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第41話「平穏の終わり」
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一
ギルドの朝は、いつも通りだった。
といっても、あの戦いからまだ数日しか経っていない。壁のヒビは修繕されたが、食堂のテーブルのひとつには新しい傷がついたままだ。コウタと牙がぶつかった衝撃でできた、深い裂け目である。
「いたたた……」
コウタは包帯を巻き直しながら、そのテーブルに座っていた。全身の傷はまだ癒えていない。聖女の回復魔法で大きな傷は塞がったが、あちこちにできた打撲と裂傷が、動くたびに痛む。
「じっとしてなさいよ」
カナが後ろから包帯を引っ張った。わざときつく締める。
「いっ、カナ、もうちょっと優しく」
「優しく? アタシの鎧に傷つけておいて、よく言うわね」
「だってあれ、俺のせいじゃなくて相手が強くて」
「はいはい、ゴブリンがすごく強かったんでしょ」
呆れた声で言いながらも、カナの手つきは少しだけ丁寧になった。彼女は包帯を留め終えると、コウタの隣にどさっと腰を下ろす。
「……でも、あんた、なんであんなゴブリンに入れ込むわけ?」
「入れ込むっていうか」
「普通、何度も戦ったゴブリンなんて覚えてないわよ。名前もつけてないし」
「牙には名前がある」
カナは眉をひそめた。
「……牙?」
「うん。俺が勝手に呼んでるだけだけど。『血塗れの牙』っていうんだ。向こうは知らないと思うけど」
カナは紅茶を一口含んで、大きなため息をついた。
「あのねえ、ゴブリンに名前つけてる時点でどうかしてんのよ」
「そうかな」
「そうよ」
でも、カナはそれ以上追及しなかった。なんとなく、コウタの顔が真剣だったからだ。
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二
聖女は、窓際の席でTL本を開いていた。
今日も研究は捗っている。彼女の手元には、新しく購入した二冊目のTL本が置かれていた。タイトルは『運命の双璧』。人類と魔族の青年が、種族を超えて友情を育み、やがて──という筋書きらしい。
「……なるほど」
聖女は、あるページで手を止めた。敵同士だった二人が、共闘した後に互いの手当てをするシーンである。
「敵対する種族が、互いの傷を癒やす。これは……興味深い」
彼女は、無表情のままページをめくる。その脳裏に、ちらりと浮かんだのは──コウタが全身傷だらけで帰ってきた夜のことだ。
(あのコウタさんの顔は、ただの戦闘後の疲労ではなかった)
でも、彼女はその思考をすぐにTL本で上書きする。
「……研究を続けましょう」
「またTL読んでんの?」
カナが後ろから覗き込んだ。
「これは研究です」
「はいはい」
聖女は、少しだけ言い訳するように付け加えた。
「それに、『運命の双璧』の四十八ページ、肩の傷の手当てシーンは、解剖学的に見ても非常に正確です」
「あんた、もうそこまで読んだの」
「研究ですから」
カナはあきれ顔で笑った。
平和な朝だった。
コウタは、包帯を気にしながら窓の外を見ている。森の方角だ。
(牙は、元気かな)
彼は、あの戦いの後、牙がどうなったのか気にかかっていた。背中を聖剣の力で焼かれたはずだ。でも、メスゴブリンが一緒だったから、きっと看病されているだろう、と。
(また戦える日が来るかな)
そんなことを考えている自分に気づいて、コウタは少しだけ苦笑した。カナに言ったら、また「頭おかしい」と怒られそうだ。
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三
その頃。
森の奥深く、人が決して踏み入らない谷の洞窟で。
牙は、目を覚ました。
背中がまだ熱い。傷口は塞がりつつあるが、深く焼かれた皮膚は簡単には戻らない。だが、それでも彼は起き上がった。自分の体よりも、先に確認すべきものがあった。
メスゴブリンが、洞窟の隅で薬草をすり潰している。彼女は牙が目を覚ましたことに気づくと、慌てて駆け寄ってきた。その小さな手には、湿らせた薬草が握られている。
「……ギ」
牙は、何も言わずに彼女の頭に手を置いた。無事だ。それが確認できれば、背中の痛みなどどうでもよかった。
メスゴブリンは、懸命に彼の背中に薬草を貼り付ける。指先が震えている。怖がっているのだ。あの時、コウタと牙がぶつかった光景を、彼女は間近で見ていた。
牙は、黙って彼女の手を握った。
(大丈夫だ)
言葉はなくても、通じていた。
メスゴブリンは、少しだけ安心したように息をついて、また薬草をすり潰し始めた。
洞窟の外は、穏やかな木漏れ日が差している。小川のせせらぎが聞こえ、遠くで鳥がさえずっていた。ここには、誰も来ない。来るはずがない。
牙は、目を閉じた。背中の痛みが、少しだけ和らいだ気がした。
メスゴブリンが、外に出て薬草を摘みに行く。彼女は洞窟の入り口を出ると、ぽかぽかと陽の当たる斜面にしゃがみ込んだ。小さな手で、丁寧に薬草を選んでいる。時々、珍しい花を見つけては、うれしそうに手に取った。
牙は、洞窟の中からその姿を黙って見つめている。
彼の赤い目は、かつてのようにギラついてはいなかった。穏やかだった。穏やかに──守る者を見守る目だった。
これが、二人の最後の平穏だった。
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四
ギルドの掲示板に、新しい依頼が貼り出されたのは、その日の午後のことだ。
依頼書は、他のクエストより少し大きな紙に、太い文字で書かれていた。
緊急討伐依頼
対象:ゴブリン(赤い目の変異種)
場所:城下町北東の森、谷間の洞窟付近
報奨金:金貨五十枚
備考:極めて危険。過去に複数の冒険者を殺傷した記録あり。付近住民の安全のため、早急な討伐を求む。
発行:ギルド本部
コウタは、その依頼書を前にして立ちすくんだ。サーッと血の気が引いていくのを感じる。
「──牙」
「またその話?」
後ろからカナが覗き込む。依頼書を一読すると、彼女はフンと鼻を鳴らした。
「ふうん、賞金かかってるじゃない。ま、どうせ雑魚でしょ」
「違う、カナ。こいつは本当に危険なんだ」
「はいはい。でも、あんたが行く必要はないわよ。どうせ他の冒険者がやるんだから」
「他の冒険者が?」
コウタの声が、少し震えた。
「牙は……強いんだ。普通の冒険者じゃ勝てない。それに」
それに、今の牙はメスゴブリンを守っている。邪魔する者がいなければ、牙は戦わないはずだ。でも──もし誰かが手を出したら。
「……止めなきゃ」
「は? なにを?」
「この依頼、受けちゃだめだ。牙は悪いゴブリンじゃない。今はただ、メスゴブリンを守ってるだけで──」
カナの顔が、だんだんと怪訝なものに変わっていく。
「あんた、本気で言ってるの?」
「本気だよ」
「ゴブリンよ? それも、あんたを何度もボロボロにしたゴブリンでしょ。なんでそんなに入れ込んでるのよ」
「それは……」
コウタは、言葉に詰まった。牙が自分にとって何なのか、うまく説明できなかった。ライバルで、好敵手で──でもそれだけじゃない。守る者の姿を見せてくれた、初めての相手だった。
「……とにかく、俺は行くよ。森に」
カナの目が、細くなった。
「ダメ」
一言で、拒絶した。
「なんでだよ」
「あんた、まだ傷だらけじゃない。それに、もし依頼を妨害したら、ギルドから除名されるわよ。そんなことになったら、今度こそ野宿生活よ」
「でも──」
「コウタ」
カナは、コウタの腕を掴んだ。その手が、少し震えている。
「……またボロボロになるところ、見たくないのよ」
コウタは、何も言えなかった。カナがこんな顔をするのは、珍しい。いつものツンツンした態度はどこにもない。ただ、不安そうな幼なじみの顔があった。
「……ごめん」
コウタは、うつむいた。
でも、彼の胸の中で、何かがざわつき続けていた。
──早く行かなければ。
──手遅れになる前に。
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五
その日の午後遅く。
ギルドのカウンターで、ひとりの大柄な男が依頼書に手を伸ばした。
「へえ、金貨五十枚か。いいじゃねえか」
男の名はガルド。ギルドでも上位に名を連ねる戦士で、これまで数多くの討伐依頼を成功させてきた実力者だ。その周りには、四人のパーティメンバーが集まっている。
「おいガルド、相手はゴブリンだぜ。五十枚はやりすぎじゃねえか?」
「それがよ、『血塗れの牙』って呼ばれてるらしいぜ。何人も殺ってるらしい」
「ふん、どうせ群れで襲ったんだろ。一匹だけならたいしたことねえよ」
弓使いの女が笑う。魔法使いが杖をくるくる回しながら言った。
「ま、賞金が高いなら受けるさ。楽な仕事だ」
ガルドは依頼書をカウンターに叩きつけた。
「俺たちがこの依頼を受ける。いいな」
受付の職員が、少しだけ顔をこわばらせてうなずく。
「……承知しました。お気をつけて」
「心配すんな。ゴブリン討伐なんざ、何度もやってる」
ガルドは不敵に笑うと、仲間たちを従えてギルドを出ていった。
コウタは、それを見ていた。声をかけなければ。止めなければ。そう思ったのに、足が動かない。
「……あいつら、やる気みたいね」
カナが隣で言った。彼女は、少しだけ安心した顔をしている。
「これで解決でしょ。プロが行くんだから」
「……でも」
「コウタ。あんたが行く必要はないの」
カナの言葉は正しい。ギルドの実力者たちだ。牙とて、五人を同時に相手にするのは厳しいかもしれない。でも──。
「……カナ、俺は」
「だ・か・ら」
カナは、コウタの頬を両手で挟んで、無理やり自分の方を向かせた。
「あんたは、ここでじっとしてなさい。わかった?」
彼女の目は、有無を言わせない強さだった。でも、その奥で、かすかな不安が揺れている。
コウタは、うなずくしかなかった。
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六
聖女は、そのやりとりを窓際の席から見ていた。
彼女はTL本を閉じると、静かに立ち上がった。
「……ガルドさんたち、行きましたね」
「ああ、ついさっき」
聖女は、少しだけ空気を嗅ぐように顔を上げた。
「……妙な気配がします」
「え?」
「いいえ。気のせいかもしれません」
でも、彼女の手は杖を握っていた。あの森の方角から、かすかな魔力の波動を感じたのだ。それは聖剣の波動とも、カナの魔力とも違う──もっと原始的で、暗いもの。
(……なんの気配でしょう)
彼女は、またTL本を開いた。ちょうど「悲劇の予兆」の章だった。
主人公が、友の死を予感しながらも何もできずに夜を過ごす場面。聖女は、そのページをじっと見つめていた。
(これは──ただの物語です)
自分に言い聞かせるように、彼女はページを閉じた。
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七
夜になった。
コウタは、自室のベッドに横たわっていたが、眠れなかった。
剣が、微かに震えている。手に取らなくてもわかる。壁に立てかけた『安物』が、かすかに共鳴しているのだ。
「……牙」
彼は、起き上がった。窓の外を見ると、月が雲に隠れている。森の方角は、真っ暗だった。
(今から行っても、もう間に合わないかもしれない)
(でも──)
彼が決断するより早く、ドアが開いた。
カナだ。寝間着姿で、腕を組んで立っている。
「……行く気なの」
「カナ」
「バレバレなのよ。さっきからずっと、そわそわして」
カナは、大きなため息をついた。それから、コウタの隣に座る。
「……わかった。行くなら、せめてアタシも一緒に行く」
「え?」
「一人で行かせる方が心配なのよ。でも、今はダメ。朝まで待ちなさい。ガルドたちが戻ってくるかもしれないし」
彼女は、コウタの手を握った。珍しく、素直な声で言った。
「……お願い。無茶しないで」
コウタは、カナの手を握り返した。
「……わかった。朝まで待つ」
カナは、それだけ聞くと、部屋を出ていった。
コウタは、再びベッドに横たわる。手を握られた温もりが、まだ残っていた。
でも、胸のざわつきは消えない。太鼓のように、心臓が早鐘を打っている。
(頼む──無事でいてくれ、牙)
窓の外では、風が泣いていた。
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その夜。
森の奥の谷に、五つの松明が近づいていた。
ガルドたちは、既に牙の縄張りのすぐ近くまで来ている。
「ここら辺か」
「ああ。洞窟があるはずだ」
「メスもいるらしいぜ。生け捕りにすりゃ、おとりになるかもな」
「面倒だ。さっさと殺して帰ろうぜ」
五人は、それぞれの武器を手に、洞窟へと足を踏み入れた。
洞窟の中では。
暗闇に、赤い光がふたつ、浮かび上がった。
牙が、目を覚ましたのだ。
(──来たか)
彼は、静かに立ち上がった。背中のメスゴブリンを、洞窟の奥に押しやる。隠れていろ。そう伝えるように。
メスゴブリンは震えながら、それでも牙の手をぎゅっと握ってから、奥へと消えた。
牙は、洞窟の入り口に向かって歩き出した。
まだ戦う気はなかった。ただ、追い払えればそれでいい。ここにいるのは、自分と、守るべき者だけだ。戦いを求めているわけじゃない。
彼は、洞窟の入り口に立った。松明の光が、彼の顔を照らし出す。
右耳の千切れた痕。全身に刻まれた無数の傷跡。そして──燃えるような赤い瞳。
「いたぞ!」
ガルドが叫んだ。
「なるほど、こいつか。『血塗れの牙』ってのは」
牙は、じっと五人を見つめた。
(──去れ)
言葉にならない唸り声が、洞窟に響く。
だが、人間たちは笑った。
「ビビってやがる」
「さあ、やっちまおうぜ」
その時だった。
洞窟の奥から、物音がした。
メスゴブリンが、牙のことが心配で、少しだけ顔を出したのだ。
「メスだ!」
弓使いの女が、笑った。
「まずはメスからやれ。弱ってるところを見せてやる」
牙の目が、見開かれた。
(────やめろ)
矢が、放たれた。
牙は、飛び出した。自分の体を盾にして、矢の前に立ち塞がる。
だが──その矢は、牙の脇をすり抜けた。わざと外したのだ。
そして二本目が、既に弓に番えられていた。
「かかったな」
矢が、放たれた。牙の届かない場所に。洞窟の奥に向かって。
牙は、振り返った。
メスゴブリンが、胸に矢を突き立てられて、倒れるところだった。
「……ギ」
彼女の口から、小さな声が漏れた。手には、今朝摘んだ薬草が握られている。牙の背中に貼るはずだったものだ。
彼女は、牙に手を伸ばした。が、その手が届くことはなかった。
そのまま、動かなくなった。
「ギィ……」
メスゴブリンの目から、光が消える。
牙の世界が、止まった。
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「グギャハハ! 命中だ!」
「ざまあみろ」
「さあ、次はお前だぜ、『血塗れの牙』」
笑い声が、洞窟に響く。
牙は、ゆっくりと、メスゴブリンの方に歩み寄った。
抱き上げる。もう動かない。温もりが、少しずつ失われていく。
「……ギ」
牙の手が、震えた。
彼は、メスゴブリンを地面にそっと横たえる。手に握られた薬草を、静かに外した。
それから──人間たちの方を向いた。
その目には、もう何もなかった。
怒りも、悲しみも、憎しみもない。ただ、何もかも終わった者の目があった。
「……ギィ」
牙は、一歩、踏み出した。
次の瞬間──。
「うわああああっ!!」
最初の一人の喉が、引き裂かれていた。
「な、なんだこいつ──」
二人目の頭が、壁に叩きつけられて砕ける。弓使いの女が悲鳴を上げる間もなく、三人目の腹を爪が抉った。
「ひっ、ひぃっ!」
魔法使いが火球を放つ。牙の肩を焼く。牙は止まらない。そのまま魔法使いの胸を貫き、四人目を蹴り殺す。
残ったのは、ガルドだけだった。
「ば、バケモノが……!」
ガルドは剣を振り回した。牙はそれを片手で掴み、へし折る。
ガルドは、その場にへたり込んだ。恐怖で腰を抜かしたのだ。
「た、たのむ……命だけは……」
牙の手が、ガルドの顔を掴んだ。
(──なぜ、殺した)
言葉にならない絶叫が、洞窟を揺らした。
(──なぜ、俺のメスを)
牙は、ガルドの頭を壁に叩きつけた。何度も、何度も、何度も。
気がついた時には、洞窟の中には五つの死体が転がっていた。
血の匂いが充満している。臓物が散らばり、肉片が壁にこびりついている。
牙は、その真ん中に膝をついた。
両手は血に濡れ、爪には肉片が絡まっている。
「……ギ……」
彼は、メスゴブリンの亡骸のそばに這っていった。
抱き上げる。冷たくなった体を、胸に抱く。
泣いた。
声にならない声で、泣いた。
朝が来るまで、ずっと、ずっと──。
---
八
夜明け前。
コウタは、跳ね起きた。
「……今の」
剣が、けたたましく震えている。聖剣が──泣いているのか。
「牙……まさか──」
彼は、剣を掴んで部屋を飛び出した。
階段を駆け下り、ギルドの入り口に向かう。
「コウタ!」
後ろから、カナの声がした。彼女も一睡もしていなかったようで、杖を掴んで追いかけてくる。
「待ちなさい! 一人で行くな!」
「カナ、でも──」
「アタシも行く!」
聖女も起き出してきた。彼女は杖を握りしめ、無表情のまま言った。
「……私も参ります。先ほどの魔力の波動、尋常ではありません」
三人は、夜明け前の森へと走り出した。
東の空が、白み始めている。
でも、それは新しい一日の始まりではなかった。
終わりの始まりだった。
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ギルド前に、一枚の依頼書が風に吹かれて揺れている。
対象:ゴブリン(赤い目の変異種)
報奨金:金貨五十枚
その紙は、やがて風に飛ばされて、誰もいない路地に消えた。
今日という日が、どんな一日になるのか──
まだ、誰も知らない。




