表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31歳中堅探索者、今日も潜る  作者: 上畑 優平
PR
13/15

第十三話 臨時パーティ 2

 翌朝。

 午前七時五十分。

 東京第六ダンジョン管理棟前。

 俺が到着すると、既に二人の姿が見えた。

 修司は壁にもたれながら缶コーヒーを飲んでいる。

 隣には彩花。

 端末を操作しながら何か確認していた。

「おう!」

 修司は俺を見つけると手を振る。

「久しぶりだな」

「二年ぶりくらいか?」

「一年十か月です」

 彩花が即答した。

「細かいな」

「佐伯さんが覚えてないだけです」

「そうかもしれない」

 彩花は笑う。

 変わらない。

 落ち着いた雰囲気。

 修司が暴走すると止める役。

 夫婦というより保護者だ。

「それで?」

「測定装置ってどれだ?」

 彩花はリュックから銀色の箱を取り出した。

 弁当箱くらいの大きさ。

 画面とボタンが付いている。

「探索者庁製です」

「魔素濃度と魔物討伐数を入力すると、自動で記録してくれるそうですよ」

「便利だな」

「便利ですが重いです」

「二キロあります」

「それで俺か」

「そういうことです」

 修司は笑う。

「俺が持つと壊しそうだしな」

「壊すな」

「彩花は?」

「回復役に荷物持ちは無理です」

「納得」

 三人で管理棟へ入る。

 受付には探索者庁職員がいた。

「藤堂パーティですね」

「はい」

「本日はこちらを」

 紙を受け取る。

 内容は簡単だった。

 十五階層から二十階層。

 一階層ごとに測定。

 異常個体を確認した場合は記録。

 帰還後、装置を返却。

 それだけ。

「本当に探索のついでですね」

 彩花が言う。

「そうですね」

「探索者庁としても、現時点では異常とは判断していません」

「ただ」

「三組中二組が同じことを言うなら、一応確認しておこうという話です」

「役所だな」

「役所ですから」

 どこかで聞いた返事だった。

 転移陣を抜ける。

 第十五階層。

 湿った洞窟。

 苔の匂い。

 遠くから獣の鳴き声が聞こえる。

 修司は大剣を肩へ担ぐ。

「久しぶりだな」

「三人パーティ」

「四人だろ」

 俺は測定装置を持ち上げる。

「こいつも数に入れるならな」

 彩花は苦笑した。

「元々は四人でしたね」

「由香も元気にしてるみたいですよ」

「大阪第八でしたっけ?」

「ああ」

「この前子供が生まれたって連絡が来た」

「そうか」

「幸せそうで何よりだ」

 修司は笑う。

「お前もそろそろ結婚しろよ」

「無理だ」

「何でだよ」

「探索者は将来が不安だからな」

「その歳で言うことじゃねぇ」

「三十一だから言うんだ」

 その時だった。

 気配察知に反応。

 三体。

 距離は二十メートル。

「来るぞ、ホブゴブリン三匹」

 修司は笑う。

「よし」

「まずは肩慣らしだな」

 三人は武器を抜いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ