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破壊神と妹勇者  作者: 朝寝東風
第一章
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奴隷商 続編

「ライ様、二人を連れてきました」


 メイリーズは政争に敗れた帝国の伯爵家の娘だ。少々目元がきついが美人ではある。ウェーブの掛かった赤い髪は帝国特有の色だ。洗練された動きからこの世界基準でも相当高い教養を身につけているのが分かる。


 彼女を一言で表すならでかい。とにかく胸がでかい。ブラが無い世界だと確実に垂れそうだ。魔法でなんとか出来るのか? 


 妹のために下着もデザインすべきか? 快適な異世界ライフのためには必需品だ。風呂用品が一段落したら検討しよう。


「メイリーズは何が望みだ?」


「政争に破れ、もはや帰る場所もありません。大人しく暮らしていければ幸いです」


 その胸で大人しくは無理だ。


「公国での政治的な駆け引きやお茶会への出席はどうだ?」


「後者なら大丈夫です。前者は余り期待しないでください」


 帝国の女性は策謀も基礎教養の一つと聞くが……。負けて自信が無くなったのか、爪を隠しているのか。


 公国では、奴隷貴族を主の代理として公的な場に送る事は認められている。ほぼ公国だけの制度だ。


 勇者が作った国だが、血統重視の他国から侮られる。なら、その血統を他国から輸入すれば良い。それが公国の奴隷貴族の起こりだ。


 最終的には働きに応じて解放、子孫が数代掛けて公国の譜代になる。理想ではそうなっているが、現実では上手くいっていない。


「エルフや蛮族が手勢にいるが、そこは大丈夫か?」


 帝国は差別が厳しい。大らかな王国とは逆だ。


「奴隷に落ちた身、今更気にしません」


 奴隷の間は大丈夫か。解放する場合は色々検討しないといけない。


「メイリーズ、当面はお茶会等の誘いがあれば俺の代理として出席せよ。政治や商売の話は俺に任せ、伝令役に徹しろ」


「畏まりました、ご主人様」


 メイリーズはこれで良い。余裕が出来たら微調整しよう。


 ミルファは歌姫らしい。


 地元の村で人気が出て、大きな都市で公演しようとした矢先に借金で家が没落した。


 地味だ。スターやアイドルが持っているオーラみたいなのを感じられない。セミロングの茶髪も良く無いし胸も普通でインパクトに乏しい。


「ミルファは歌か?」


「はい。たまに屋敷の一室で歌わせていただければ、それで十分です」


「もっと大きな舞台で立つ気は? 歌姫なのだろう?」


「歌姫は買い被りです。少し歌が上手いだけなのに、金に困った親族が暴走しただけです」


 ミルファに金を掛け過ぎたのではなく、没落一直線だから起死回生の一手として企んだのか。


 さて、どうしたものか。


「旦那様、よろしいでしょうか?」


「どうしたアルフレッド?」


「ミルファ嬢の歌は公国でも通用すると考えます」


「それほどか」


 他の使用人達も頷く。歌を歌うのが好きなら、ここでも歌ったのだろう。


 技術が売りの奴隷はここでは鍛錬を欠かさない。イブゲスも場を積極的に提供しているはず。商品価値が上がれば、それだけ上客に売れるのだから。


 見た目は綺麗だ。声も良い。歌姫で無くても使い道はあるか。


 貴族ならお抱え楽士なり歌姫の一人はいないと箔が付かない。


 エルフと蛮族に忌避感が無いのを確認して購入した。


 アルフレッドの助言で二人の世話係を数人追加で購入した。メイリーズは元伯爵家の令嬢だ。一定数のお付きがいないとお茶会で恥をかく。


 イブゲスに最終的な金額の支払いをする。総額150,000G。メイリーズ個人の30,000Gが桁違いに高額だった。この店の奴隷だと買う前に確認しておいたので、イブゲスの懐はさぞかし暖かくなっただろう。


 準備が出来たらしいので決闘出来る部屋に向かう。ポルルの一族の他にはアルフレッド、メイリーズ、ミルファが付いてきた。サリスも来たそうだったので、俺がお姫様抱っこで運んだ。目が見えないが視えているのだろう。


 戦いの場は俺の予想通り、ワイバーンを取り出した予備倉庫の一つだった。フィネガンと護衛が数名来ていた。俺の戦いに興味があって観戦する事にしたのだろう。


「ポルル、そのワッカがあると戦い辛いだろう。外してやる」


 そう言ってウィンドナイフで拘束具の止め具を斬り捨てる。


 これで準備は整った。


 少し大人気ないが、力の次元が違う所を見せつけよう。

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