おかわり
――カララ。
(うーん、まだ半分もある。今回の期間限定はハズレね。)
「あ、あのへん空いてる。ガラスの衝立の前」
「おけー」
(あ、JK来た。今どきの子は垢抜けてるわぁ)
「みーこ聞いてよ!」
「またあの話?」
(恋バナか?……これ無くなるまで、お姉さんも聞かせてもらいますかね)
「そ、リクの話」
「ほいほい」
「昨日も既読つくの三時間後だよ? 三時間」
「うーわ」
「ありえなくない?」
(ふふっ。そこを待てるのがイイオンナなわけですよ)
「あたしのこと好きじゃないんだと思う」
「えー」
「ぜったいそう」
「決めつけんのはやくない?」
「だってもう一週間こんなだよ?」
(この前の月曜か。私何してたっけ)
「もう諦めようかな」
「えー、もったいないよ」
「だってつらいもん」
「でもリク君のこと、中二の頃からずっと——」
「言わないで」
「あたしさ、たぶんもう一生こんな好きになれない」
「わかるー」
(分かる。けど違うんだなー)
「リクが他の子と話してるとこ見るだけで、心臓がギュってなるの」
「うん」
「これってさ、ふつうじゃないよね」
「ふつうじゃないよ。だってそれ、好きってことだもん」
「なんでわかんの」
「少女漫画で読んだ」
(今も昔もお変わりないようで)
「リクのこと好きなのっていつまで続くんだろ。つらいよー」
「もうスッキリしちゃってもいいんじゃない?」
「ムリムリ!コワすぎ!」
「でもそろそろ夏休みだよ?行きたいとことかあるっしょ。したいこととかさ」
「ある。もしリクと付き合えたらさあ」
「うん」
「毎日お弁当作ってあげたい」
「おもくね」
(重くねぇ。いいと思うぞ、私も作った)
「お弁当作ってさあ、一緒に食べてさあ、一緒に卒業して、同じ大学いってさあ」
「うん」
「慣れてきたらドウセーとかしたり?ずっと一緒にいたい」
(ごめん、強がった。全然お弁当作ってない)
(全然そこまで行けなかった。そこ行く前に終わった。あんたすごいよ。合格。もう言うことなんもない!)
「——で、どうすんの」
「告ろうかな」
「えっ」
――ズー、ズズッ。
(待って、急展開)
「言っちゃおうかな」
「ま、まじで」
「うん。しゃべってたら、なんか時間もったいないかもって」
「それでなんて言うの」
「好き」
「超ストレート!いついつ?」
「えー」
「私も協力する!いつ?」
「んー」
(私なら一か月くらいで徐々に仲良くなって、ちょっとずつ二人の時間増やして。いいな。また——)
「んー、いまから」
「んぃ今からぁ!?」
「なに!」
「だれだれ!?」
「——あー、いや、あー。……ドリンク追加するから、ちょっと待ってて」




