〜第十二話 さらば、見習いちゃん〜
神殿軍を倒し見習いちゃんと神官が待つ洞窟へと走った。
おそらくだが神具を使えば見習いちゃんの魔力枯渇もどうにかなるだろう。
そんな矢先、アクシスの中で武力では右へ出るものはいないというバザルトが出てきた。
族とは思えないほどの薙刀を構え、立ちはだかる。
こいつを倒さないと洞窟へは入れないが倒せる相手ではなさそうだ。
ささっと救出して逃げるのが最善策だがそうはいかない。見習いちゃんがダウンしてしまった以上。
もう逃げることは許されない。俺は覚悟を決め、バザルトに短剣を突きつけ
瞬く間に突っ込む。それをバザルトは見逃さなかった。
『不動の威圧:インムーバブル』
「死ねっ!」
アルトが打ち込んだ渾身の一撃は軽くバザルトの薙刀でいなされた。
その後連続斬りを行い、死角を作ろうとするもまとめて受け流される。
どんなに攻撃してもアルトの攻撃はすべて受け流され、体力だけが削られていく、、、、、
「こんなところで終わって、二人を残して、、、、死ねるわけがねぇだろ!」
死ぬ気でバザルトに何度も襲いかかるが当然のようにすべて何事もなかったかのようにいなされ
ダメージを与えられない。このままでは勝機は当然だがない。
『断絶の虚無の間』
「うおっ!?」
アルトが近寄った時点で異次元な速度で薙刀が振り回される。
インムーバブルで1ダメージすら与えられないのにこれとなればほぼ接近戦は無理だ。
近づいただけでなにもできないまま真っ二つに両断される。
「ちっこんなにのろいくせに俺が近づけないだと・・・・」
明らかな負けが目に見えていながらアルトは諦めなかった。
俺の帰りを待つ神官、それに見習いちゃんが、、、、なのにここで死んでこの作戦のすべてを台無しにするわけには行かない。
そう思ったとき後ろから悲鳴が聞こえた。
後ろを見ると恐ろしい勢いで俺の方へ知らぬ盗賊が向かってきた。あの時、帝国兵と勝負した。
あの盗賊だ。盗賊は神殿軍を瞬殺すると俺の方へ突っ込んできた。
しかし前にはバザルトがいる。この変な速すぎる盗賊に気を取られている場合ではない。
そんなとき何かが切れる音がした。そのときには俺の体は地面に倒れ込んでいた。
俺は負けたのだ。それも作戦で。
俺がなによりも得意としてきた作戦面で上をいかれたことが悔しかった。
きっとバザルトはおとりだったのだろう、ただ俺の気を引くだけの。
武神と聞いていたがここまでとは思わなかった俺の油断が命取りになった。
ここで見習いちゃんや神官に会えぬまま死んでしまったのは愚の骨頂だ。
でも死んだ俺には何もできない。眼の前に映るバザルトと知らぬ盗賊を見上げる(ようにしたが見上げられなかった)。そのまま意識が落ちてゆく、、、、俺の人生はここまでなのか。
冒険家として、作戦に失敗し、真っ先に戦闘しか考えられなかった自分が悔しい。
「そんな、自分だけでなく他の人まで巻き込んで、、、、




