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〜第十一話 vs神殿軍〜

俺は今神殿に潜伏中だ。なぜ潜伏してるのかというと

見習いちゃんのためにわざわざ神具を探してんのにここまで死にかけになる必要はないと思う。

見習いちゃんがズミ湖鎮圧作戦でマナを使いすぎて死にかけてるから魔力を補充して

体の負担を減らすために魔術具が必要だったのだ。

ただもちろんこんなところに売ってはない。すると思いつくのは神殿にある神具や聖杯だ。

これらを奪って逃げるだけのはずなのに神官見習いに見つかっちまった。

中級神官が見回りを厳重にしたせいでほぼ動いたら即見つかる状態だ。

このままだと普通に死んじまう。とはいっても俺はあの盗賊やガルバスと戦った実戦経験はある。

武装していない下級神官を倒すのに時間はかからなさそうだ。

とりあえず神具を持てるだけ盗んだがこれだと捕まったとき極刑にされちまう。

神殿長にだけ見つからないように神殿を出る。

しかしその時大量の下級神官が待ち構えていた。通称神殿軍と呼ばれる警備軍だ。

こんな事態に出撃するとかどうかしている。まぁ神具がそれだけ大事なものってことだ。

すると俺は腰からナイフを取り出し神殿軍に戦闘態勢を取る。

「ここからが俺の本当の始まりだ。」

廊下にズラリと立ち塞がる下級神官たち。

「神具を戻せ!」「不審者をとらえるんだ!」と威勢のいい声を上げているが……その手に握られているのは細い儀礼用の杖か、あるいは素手。鎧どころか盾すら装備していない。

アルトは冷めた目でその一団を見据え、ナイフの柄を握り直した。

(脅かすだけの威嚇……実戦の『じ』の字も知らねえ素人どもが!)

ダッ! と踏み込んだ瞬間、アルトの体が影のように加速する。

「ひっ……!?」

先頭にいた神官が、アルトの放つ本物の殺気に気おされて顔を引きつらせる。

アルトは刃の背(峰)を使い、間合いを詰めるなり先頭の神官の顎を最短軌道で打つ!

「ぐはっ!」と崩れ落ちる神官を盾にしつつ、間髪入れずに二人目の腕を掴んで捻り上げ、そのまま三人目へ向かって投げ飛ばした。

ドカァン!と重なり合って倒れる神官たち。

「な、なんだこいつ! つ、強すぎる……!」

「ひるむな! 取り囲め!」

パニックを起こしかけた神官たちが、数に任せて一斉に押し寄せてくる。

だが、狭い廊下で無策に群がるのは格好の標的だ。

アルトは低く屈み込み、足払いで一気の足をすくうと、懐に飛び込んで掌打や柄頭つかがしらでの痛烈な一撃を叩き込んでいく。

クロスボウの雨を泥まみれでかいくぐり、死線を彷徨った経験に比べれば、彼らの動きは止まって見えるほど緩慢だった。

拳を振り下ろすたびに、足元に沈んでいく下級神官たち。

刃で切り割く必要すらない。圧倒的な「実戦の泥臭さ」と「覚悟」の違いが、人数差を完全に無効化していた。ほんの数十秒。

廊下に立っているのは、肩で息をしつつ背中の神具を抱え直すアルトただ一人。

転がる神官たちを見下ろし、アルトはナイフを腰に納めた。

「悪く思うなよ。こっちも連れの命がかかってんだ」

奥の部屋から「何ごとだ!?」と響き渡る神殿長たちの怒号を背に、アルトは勢いよく大理石の窓枠に足をかけ、夜の街へと飛び出した――!

「これを見習いちゃんに届けてなんとかするぞ!」

そういい洞窟に向かった。

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