表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
破壊神と妹勇者  作者: 朝寝東風
第一章
73/136

滅びの黒龍戦 中編

 滅びの黒龍が極太の闇のビームを俺に目掛けて放つ。


「今だ! ブレイバー・シールド!」


 光の鎧と同じ要領で光の盾を出す。盾と言うよりは分厚いコンクリートの壁に近い。


 闇のビームが光の壁にぶつかり、反射した。


 ビームは勢い良く天に向かって伸びる。


 闇の柱が世界中から見えたはずだ。


 俺は少しずつ後ろに押し返されながらも、反射角度を調整し続ける。


 少しでもずれたら一気に盾が削られ、俺の命は無くなる。


カン!


 どうやら足が精霊結界に当たったみたいだ。


 これ以上後ろに下がれないのは助かる。


 後は俺の魔力が持つかどうかだ!


 しばらくして相手の攻撃が止む。


 そして、黒龍の視界には無傷の俺が映る。


「どんなに強力でも、対策を取ればこんなものだ!」


 俺は誰にともなく叫ぶ。


「グォォォ!」


 言葉を理解出来るのか分からないが、黒龍は怒っているみたいだ。


「相手は飛んでいるんだよ、どうするの!?」


 ニコルの声が聞こえる。


「なら俺も飛ぶだけだ」


「人は空を飛べないよ!」


「ご主人様は飛べます。遠征最初の日も飛んでいました」


 ニコルの猛抗議にサリスが反論する。


「勇者ならば空の一つでも飛べないと、格好が付かないだろう?」


 そう言って俺は《空魔法》と《風魔法》の合わせ技で飛び上がる。


 びっくりする黒龍の隙を付いて、《光魔法》でコーティングしたアダマンタイトの剣を黒龍の首筋に叩き込む。


ジュワワ、パリン


「なにっ!」


 レッサードラゴンなら確実に首が落ちた一撃だ。だが、粉々に砕けたのは俺の剣の方だ。


 黒龍が俺に向き直り、俺を食おうとする。


 なんとか速度を上げて、回避する。


「サリス、ゲラルドと同じか?」


「そうです、ご主人様!」


 なるほど。周りの精霊を食って力にしているのか。精霊が無くなればガス欠に持って行ける。


 剣が砕けた理由にはならない。《光魔法》に耐えられなかっただけか? それだと最初の「ジュワワ」が説明出来ない。もうしばらく付き合うしか無いか。


 早速俺と黒龍がドッグファイトを開始する。


 逃げる俺。追う黒龍。


 北に向かう。


 何とか3人娘から引き剥がせた。クローディアも無事だろう。マイクも無事だが、最悪諦める。全てを守って格好良く勝てるほどこいつは弱くない。


「ライトボール!」


 数百個に及ぶ光の玉をとにかくぶつけてみる。


 ダメージはある。


 一瞬当たった場所が消滅し、瞬時に元通りになる。


 《魔力可視》で魔力の動きを見るに、精霊を食っているみたいだ。


 しかし蓄えが無いのか、俺の誘導に従って動く。


 超高速で飛び回る俺を体で捉えられないと考えた黒龍が胴体から細いビームを乱射する。射程は短く、威力も低い。


「ブレイバー・シールド!」


 光の盾3枚重ねで止められる。それでも2枚は貫通するので冷や汗ものだ。


 俺と黒龍はいつ終わるともしれない戦いを続ける。どちらも決定打を与えられない。俺の回復薬の在庫はまだあるが、この分だと最初に根をあげるのはこっちだ。


 それに黒龍がだんだんこっちの動きに対応して来た。


「読めたと思った時が一番危ないのさ!」


 俺は急降下した。下にはリザードマンがかつて住んでいた沼地がある。


 黒龍は愚かにも俺を追って来た。


 俺は《風魔法》を使い、全力で反転した。


 黒龍は反応出来ない。


「ライトボール!」


 全力で黒龍の顔の右半分に《光魔法》を撃ち込む。流石に至近距離は堪えたのか、そのまま大地に激突し、沼地に沈む。


「グギャァァァ!」


 初めて悲鳴らしい悲鳴を上げ、黒龍が沼から浮上する。


 必至に泥を振り落としている。


 予想以上に効果があったみたいだ。


「沼が!」


 ついつい声が出てしまった。


 綺麗だった沼地がまるで毒沼の様に様変わりしている。これではとても農地には転用出来ない。


 この光景どこかで見た事がある。


 そうだ!


 俺がレイラと始めて会った時と同じだ!


 俺の体から染み出たのは闇なのか?


 ディーンは《闇魔法》を使えるのか?


「おっと!」


 怒り任せに突っ込んで来る黒龍をかわす。


 他の事を考えるのは後回しだ!


 この敵を倒す事に集中する!


 俺はレッサードラゴンの山に向かう。


 案の定、黒龍は山に激突した。


 そして山そのものを粉々に砕いた。


 流石にその衝撃で黒龍の動きが一瞬止まる。


「好機だ!」


 空高く舞い上がった山の破片を次元収納して、それを黒龍目掛けて撃ち出す。当然《風魔法》で後押しした。弾丸の様な塊が黒龍を襲う。


 黒龍は丸まった。


ドクン!


 一瞬黒龍が膨れ上がった様な気がした。


「ブレイバー・シールド・マキシマム!」


 嫌な予感がする。


 俺は全力で前方にシールドを張った。


 俺の読みは当たった。


 細くて黒いビームが全方位に撃ち出された。


「全方位攻撃だと! 何処まで出鱈目なんだ!」


 岩も大地も木々も全て貫通した。


 俺の8枚重ねの光の盾も薄紙の様に貫通した。


 何とか頭と心臓だけは守るべく、そこの防御だけは厚くした。


 黒龍の攻撃が止まった。


 今だ丸まったままだ。


 数秒したら動き出す。


 大地は月面のクレーター群みたいになっている。


「痛てて」


 俺の左腕は肩下から消滅した。両足も無い。右脇腹にも大穴が空いている。


 少しピンチかもしれない。


 消滅しているからくっ付けられない。


 それに《闇魔法》の影響か、直りそうも無い。


 とにかく脇腹の穴を塞ぎ、手足の血止めをする。


 痛みは既に無い。自動で痛覚遮断が発動した。


 回復薬をストローで飲みながら、次の一手を考える。


 流石にかなり不利な状況だ。


 どうやったら相打ちに持ち込めるか?


『ちょっと、なんでこんなにボロボロなのよ?』


 懐かしい声だ。


 眠り姫が目覚めた。


『おかえりレイラ。寝すぎだ』


 黒龍よ、俺の自称勝利の女神が帰って来たぞ。


 貴様はどうする?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ