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「おまえ……、これを何処で手に入れてきたんだよ!?」


店主はアキラの持つ光輝く石を能面のような表情で凝視する。


「昔行った町で貰ったものがあったのを思い出したんだよ。


この石をこんな感じに加工できないかな?」


以前訪れたアクセサリー屋に採石場で手に入れた石を持ち込むと、


道端で拾った小さいコーン状の石を見せて加工できるかを確認する。


ジャケットへの取り付け等は最悪手持ちの接着剤で出来なくはないが


石の加工などはとてもじゃないができる気がしない。


店主はそばに置いてあったノミのような物を石にあてがうと、


槌で力を込めて押し込む。


するとキンッと甲高い音を立ててノミの先端が跳ね欠けた。


「あぁ!俺の工具がっ!」


一瞬手持ちの物が壊れたことに動揺したようだがすぐに落ち着きを取り戻し。


「あー…、うん、見たか?これで打ってみても傷一つ入っていない。


その辺の加工屋では加工なんて夢のまた夢だな」


あてがった部分を何度も確認するが小傷すら入っておらず輝きは鈍っていない。


「何処か出来そうな所にあては無いかな?折角な物なのでどうにかしたいんだけど」


もしかすると王都に行けば依然言っていたように求めているトゲトゲ()が見つかるかもしれない。


ただ、この石を見た後だと何とかしてこれを加工して作りたい。


どうせならありふれた物より唯一の物を持ちたいのだ。


「そうだなぁ…、この間も言ったけど王都にならなにか情報があるかもしれない。


こんな辺境の町より業者の行き交いも多いだろうし……」


人の多さによって物の流れも大きく変わる。


どちらにせよ人の多い所に行ったほうがこの先の情報も得やすいか……。


「それに俺は会ったことはないが王都にはドワーフもいるらしいからそいつらに話を聞けば何かわかるかもな」


「ドワーフ?」


「あぁ、俺たち人間に似た種族だが手先が器用なので製造を生業にしているものが多い。そいつらなら加工も出来るかもしれん」


見た目はまぁ…噂にしか聞いたことないが最初はびっくりするそうだがと付け加える。


前の世界で物語にいたような小柄で毛むくじゃらの見た目という事だろうか。


既にドラゴンを目撃した身としては今更ドワーフだろうがエルフだろうがが出てきても驚きはしないだろう。


「わかったありがとう、どちらにせよ王都には行ってみるつもりだったんだ。噂を確かめてみる事にするよ」


もし会えたらまたその話を聞かせてくれと店主に言われつつ店を後にするとリジー達の待つ家に戻った。




採石場での騒動のあと、体についた汚れを軽く払ってから帰路についた。


着いた際に真夜中だったので音を立てずに戻ったのだが部屋の前で偶然リジーと鉢合わせてしまい


なんと言い訳するか焦ったがラシェルと一緒なのを見ると顔を赤くして何処かへ行ってしまった。


変な勘違いをさせたかもしれないな……。


ただリジーもなんであの辺りに居たんだろう、部屋は下のはずなのにな。




「え、王都に向かわれるんですか!?」


朝食中に向かう事を話したアキラにリジーが驚きの声を上げる。


「あぁ、ちょっと色々調べたいことがあって。王都の方で詳しく調べる事が出来そうなんでな」


「そうなんですね……、アキラさんの記憶の事とかですか?」


そういえばリジーには記憶喪失だと最初に言われたんだったか。


「そうそう、それが戻れば自分がどうすれば良いかがわかるかと思って」


最終目的はこの楽器演奏に付与された魔法効果を無くし、音楽(メタル)を世界に広める事だ。


その為にもまずは見た目の改善を図りたい。


「でも採石場の魔物が王都への道まで降りてきて危険かも……」


「あー、なんかその魔物は王都から来た人たちが倒しちゃったらしいよー」


果物をほおばりながらラシェルが話に入ってくる。


「なもんで多分大丈夫じゃないかな、それにあたしも一緒に行くし」


「えぇー!ラシェル姉ちゃんも行くの!?なら俺も行く!!」


発言に驚いたエアがリジーの服を引っ張りながら駄々をこね始めた。


「ダメに決まってるでしょ、学校とかどうするのよ!」


「そうだぞエア、それに王都に行ってからこっちに戻ってくる保証も無いしな」


「えぇ……、そうなの……?」



体全身で駄々をこねていた勢いは減退し、しゅんとした顔でこちらを見てくる。


「まぁ…な、向こうで何か目的を見つけたらそちらに向かう事になるだろうし……」


アキラはエアのそばまで行くと、うつ向いてい動かない肩に手を当て


「そうはいっても一生会えないわけじゃない、どこかでまた会う事も出来るさ」


もしかすると向こうで得た情報を元にこちらに戻ってくることもあるかもしれないしな。


「もーかわいいなー少年はー!大人になるのを楽しみにしてるよー!!」


ラシェルはアキラが肩に置いた手を跳ね除けエアを引き寄せてもみくちゃにし始めた。


やめろよーと言いつつもエアの顔はにやけているから本人も嬉しいんだろう。


「…またこちらにお越しの際はぜひ声をかけてくださいね、盛大にお出迎えさて頂きますので!」


ちょっと涙目になっているリジーにもちろんと返事をすると今日の準備が出来次第出発すると告げた。

コロナでどうなるかわかりませんでしたが何とか終了させることが出来そうです。

また落ち着いたら下らない話でも書きたいです。

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