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「そんなのダメに決まってます!」


リジーは座っていた椅子から勢いよく立ち上がると二人に顔を近づけ声を上げた。

帰宅し夕食をご馳走になった後、アンディとの件と今後の予定を話し始めたのだがリジーの勢いに面食らってしまい言葉が途中で途切れてしまった。


「あんな所に再び向えだなんてアンディさんはなんて事を頼んだんですか、この町の事によそ様を巻き込むだなんて」


「どちらにせよ王都に向かう予定だったんだ、そのついでみたいなもんだよ。危なくなったら逃げるし」


勢いに圧倒されたものの、アキラの予想はおおよそ的中していた。

リジー自身もあれだけの目にあったのだ、普通に考えれば再びあそこに行きたいと思うはずがない。

アキラだって昨日夜なべして検証していなければこんな事は言わなかっただろう。


「本当に残念ですが王都へ向かう事には何も言いません、ただ危険な目に合う事だけは納得できません」


恩人である二人にそんな事はさせられませんよ!と鼻息荒く呟く。

食事をし終えた後、放心して会話を聞いていたエアはふと思い立ったような顔をし


「ラシェル姉ちゃん、俺もついていこうか?あんな奴ら俺の魔法でババっと」


「んー、エアは行っちゃいけないって言ってたからダメかな?リジーじゃないけど危ないと言えば危ないし」


憤りの矛先は不用意な発言をしたエアに向き、何を言ってるのと頭から言葉を受ける。

藪蛇(やぶへび)だったか、とても理解してもらえるような雰囲気には見えない


「と!に!か!く! 明日は私も途中までご一緒しますね! お二人を王都への道まで案内した後、アンディさんに会って話をしておきます!」


湯浴みの準備をすると足音を高く鳴らしながら部屋を出て行った、エアも手伝いなさいという言葉を残して。

アキラたちはごめんなとエアに話すと、いいよーと笑顔でリジーの後を追って姿を消した。


「まーこう言われると思ったよね」


「そうだなー、どうしたもんか……」


居候の立場としては家主の意向に反するのは可能であれば避けたい所だ。

ただ、そうなると今後の資金源と己の欲求を満足させる事が難しくなる。

まぁ行っても己の欲求、例のトゲトゲに出来る材料があるかは不明なのだが。


「リジーの事だ、下手したら王都手前まで付いてくるかもしれない」


「むしろ明日の朝から部屋の前で見張ってるかもねー」


アーロの罠を張ってはいるが確認しにいくとて1~2時間程度で済む話だろう。

その間にというには時間が足りない気もする。


「ねぇ、それなら夜寝静まった後に行くっていうのはどうかな?」


「こんな時間からか?流石にそれはやばいだろ……」


この世界は向こうと違って外灯なども無い、そんな中襲われたら一巻の終わりだ。


「じゃじゃーん!そんな事もあろうかとーーー」


ラシェルはポシェットの中から白い器のようなものを取り出した。


「ラ~イ~ト~付きヘ~ル~メ~ットォ~!」


何処かからパクったような物言いで高々と掲げる。

いや、えらい唐突だな。


「これがあれば夜間の作業も大丈夫、LEDライトでくっきりはっきりの筈!」


「筈って、どうしたんだよそれ」


「ホームセンターにあるだろなーっと思って念じたら出せたよ」


あったな、そんな能力。


「それにさ、あたし達がアイツらに襲われたのって昼間じゃん、意外と夜になると寝てるかも知れないよ?」


動物でも夜行性と昼行性がいるのは確かなのだがあいつらって昼行性だろうか、猿はたしか昼行性だったような気もするが……


「まぁ隠れてやるわけだからお金は貰えないだろうけど石位は探せるかもね?」


そういうとヘルメットを被りライトのチェックを始める。

まっとうに過ごしていては行く事も敵わないだろう、それならばチャレンジするのもありか。


「わかった、そしたら二人が寝静まったあとこっそり抜け出そう」


「そうこなくっちゃ!なんだかウキウキするよね夜間徘徊!」


目的をもって行くんだけどなと思いつつアキラもヘルメットのチェックを始めた。

チェックを終えた後、リジー達が準備出来ましたよと戻ってきたので順番に利用させてもらう事にした。




二人が部屋に入ったのを確認し暫く立った後、アキラたちは物音を出来るだけたてずに家を抜け出した。

重い扉が少し軋む音を上げたので焦ったが、あの位だったら何とかなるだろう。

広い庭をまるで忍者のようにかがんで走り、気配を殺す事に努めつつ城壁へと向かった。


城壁にたどり着くと門のには1人の兵隊がいた。

道中ここで誰かに呼び止められると出る事が出来ないのではと考えていたが、疲労の為かこっくりこっくりと船をこいでおり、二人は気が付かれないように脇をくぐる。

自分たちの運の良さに感謝しつつトンネルまでの道を進む。


「あっ、ちょっと待ってよ」


ちょうどトンネルまでの中間点辺りでラシェルが唐突に声を上げた。


「なんだよ、何か忘れものか?」


「ううん、今日行ってた事を今のうちに確認しとこうと思って」


人目があったり、人の家だとなんか出しづらくてさーというと、ラシェルはポシェットに手を入れると勢いよく大きな袋を取り出した。


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