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「ここがダー爺の家さ」


エアが乗り気でないのを全面に出した声で教えてくれる。

アンディ達の兵舎を離れたあと、アーロの罠を張りに行くリジーと別れラシェル・エアの3人で話していたダーリントン爺さんの家の前までたどり着いた。

また夜にでも家に戻ってくださいと行く間際にリジーが声をかけてくれた事により何とか今日の寝床も確保出来たがこの爺さんに会った後に色々と今後のために調べておく必要がある。


「重要なポイントを聞くだけだからそんなに時間を取られないようにするよ」


「いやーそれは無理だと思うけどなぁ」


経験者は語るだろうか、諦め顔でため息をつくエアをよそにドアを叩くと家主に向かい声を上げる


「すみませーん、ダーリントンさんはいらっしゃいますかー?」














暫く待ったが誰も現れなかった。


「これって留守ってやつじゃない?」


同じく声を上げてくれたラシェルが首をひねる。


「多分夢中になってる事があるんだよ、何かに集中すると話しても全然聞こえてないから」


良くある事だからと家主が出てくるのを待たず、エアは扉を開けると中に入っていく。

それに続いて二人も家の中へ入ると、おびただしい本と埃で敷き詰められた部屋が出迎えてくれた。


「入って早々こんな感じなら玄関で叫んでもそりゃ奥まで聞こえないっての」


1人分位が通れるように開けられた隙間をラシェルと身をよじりながら進む。

先に行ったエアが誰かに何かを言っているのが聞こえ、幸いにも留守ではなかった事がわかった。


「爺さんに聞きたいことがある人を連れてきたんだよ!」


狭い隙間を抜けると先ほどとは異なる広いスペースのある部屋に出た。

先ほどと同様本がかなり積まれてはいるものの、人が5~6人はゆうにくつろげるスペースとなっており中心には手狭なテーブルがぽつんと置いてあるだけだった。

そのテーブルの横に小柄な老人が椅子に腰かけており、エアと話している。


「エア、早速だが聞いてほしい。今回ついに魔法の特性に……」


「だーかーらー!今回は質問があってきたんだって!」


「事前に予測できる事態だったんじゃ」


「話を聞いてよ!もう、兄ちゃんたちちょっと早く来てよ!」


怒気を孕んだ声が強みを増す前に急いで近寄ると、初めましてと爺さんに声をかける。


「なんじゃ、お前たちは?ワシの話を聞きに来たのか、見ない格好じゃが中々見どころがあるのぅ。ワシの名はダーリントン・シェンカー、知の探究者をやっとる」


頭と髭の濃さが逆転している顔を上げると、手を上げて軽く挨拶をしてくれる。


「早速じゃが聞いてほしい、此度新たに魔法についての新たな情報が……」


「兄ちゃん、早く質問をしてあげて!このままだと爺さんの話で夜になっちゃうよ!」


結局怒気が増したエアに焦りつつも、ダーリントンの話に割って入る。


「そちらの話の最中にすみません、ちょうどその魔法について教えてほしいと思ってきたんです。俺はアキラと言う者で遠くの国から来たんですが自分たちの国では魔法というものが当たり前の場所ではなくてですね。馬鹿げた質問かもしれないのですがなぜ皆さんは魔法を使うことが出来るのかが知りたくて今回お伺いしたわけで」


「なに!?お前たちは魔法を知らないとな!? どこから来たんじゃ、詳しく教えてくれまいか?」


「えーっと、ご存じないとは思うのですが日本という所でして……」


「おぉぉ、まだワシの知らない国があるとは!? 世界は広いのぅ、してどうやってきたんじゃ?」


知への欲求か好奇心か、立派な髭を手でなでながらキラキラとした目でこちらに問いかけてくる。


「こっちが質問されてるじゃん」


ラシェルがやや退屈気味にぼやいたのを聞き、勢いに飲まれそうなのを持ち返す。


「その辺は自分たちもはっきりしないのでわかりましたらまたおいおい、所でさっきの質問なのですが」


「この国でも学校の歴史で最初に教える項目じゃ、エアも習ったろう?」


習ったのかと聞くと覚えてないとサラッと返す。


「なんじゃと!まぁこの分野はワシの得意とする所じゃから今回特別に授業をしてやろう」


椅子から立ち上がると隅の方に積まれていた本の山から1冊取り上げて机の上に広げる。

何故か日本語で書かれた目次を開き、全てのはじまりという項目に指をあてる。


「違う国から来たという事でもしかするとここに書いてある文字が読めないかもしれんが、ここに全てのはじまりが記されておる」


言葉は通じておるので口頭で説明していくぞい、と幼い生徒に向けるようにやさしく声をかけられるとアキラは「はぁ……」 と相槌を打ち続きを聞くことにした。


「文献によると世界は複数の魔神によって作られ、それぞれが己の領地として大地を作ったことから始まる」


「え?魔神がこの世界を作ったんですか?」


「良い質問じゃ。あくまで文献上はそうなっておる、何故なら魔神が誕生する前の資料が一切存在しないからじゃ」


ダーリントンの指が世界のはじまりの1節目、魔神の天地創造についての文章をなぞっていく。


「残念な事に全ての文献の始まりが魔神がこの世界を作ったとあるだけでそれ以前の、魔神はどこから来たのかについての記載はない。根拠の無い創作書物は存在するがあくまであれは考えられた話よ。魔神とて存在するのであれば誕生の瞬間というものがあるはずじゃ」


「文献など以外の方法でも調べたんでしょうか? 詳しくは無いのですが地層だとか化石だとか」


アキラは研究者ではないので詳しくはないが、よくテレビで紀元前何世紀前の化石だ地層だとアナウンサーが話している。

そもそも全ての書物が作られたものと言えないくも無い、この世界でもそうした研究を行えば、そこからわかるのではないだろうか。


「地層や化石から? なにか過去を調べる手段をお主は知っておるのか?」


素っ頓狂な事を言われたかの要にダーリントンは首を傾げる。

もしかすると技術的な問題か何かでこの世界では行われていないのかもしれない。

また質問攻めをされると厄介なので話を進めてもらえるように促す。


「その……、世界を魔神が作ったことと魔法がどう繋がっていくんでしょうか?」

次回より間隔が3~4日ペースとなります、申し訳ございません

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