第十八話 臨時パーティ 7 エピローグ
管理棟へ戻った頃には、時刻は午後四時を過ぎていた。
受付の前には見覚えのある三人組がいる。
二十階層で共闘したパーティだった。
「おう」
前衛の男が手を挙げる。
「そっちも終わったか」
「終わった」
「怪我は大丈夫か?」
「彩花さんのおかげだ」
「借りは返す」
「気にしなくていいですよ」
彩花は笑いながら測定装置を返却する。
探索者庁の職員は端末を操作し、記録を確認していた。
「藤堂パーティですね」
「測定装置を回収します」
「結果はどうだった?」
修司が聞く。
職員は少し困ったような顔をした。
「まだ全部確認していませんが、他のパーティも似たような傾向ですね」
「魔素濃度が少し高め」
「魔物の数が少し多い」
「戦闘能力も少し上がっている気がする」
「そんな感じです」
「気がするばっかりだな」
「数字は出ています」
職員は端末を見せる。
「東京第六ダンジョンの通常値は十六前後です」
「今日は十八を超えた階層もありました」
「ただ、注意基準の十八・五には届いていません」
「異常とは言えないか」
「はい」
「正常とも言い切れません」
「役所泣かせですね」
彩花は苦笑する。
「役所は泣かないぞ」
「困るだけだ」
修司は笑う。
その時だった。
後ろから聞き慣れた声がした。
「困るのは事実です」
振り返る。
高瀬だった。
「来てたのか」
「報告を聞きに来ました」
「結果は?」
「少し強い、少し多い、少し魔素が濃い、ただし異常ではない、そんなところだ」
「分かりやすい報告ですね」
「報告書には書くなよ」
「書きません」
高瀬は端末を閉じた。
「当面は経過観察になります」
「測定は来月も行う予定です」
「また呼ぶのか?」
「どうでしょう」
「その時に暇ならお願いします」
「探索者に暇な日は無い」
「知ってます」
修司は大剣を担ぐ。
「よし」
「仕事も終わったし飯行くぞ」
「焼肉だ」
「割り勘なら行く」
「まだ言うのか」
「当然だ」
「探索者は現実的なんだよ」
「知ってます」
高瀬は呆れたように笑う。
三人で管理棟を出る。
今日の依頼は終わった。
十五万円の報酬、魔石の売却分、それなりに懐は温まった。
「まぁ。割り勘でもいいか…さぁ、久しぶりの焼肉パーティだ」




