第四十六話 再び第三へ
三日後。
朝八時前。
東京第三ダンジョン管理棟。
以前来た時より人が多い。
正式にDランク認定された影響だろう。
受付前にはDランク認識票を付けた探索者の姿が目立つ。
「おはようございます。」
高瀬が資料を抱えて近付いてきた。
「おはよう、二人は?」
「もう来てますよ。」
高瀬が管理棟の隅を指差す。
修司と彩花がコーヒーを片手に座っていた。
「おう。」
「久しぶりの第三だな、思ったより人が多い。」
修司が周囲を見回す。
「Dランク認定の影響ですね。」
彩花が続ける。
「新しいダンジョンってだけで探索者は集まりますから。」
「稼げるって噂もあるしな。」
修司が苦笑する。
実際、ゴブリンの魔石は一つ一万五千円。
数を狩れれば悪くない収入になる。
高瀬が資料を開く。
「現在、十一階層以降はDランク以上のみ立ち入り可能です。」
「十八階層までは通常開放。
十九階層以降は探索者庁の許可制になっています。」
「まだ調査中だからか。」
「はい。」
「今回は十九階層以降の調査が目的になります。」
修司が口笛を吹く。
「いよいよ未知領域か。」
「未知ってほどでもないだろ、十八階層の延長だ。」
「そう思って油断する奴が死ぬんだよ。」
「それもそうか。」
高瀬は苦笑しながら資料を閉じる。
「魔素濃度は前回より少し高めです、異常値ではありません。
ただ、十八階層でホブゴブリンの確認報告があります。」
「数は?」
「現在は一体のみです。」
「増えてなければいいんだがな。」
修司が肩を回す。
「まあ、行けば分かるか。」
「いつも通りだな。」
「いつも通りですね。」
彩花が笑う。
認識票を受け取る。
装備を確認。
ロングソード。
ダガー。
初級ポーション二本。
中級ポーション一本。
解毒剤。
問題ない。
「それではお願いします。」
高瀬に見送られ、転移陣へ向かう。
光に包まれる。
次の瞬間。
見慣れた石造りの通路が視界へ広がった。
東京第三ダンジョン。
久しぶりの空気だった。
「さて。」
修司が剣を抜く。
「仕事を始めるか。」
「ああ。」
第三ダンジョン調査第二回目の始まりだった。




