第四十五話 第三ダンジョン再び
翌日の昼過ぎ。
俺は探索者庁の会議室にいた。
向かいには高瀬。
その横には見覚えのある顔が二つ並んでいる。
「久しぶりだな。」
藤堂修司が笑う。
「また一緒らしい。」
「そのようですね。」
彩花も軽く頭を下げる。
高瀬が資料を配る。
「今回お願いしたいのは東京第三ダンジョンの追加調査です。」
資料へ目を落とす。
十八階層以降。
魔素濃度上昇。
ダンジョンランク再評価。
内容はそんなところだった。
「第三はDランク認定じゃなかったのか?」
「認定はそのままです。」
高瀬が頷く。
「ただ、最近の調査で十八階層以降の魔素濃度上昇が確認されています。」
「異常というほどではありません。
ですが、無視できる数値でもないんです。」
「また濃くなったのか。」
「はい。」
資料のグラフを見る。
数値は少しずつ上がっている。
急激ではない。
ただ、確実に増えていた。
「他も同じか?」
「第五、第六も少しずつ上昇傾向です。
ただ、第三が一番顕著ですね。」
修司が腕を組む。
「魔物は?」
「現在確認されているのはゴブリン主体です。
前回確認されたホブゴブリンも一体、新種や上位種は確認されていません。」
「なら仕事は単純だな。」
「ええ。」
高瀬は頷く。
「十八階層以降を調査し、現在の危険度を評価していただきます、探索者庁からの報酬は一パーティ十五万円。」
「異常を確認した場合は別途追加報酬があります。」
「いつものやつか。」
「いつものやつです。」
修司が笑う。
「また調査屋だな俺達。」
「探索者庁のお気に入りなんじゃないですか?」
彩花が苦笑する。
「断る理由も無いな。」
「俺もそう思う。」
第三ダンジョンは勝手が分かっている。
修司達とも一度組んでいる。
仕事としてはかなり楽な部類だ。
「日程は三日後です、集合は午前八時、場所は第三管理棟。」
「了解。」
資料を閉じる。
話は終わったらしい。
高瀬が小さく頭を下げる。
「よろしくお願いします。」
「まあ、いつも通りだ。」
探索者庁を出る。
外はまだ明るい。
修司が隣へ並ぶ。
「どう思う?」
「何がだ?」
「第三、また濃くなってるって話。」
少し考える。
「分からん。
ただ、一つだけ確かなことはある。」
「何だ?」
「濃くなろうが薄くなろうが、俺達の仕事は変わらない。」
修司が笑う。
「違いない。」
潜る。
調べる。
帰る。
探索者の仕事は、それだけだ。
三日後。
久しぶりの第三ダンジョンが待っていた。




