第二十五話 東京第三ダンジョン 5
十八階層での確認を終えた俺達は、そのまま地上へ戻った。
管理棟へ入る。
受付の奥では職員達が慌ただしく動いていた。
岩崎は測定装置を返却する。
「十八階層、魔素濃度十七・九、ホブゴブリン一体確認、魔石は通常品質、他に特記事項なし」
職員は端末へ入力する。
「これで調査は終わりか?」
宮本は椅子へ腰掛ける。
「終わりですね、少なくとも追加調査は不要でしょう」
「一匹だけだしな」
「そうですね」
岩崎は苦笑した。
「群れで出ていたら大問題でした」
「それならCランク認定だろう」
「ええ」
「今回は微妙なところです」
「十八階層限定、ホブゴブリン一体、十一階層から十七階層まではゴブリン主体」
「探索者庁が好きそうな案件だな」
「嫌味ですか?」
「褒めてる」
「嬉しくないですね」
宮本は笑う。
「結局どうなるんだ?」
「第三ダンジョンは暫定Dランク、十八階層は注意区域、十一階層以降はDランク以上限定、そんな感じになると思います」
「面倒だ」
「役所ですから」
見慣れた声だった。
振り向く。
高瀬が資料を抱えて立っていた。
「来てたのか」
「報告を聞きに来ました」
「どうでした?」
「ゴブリン、ゴブリン、ゴブリン、最後にホブゴブリン、そんな感じだ」
「分かりやすいですね」
「探索者向きの報告だろ」
「探索者庁向きではありません」
「知ってる」
高瀬は資料をめくる。
「これで第三ダンジョンの調査は終了です」
「佐伯さん、お疲れ様でした」
「ああ、だが、俺は確認しに行っただけだ」
「十分ですよ、ホブゴブリンを見つけたのは佐伯さんですから」
「運が良かっただけだ」
「探索者は運も実力ですよ」
「そういうことにしておく」
手続きを終え、今日の探索は終わった。
第三ダンジョンも落ち着いた。
第五は相変わらず平和。
第六は経過観察。
当面はいつもの日常へ戻れそうだ。
帰ったら明日の弁当を作ろう。




