第二十一話 東京第三ダンジョン 1
翌朝。
俺は探索者庁で手続きを済ませ、東京第三ダンジョンへ向かった。
管理棟の入口には張り紙が増えている。
十一階層以降は暫定Dランク。
許可を持つ探索者のみ立ち入り可能。
追加調査中。
内容はそんなところだ。
受付には見覚えのある女性が座っていた。
「佐伯さん」
「高瀬から聞いてます」
「早速来たんですね」
「許可が出るなら潜る」
「探索者はそういう人ばかりですよ」
受付嬢は苦笑しながら端末を操作した。
「入域許可確認しました」
「現在、十六階層から十八階層で調査班が活動しています」
「邪魔しなければ問題ありません」
「了解」
転移陣を抜ける。
十階層までは以前と変わらない。
スライム、コボルト。
初心者講習で使われる魔物ばかりだ。
十一階層へ降りる。
空気が少し変わる、魔素が濃い。
ただ、第六ほどではない。
簡易の魔素測定装置を確認する。
十六・一。
確かに上がっている。
気配察知。
三体。
距離は二十メートル。
ゴブリンだ。
剣を持った個体が二匹。
棍棒を持った個体が一匹。
「なるほど、確かにDランクだ」
ゴブリンが駆けてくる。
速さは普通、連携もない。
ただ、一体ずつの力はコボルトより上だ。
ロングソードを抜く。
一匹目が短剣で切りかかってくる。
剣を受け流す。
体勢が崩れたところへ踏み込み、袈裟斬りにする。
ゴブリンは抵抗する間もなく魔素へ還った。
二匹目、棍棒を振り上げる。
踏み込み、無防備な腹を横薙ぎする。
刃が腹を裂く。
ゴブリンは数歩よろめき、そのまま魔素へ還った。
三匹目は逃げようとした。
ダガーを投げる。
背中に刺さり、転倒する。
倒れたところへ近づき、とどめを刺した。
魔石を拾う。
「三つで5万円くらいにはなりそうだな」
ポーチへ魔石を入れる。
まだ十一階層。
十八階層までは長い。
今日は久しぶりに第三を歩く。
焦る理由もない。
俺は剣を鞘へ戻し、通路の奥へ歩き出した。




