第10話 土竜
おやつタイムが終わり、スキル講座が再開する。
マリーの方は新しく水の精霊魔法を覚えたので、水精霊を召喚し連携の練習を行わせる。
「パル、パロ。お前達はどうだ? ちゃんと練習しているか?」
「うん、ボス。ちゃんと練習してるよ!」
「ボスはもちろんだけど、ミリア姉もすごいよね! 物知り!」
「だろう。俺の嫁だからな!」
「「さっすがー!」」
パルとパロも、新しく“トラップ”というスキルを新しい覚えていたので、使い方を教えたところだ。
どうやらこのスキルは、色々な所にHPとMPを混合したモノを設置しそれを起爆させるタイプと、設置したモノをスイッチにして違う場所にある罠を作動させる、二種類のタイプがあるらしい。
前者は、そのまま爆発させてダメージを与える。
後者は、予め罠を仕掛けておいて、スイッチに触れるとナイフを飛ばしたり、落とし穴をスイッチで擬態して触れると作動する等、その汎用性は高い。
但し、そのスイッチには有効範囲があるようで、混合したHPとMPに依存するようだ。
これはミリアも知らなかったことなので、やはりスキルは実際に使ってみない事には分からないものが多いな。
パルとパロは悪戯が好きなので、こいつらのためにあるような、お似合いのスキルだよな。
ルリアはアバンに剣の基本を教わっている。
小さい頃から剣聖に直接剣術を叩き込まれたのだから、必要ないだろうと思ったが、ルリア曰く、剣術にも色々と流派があるらしく、獣人の使う剣術は勉強になるらしい。俺にはさっぱり分からん。
「ルリア、お前のところの流派とアバンさんのところの流派って、どんな風に違うんだ?」
「そうですね……ボクの使う剣術は流れるような剣術だとすると、アバン殿達は、体術も取り入れた力を主体にした剣術です」
獣人は体力、人間は技ってことか?
スポーツでは、心、技、体なんて言うもんな。ということは……エルフは心なのか? 心の剣術、うん、意味が分からないな。
俺には剣術の才能なんて無いに等しいし、どうせ、ステータスやスキル依存になってしまうから、どうでもいいや。
「そうか。がんばれよ」
「はい!」
ルリアは満足しているみたいだし、結果的に良ければ全て良し。
それにしても、サラに元気がないな。
一人でとぼとぼ歩いているので、横に並んで話し掛けてみる。
「どうしたんだ、サラ? あまり元気が無いように見えるが」
「え、うーん、そう、ですか?」
「おう、何か悩みでもあるのか? 相談に乗るぞ?」
「もう……あなたが悩みの種なのですよ……?」
「俺、何かしたか? それだったら謝るが……」
大きな溜息を吐かれた。俺何かしたか? ……したな。色々。
「結局のところ、私ってタカシさんの何なのでしょうか」
「何だろうな? サラの事、好きではあるけれど、何と言われても答えられないな。嫁ではないし、恋人でもないし、でもやることはやっているしな。何だろう?」
「はぁ……都合の良い女なのですね。私」
「うーん、一般的に言えば、そうかもしれない、かな……俺には、嫁も性奴隷も居るわけだし。言葉にすると、ひどい奴だな」
「ふふ、やっと気が付いたのですか? 本当です、ひどい方です」
サラには立場があるから、今までそこには触れずにいたけれど、普通に考えたら保留にしているだけで酷い話だな。
サラの言う通り、ただ都合良く利用――使っているだけだな。
「ランの奴はともかく、サラは王になるわけだし、立場上、難しいところではあるな。サラはどう、ありたい?」
「どう、と言われましても……私も王である前に一人の女ですし、幸せにはなりたいですよ? まだ、王ではないですが」
「だよな。俺は、ハーレムを造るため、この世界――いや、この国、大陸に来たんだよ。その目的を変えるつもりはない。その過程でサラを幸せに出来るのであれば、何でもしよう。約束する」
「はぁ……正直すぎますよ。そんなストレートに言われたら、私の入る余地、いえ、私が入ることのできない目的ですし」
「そうか? 女王だろうが、別に良いじゃないか。俺は歓迎だ」
それこそ、俺の都合の良いように勧めているだけだが。
「私は独占欲が強いのです。あなたの特別になりたい……という、そのような希望は聞き入れていただけないのですね」
「お前の特別になっても良いが、俺は浮気性だからな。その希望は叶えられそうにないかもな」
「はぁ……本当、正直なのですね。私は、国とあなた、どちらかを選ぶことしかできない立場です。そこを少しは考慮してくださっても良いとは思うのですが?」
「俺は、ミリアに出会った時から、自分の欲望の為だけに行動すると決めているからな。俺を選ぶというのなら、俺が直接クドラングを地図上から消すぞ。それがお前の為になるならば、の話だが」
「もう……話を違う方にもっていかないでください」
苦労はするだろうが、別に冗談ではない。
そこまでしてでも、サラの事が欲しいと言ったつもりだったが、うまく伝わらなかったようだ。言い方が悪いし、仕方がないか。
「それで、お前はどうしたい? 俺にどうあって欲しい?」
「私は……欲を言えば、私だけのモノになってもらいたい。でも、それは無理でしょうから、恋人にでも……」
「分かった。じゃあ今から、俺達は恋人な。あ、いや、俺には嫁が居るから愛人か。それでも、良いか?」
「はぁ……結局何も解決していないですが、もうそれで良いです。諦めます」
「また悩んだり、俺との関係が嫌になったら、俺に直接言えよ? その時はクドラングを滅ぼしてやるからな!」
「何も解決していないどころか、悩みを、単に悪化させただけではないですか……はぁ……この人は……」
サラが先程よりも落ち込んでしまったが、俺なりの解決策は提示したつもりだ……最悪なパターンだろうが。
ブツブツ俺の文句を言っているが、聞いていないことにしよう。
サラは不満があれば、性格的にもしっかり言ってくれるだろう。とりあえずは、このままの関係を維持だ。
また何か相談されたら、全力で手を貸せば良いし、今は、そっとしておこう。
それはそうと、サラとの会話を聞いていたのか、サラと恋人等の話をしている時から、ファラの召喚獣がうるさい。
うるさいというより、ぺしぺし叩かれているだけなのだが。
ファラのヤキモチも大体分かってきたので、宥めるために本人のところに向かう。
「ファラ、どうしたんだ?」
「別に、何もない」
「そうか? その割には、召喚獣が暴れていたが?」
「……タカシは、ファラのだから」
「そうだな。俺はお前のモノだ。お前も俺のモノだ」
「ならいい」
聞き訳が良くて助かる。
頭を撫でて、そろそろ定番化してきた肩車をしてあげる。
「タカシは浮気性?」
「おう、でも結局ファラのところに戻ってくるけどな!」
「うわきってなに?」
そこかよ。
どう説明したもんかな。あまり詳しく言うと、俺の毛根ごと毛を引き抜かれそうだ。肩車は選択を誤ったかもしれない。
「うーん、女の人が好きなことかな」
「うん、タカシは女の子好き」
「そうだろう? だから、浮気性なんだよ」
「ん、わかった」
分かってくれて良かった……ミリアには正確な情報を、ファラに伝えないよう釘を刺しておかないとな。
「タカシ、空間魔術、飽きた」
「そっか。じゃあ、ミリアを生成する練習してくれ」
「わかった」
ファラを肩車しながら歩いていると、ファラが前に両手を出し、何か集中しているなと思ったら、前方の方に魔法陣が現れて、その中からミリアモドキが出現した。
遠隔で召喚も出来るようになったのか……遠方に魔法陣を出せるようになったのは、空間魔術を練習した影響かな?
それにしても成長したな。偉いぞ。
「やっぱりむずかしい」
「ミリアを良く見ろ。ほら、今出した子は消して、再度召喚だ!」
「ん、やってみる」
――シュウウ
現れたミリアモドキは、さっきよりはマシになったが、まだ……こう、何というか、生身の体には劣るな。
肌が堅そうだ。髪も粘土みたいだし、もう少し練習が必要だな。まだまだ、俺のアンテナを反応させるには遠いようだ。
――シュウウウ
ファラが、また再召喚をする。
今度は更に良くなったが、粘土感は否めないな。
「ファラ。自分の腕や足を触って、肌のイメージをしてごらん?」
「ん」
ファラは言われた通り、自分の腕を触り、足を触り、腹を触り、服の中を覗き、スカートを捲り、パンツの中を見る。
いや、パンツの中は関係ない……いや、あるか。
「色々なところを触って感触や色をイメージして、何度か練習だ。ただ、服は着せてあげような? 俺がミリアから怒られるから」
「うん、わかった。やってみる」
――シュウウウウ
それからマナポーションを飲ませつつ、何度も練習をさせる。
ファラも魔力の込め方などのコツを掴んだようで、召喚する度にミリアモドキの完成度が高くなっていくのが分かる。
「ファラ、今同時に何人くらいミリアを造れる?」
「三人」
「独立召喚したら、何人だ?」
「十人くらい。でもうまく造れない」
「とりあえず、ミリアを十人くらい召喚してみてくれ」
「わかった」
――シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ
小さな魔法陣が十個ほど地面に完成し、そこからミリアが次々に出てくる。
一体の全長は30、40センチメートルほどだろうか、小さいな……でも、この愛らしい物体、良いな!
ディテールが簡略化されているので、SDミリアとでも呼ぼう。
可愛いSDミリアがワラワラと足元に群がってくる。
その中には、俺の足を掴んで登って来ようとしている奴も居る。独立召喚しているので、各々の思うままに動いているのだろう。
「なぁ、ファラ。この子達を喋らせること……できないか?」
「むずかしい。でも、やってみる」
ファラがまた意識を集中して、SDミリア達が一瞬光った。
「タカシー!」
「「タカシタカシ!」」
「「タカシッ!」」
「タカシスキ、タカシスキ!」
「「ターカーシー!」」
「「ワーイタカシー!」」
SDミリアが俺の名前を連呼しながら、足に抱き付いている。
ファラの性格が反映されているのだろうか、SDミリアなのに、声も口調も違うので全然ミリアに見えなくなってきた。
「これもまだ改良の余地があるな」
「ん、がんばる」
「「「ガンバルー!」」」
「とりあえずは、大きなミリアの作成を、しっかり練習してくれ。その後は、感覚共有だ」
「わかった」
野望の為だ。頑張ってもらおう。
「ちょっと、タカシさん! 何ですかこれは!」
「SDミリアだ。可愛いだろう。本物には劣るが」
俺の足に抱き付いているSDミリア達に気が付いたのか、本物がやってきた。
「もう! また何か悪い事を考えてるんですか!?」
「人聞きが悪いことを言うなよ。ただ俺はミリアが居なくて寂しい時に、こいつらでミリア成分を補給しようとしているだけだ」
「ミリア成分て……な、何ですかそれ! 別に、私じゃなくても、ファラで良いじゃないですか!」
「ファラはいつも俺の傍に居るからこうやって触れているけれど、ミリアは触らせてくれないじゃないか」
「今は、戦闘中ですし、まだそんな時間じゃないです!」
「そうか、時間になれば良いんだな。分かった。じゃあ、夜な! あぁ、夜が楽しみだなぁ。何しようかなー」
「な、ななっ!? ちがっ、そ、そういう意味じゃ!?」
ミリアに否定される前に、ミリアを残し、召喚の練習をしているファラと先に進む。
「ちょっと! タカシさん!?」
「ファラ、あの怒っているミリアの仕草や言動、顔を覚えておけ。それをイメージして召喚の練習だ」
「わかった」
良いサンプルが取れた。あとはファラには頑張ってもらおう。
「マルカ、ミュウ、どうだ? ちゃんと練習しているか?」
「ちゃ、タカシしゃま!? えっと、その……」
「な、何しに来たです!?」
そうだった、調合のスキルは素材がないとできないらしいから、マルカは誰かが傷を負わないと練習にならないか。
ミュウはランに数で負けたのが悔しいのか、相変わらずデュアルの練習をしているし、見られたくないのだろう。
二人はそっとしておくか。
「いや、無理しないようになー」
「分かってるですっ!」
「ひゃい!」
ランはしっかりクアッドを使ってマリーと一緒に戦っているし、問題は無さそうだな。
それぞれのスキル練習も進み、倒したモンスターの回収も出来ているし、順調だ。
そう思い、サラの居る所まで下がりながら、あとは皆に任せて、ボスの位置を推測するためマップを確認する。
人数が増えたという事もあり、順調に北へ向かっている。後は、前方に見える山を越すだけだな。
恐らく、ミリア達が見掛けた一本の大きな木が目印だろう。
「きゃあああっ!」
「「「「うわあああっ」」」」
マップを見ていると、前方の方で戦っているマリーとランの悲鳴が聞こえた。
「何だ!? 何があった?」
「分からない。あの大きいの?」
頭の上でファラが指を指しているので、その方角を見てみる。
「な、何だあいつ。でけぇ」
「どらごん?」
「た、タカシさん! 土竜! アースドラゴンです!」
「ファラ、降りろ。ミリア、あいつ強いのか?」
「はい! あれは小さいみたいですけど、ドラゴンは強いです!」
ファラを肩から下ろしつつ、ミリアに確認する。
やっぱりどの世界でもドラゴンは強いのか。
――シュンッ!
ファラを下ろした後、アースドラゴンに吹き飛ばされてしまったマリーとランの元に転移する。
近くに大きな穴が開いている。そこから現れたのか……。
それにしても、こいつ気持ち悪いな。まず、目がない。ドラゴンなのに翼もないし、本当に強いのだろうか。デカいだけじゃ……?
でも、鋭い牙と爪は強そうに見えないこともないな。
「いたたた。びっくりしたー」
「タカシ様! 突然地面から! ドラゴンが!」
「良かった大丈夫そうだな。とりあえず下がるぞ。バインド!」
――ズゥゥゥン!
アースドラゴンにバインドを唱え、地面に張り付いている間に、二人を回収して移動する。
「何あれ、何あれ!?」
「ボス、あれやばいの!? やばいよね、やべぇよ!」
「はわわ……あうあうあう」
「な、なな、何が出やがったです!?」
次いで、パルとパロを。更にマルカとミュウを回収し、そのままミリア達の元に戻る。
――シュンッ!
「タカシさん! どうしますか!?」
「どうって、やるしかないだろう?」
「でも、ドラゴン系は皮膚が固くて魔法があまり効かないですし、大きいのに素早くて、近接戦闘も危険です!」
離れてから改めて見てみると分かった。あれはモグラだ。体毛ではなく、鱗タイプのモグラだ。
あぁ、そういえばミリアが“どりゅうです”って言っていたな。
土竜。確かにモグラだ。でも、それは日本語だけれども、まぁ、良いか……。
それにしても、魔法が効き難い相手か。面倒だな。
「でも、相手はやる気だぞ。見てみろ」
「はうっ!?」
ミリアも土竜を見たのだろう。俺がバインドをしたからなのか、すごい興奮しているようで、今にも突進してきそうだ。
「よし! 俺が抑える。その間に、ラン、ルリア、マルカ、ミュウ、パル、パロ、お前達が何とかしろ」
「何とかって何よ!?」
「タカシ殿、分かりました!」
「ふん、こ、ここ、ここわくないです」
「「よーし! やるよー!」」
指名した五人を集める。
「ラン、パル、パロは右、ルリアとミュウは左な。マルカは俺の横。サラは右二人をサポート、ミリアは左を頼む。ファラとマリー、アバンさんは、他のモンスターが来ないか警戒。いくぞ!」
それぞれに指示を出した後、元気の良い返事を貰ったので五人を連れて、モグラ野郎の正面に移動する。
「スリープ!」
モグラを指定して眠らせ、所定の位置に皆を移動させる。
皆が移動している間に、先日開発した、七色に光る炎の魔法――セブンスバレットを用意しておく。
皆が移動した後、現状出せる最高速度でバレットを叩き込む。
それが合図となって、モグラが目を覚ましたと同時に皆で攻撃を開始する。予想よりも鱗が固いらしく、バレットが効かない。
それでも、先端の尖った石を生成し、モグラに射出する。
――ブシュッ!
よし、これなら刺さるな。
「ミリア、サラ、皆が傷を付けたところに攻撃しろ!」
「「はい!」」
「ギャアアアアオオオオッ!」
ランとルリアが最前線でモグラの攻撃を食らいながら、しっかり鱗を削り取っている。これならいけそうだな。
「マルカ! ランとルリアを回復だ!」
「ひゃあい!」
マルカに付与を掛け、護衛しつつひとまずランの下に行かせる。
やはり、近接職が居ると、回復職が必要だな。今後の課題だ。
「ガアアアアア!」
近付いてきているマルカを目掛け、土竜が爪を振り下ろしてきたので、咄嗟に盾で防御する。
――ギャガガガ!
お、重い……。
何とか吹き飛ばされずに済んだが、これをまともに喰らったら、マルカやミュウはマズイかもしれないな。
集団戦についても考えないといけないな。これも今後の課題だ。
「ギャアアオオ!」
土竜が両腕を広げて、その場で何度か回ってまとわりついているラン達を振り払い、穴の中に逃げて行った。
「あぶなっ!」
「ふぅ、何とか終わりましたね」
「「ちょ、逃げるの!? 待てー!」」
「どりゅーめ、みゅに恐れをなしたですね」
前衛共はパル、パロ以外、追い掛けず、もう既に戦闘を終了した気になっている。
「おい、お前達何逃がしてんだよ!」
「え、だって穴の中まで追えないもんー」
「そうですよ、タカシ殿。背を斬るなどできませんし」
「はぁ……お前達はバカだから仕方ないか」
「ひどいっ!?」
「バカとは何ですか、バカとは!?」
折角の強敵という獲物を逃がしやがって。
あのままやっていたら大した損害も出ずに倒せていたのに。
「ボス、ごめんー。逃げられちゃった」
「アタシの足じゃ追い付けなかったよ……」
「おう、よく追ったなお前達。偉いぞ、よしよし」
「ちょっとタカシくん!? ラン達と扱いが違うんだけど!?」
「そうですよ、タカシ殿!」
「ふ、ふん、みゅは大人ですから、褒められなくても良いです」
パルとパロを撫でて褒めていると、ランとルリアが絡んできた。ミュウもチラチラとパルやパロを見ている。羨ましいのだろう。
「お前達なぁ……あいつを今倒しておかないと、また襲われるかもしれないんだぞ? 十分戦える相手なのだから、今倒しておくべきだっただろう? それなのに放置しやがって。追い掛けて行った、パルとパロを少しは見習え」
「「えへへー褒められちった」」
「うぅっ……」
「ぐぅっ……」
「まぁ、逃げられたのは仕方ない。次は仕留めるぞ。今日はもう、このくらいにしておこう」
もう日も落ちてきているし、そろそろ休憩にしよう。
「おい、パル、パロ。あの穴に罠を張っておけ。俺等が寝ている間にあいつが来たら危険だからな」
「「はーい!」」
「ミリア、マリー、サラ。お前達は周りの木を刈って、壁を作っておいてくれ」
「「「はい」」」
「マルカとミュウは飯の用意、ファラはデザートな」
「ひゃい!」
「……わかったです……」
「ん」
ミュウは叱られたので落ち込んでいる。たまには良いか。
それにしても、何かアバンが空気になっているな……今の夜は、ダンジョンに入る前に用意していた酒でも振舞うか。
とりあえず、土竜は今度にして、今は家を造ろう。




