきものが見えた」
「鳥居っぽいやつね」
「奴を土に返せば・・・」
「なるほど・・・よし、乗った!斃しましょ!2m位下に埋めてやるわ!」
問題は攻撃手段と・・・
「戦力確認しましょ。私のメインウェポン・・・はこれよ」
ノッキムが出してきた。銀色の金属剣だ。見た感じ間違いなく鉄製だろう。
「アイアンソード、天下のNPC様謹製よ」
「サブウェポンは?」
「ないわ」
「私もメインウェポンは剣だ。ドロップアイテムだけどね。サブウェポンは同じくなしだ」
「・・・ちょっと貸して」
何やらメニュー画面を操作しているようだ。
「・・・ダマスクスソードね・・・これで斃せる・・・わけないか」
「!ノッキムは鑑定Skillを?」
「もちろん」
天佑だ!今の戦力状況を知ることができる!
「これで状況を整理できる」
確か2種類ポーションを作ったはずだ。早速取り出す。
「・・・毒薬Ⅱ!これだ!やっと会えた!もうトカゲ人もクモも怖くないわ!もう1個は・・・HPポーションⅣ!これで私もゴーストバスターの仲間入り♪」
「回復量は・・・思ったより貧弱ね・・・」
「?」
「250」
・・・武器が足りない!火力が足りない!補給が足りない!戦闘員が足りない!参謀が足りない!撤退ルートがない!ないないばかりだ・・・
2人だけでできることは・・・無いのか?キーアイテム探しか?それともレベル上げか?Skill探しか?
「対策ねー」
「奴はアンデッドだった」
「根拠、有るの?」
「HPポーションをぶつけたらダメージ受けてた」
「ポーション量産は確定ね」
「HPバーは減ってるのが見えないくらいだった」
「うーん・・・1klくらいこぼして様子見とか・・・」
そもそもそんなに持てない。無いよりマシ程度だろう。
「打撃ならどうかしら?」
「盾がある。装備できないけど」
「他には?」
「石ころ」
「・・・」
・・・論外だ。
「Lv上げ」
論外その2だ。
「Skill探し」
「90日以上かけて2つしか見つかってない」
「私は0ね。論外2つよりはマシ・・・くらいかしら」
詰まった!あとは野菜と・・・Mob共の躰とFFと・・・
「!」
私はポーションを2種類しか作ってないはずだ・・・
「違うのが混じってた」
「HPポーションⅠじゃない?」
「あと1種類ある」
「?失敗作?」
「燃えるゴミは野菜の肥料にしたはずだ」
「貸して!」
ひったくられた・・・
「・・・!これ、見て!」
彼女の前に半透明の物体・・・じゃなかったスクリーンが出現した。
“HPポーションⅣC
製作者:フルフル
HP回復量:250+10%”
・・・どうやって作れた?
「数が確保できれば!」
「当て方もだ。ただ、どうやって作れたのか分からない・・・」
「レシピじゃないのかしら?」
「見つけた野菜じゃ2種類しかレシピが無かった」
困った時のBBSだ・・・!
⋮
キーワード:生産+Skill+作成物+変化・・・検索!・・・有力な記述なし。
キーワード:生産+Skill+作成物+性能向上・・・検索!・・・有力な記述なし。
キーワード:生産+Skill+作成物+能力変化・・・検索!・・・有力な記述なし。
・・・未発見の要素なのか?
「・・・フルフルの個性?」
「グッドリーズン」
・・・本当だとしたら、あまりにも理不尽すぎる仕様だけどね。
もしかして、Skill構成なのかな?・・・エンチャントしながら調合してたからなのかな?・・・どの可能性も捨てきれない。
「最終手段・・・」
「それしかなさそう」
「思いつきローラー作戦」




