表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Artificial Magi  作者: 津賀
第3章 第一学園編 前編
31/34

報酬

誤字脱字等ありましたら連絡していただけると喜びます。


8/8 感想で指摘していただいた部分を修正しました。

翌日は朝ごはんを食べているとギルドマスターから電話がかかってきた。

行儀が悪いと思いつつも電話を取る。

「はい、カムイ=カミシロです」

『朝早くにすまないな。昨日の件で話があるから10:00にアブサードのメンバー全員で儂の部屋まで来てくれ』

「わかりました」

とりあえずユウナとアリアンに電話の内容を伝え、イヨに招集の電話をかけてごはんを食べる。

ちなみに学園はサイクロプスが侵入した原因の調査のため、休みとなっている。


家を出てちょっとしたところでイヨと合流し、全員で冒険者ギルドへと向かう。

冒険者ギルドに入ると、受付のお姉さんと話をして奥の廊下へと通してもらう。

相変わらず長い廊下を渡り、ギルドマスターの部屋の前に到着した。

ノックをして部屋に入る。

「失礼します」

「朝早くからすまないな」

「いえ、学園へ行く時間より遅いですし、いつもよりのんびりできたくらいです」

「そう行ってくれると助かる」

そういうと、マスターは手元の書類に目を落とす。

「じゃあ、ここからが本題だ。先日のサイクロプス撃退に対する報酬についてだ」

マスターから伝えられた報酬の内容は以下の様なものだった。

まず、全員に200万Mずつが支給される。

そして、各個人ごとの報酬として、イヨ・ユウナ・アリアンはBランクへのランクアップと高純度魔石の支給。

僕は高純度魔石については支給されたが、まだ冒険者になってから日が浅いということでAランクへのランクアップはならなかった。

代わりになにかほしいものがないかと聞かれたため、昨日の戦いで武器が壊れたということもあり剣が欲しいと伝えた。


すると、ギルドから鍛冶職人へ高級武器の製作依頼を出してくれることになった。

「これが書類だ。これを持っていけば希望する武器を作ってもらえる」

「・・・上限額が書いてありませんが」

「あぁ、どれだけ金がかかってもいいぞ。全部ギルドで持つ」

なんて太っ腹な。

「それと、紹介する職人は君等と同じくらいの年齢だが腕については確かだ。安心してくれていい」

「わかりました」

僕達と同じくらいの年齢でギルドマスターから信頼されてる職人がいるのか・・・すごいな。


「以上だ。受付で高純度魔石と報酬金を受け取ってくれ」

「はい。では失礼します」

マスターの部屋を退出し、受付へと向かう。

受付で魔石を受け取り、報酬金を口座に振り込んでもらう。

そして、まだお昼までは時間があるということで先に鍛冶職人の元へと向かうことにした。


--------------------------------------------------


マスターから教えてもらった鍛冶職人の工房へ向かう道中、イヨがそわそわしていた。

「ねーねー、職人さんってわたし達と同い年くらいなんだよね。どんな子なのかなー」

どうやら職人が気になるようだ。

「私達と同じくらいの年齢ということはもしかしたら第二学園に通っているかもしれませんね」

ユウナも結構気になっているようだ。

「もう少ししたら会えるので、そこまで気にしなくとも良いのでは?」

アリアンはもうちょっと他人に興味を持ったほうがいいと思う。


そうして、しばらく歩くと目的地へと到着した。

「お、どうやらあそこみたいだぞ」

マスターから教えてもらった場所にはこじんまりとした工房に見えなくもない建物があった。

「これは・・・工房だとは気づきにくいですね」

「まぁ、とりあえず入ろうか」

申し訳程度に掛けられている『アメノ工房』という看板を横目に見ながら工房の中に入る。


「やぁ、いらっしゃい」

工房に入ると、既にツナギを着た少女が待っていた。

「えーと・・・?」

「話は冒険者ギルドのマスターから聞いてるよ」

なるほど、僕達が来る前にマスターが連絡を入れておいてくれたのか。

「ボクはサチ=アメノ。ここの工房の主だよ」

彼女以外に人の気配が無いからなんとなくそんな気はしていたが、実際に言われるとどうにもびっくりするな・・・


僕達もそれぞれ自己紹介をし、早速マスターからの書類を渡す。

「・・・確かに受け取ったよ。ボクが言うのも何だけど、マスターがこんなに若い人を直接紹介するなんて初めてだよ」

そうだったのか・・・。そういえば、アメノさんは何歳なんだろう。

「失礼ですが、アメノさんっておいくつですか?」

とりあえず聞いてみた。

「アメノさんってのは背中がむず痒くなるから、ボクのことはサチって呼んで!」

かなり強い口調で言われてしまったため、つい頷く。

「ちなみにボクは17歳だよ」

「わっ、わたしやカムイくんと同い年だね!」

マジで同い年だったんだな。

「学園には通われてるんですか?」

「うん。第二学園に通ってるんだ」

第二学園というと、職人育成のための学園か。


「よし、じゃあ仕事に入るよ。どんな武器がいい?」

サチがスイッチを切り替えて仕事モードに入った。

どんな武器、か・・・全力で切りつけても折れないくらい頑丈な剣がいいな。

「できるだけ折れにくい、硬い剣がいいな」

「うーん、結構アバウトだね」

「あんまり剣に詳しくないんだ。ごめん」

「あぁ、いやいや。依頼者の意向を汲み取るのも仕事だからね」

そう言うと、サチは少し考えこむ。

するとあることを思い出したのか、棚をごそごそと漁り始める。

「あったあった、これこれ」

サチはそう言うと棚から何やら金属の塊を取り出した。

「これは、純度は微妙だけどアダマンタイトっていう金属なんだ」

「・・・アダマンタイトですって!?」

ユウナが声を上げて驚く。


アダマンタイトって確か、魔素含有量の多い希少金属だっけ。

希少金属の中だとオリハルコン>ミスリル>アダマンタイトって順番で高価だった気がする。

「これ使うとなると値段が高くなっちゃうからねー、中々使えずにしまってたんだ」

今回はギルドに全部請求できるからいいでしょ?とサチが目で訴えてくる。

「これだったらかなり硬い剣が作れるよ。ただ、金属自体が硬くて刻印魔術は施せないんだけど・・・」

「・・・うん、それでいいよ」

ちょっと悩んだが、まぁ硬ければいいかという考えに至り、頷く。

恨むならこんな報酬を出した自分を恨んでくれ、マスター。


「でも、完成した剣の持つ特殊能力は使えるはずだよ。何が出るかはわからないけど」

金属の持つ特殊能力・・・?それってもしかして・・・。

「・・・それってこの金属で剣を打ったら魔剣になるってこと?」

「かなり低位だけどねー。刻印魔術のついた剣と同じくらいの効果じゃないかな」

「なるほどね。じゃあそれでお願いするよ」

その後、大きさとか長さといった細かいことをサチと相談する。


相談を終えると、サチが僕の前に試験管らしきものを置く。

「じゃあ、ちょっと血をもらってもいい?」

びっくりした僕はサチに理由を尋ねる。

サチによると、アダマンタイトを鍛える時に持ち主となる人の血を使うと、魔力を通しやすくなって扱いやすくなるとのこと。

使いやすくなるなら、ということで僕はサチに血を提供する。

完成までは1週間欲しいということで1週間後にまた来ることにして、連絡先の交換をして今日のところは家に帰ることにする。

帰り際にイヨが

「ねーねー、今度みんなで共通食堂でご飯食べよーよ」

と提案し、サチも

「それいーねー!」

と乗り気だったため、きっといつか昼食会が開かれることになるだろう。

でも、剣を作るときは何日か工房にこもりっきりになるため昼食会は僕の剣が完成してからということになった。


そして1週間後、剣が完成したという連絡を受けた僕は皆で工房に行く事にする。


工房に入り、サチを呼ぶ。

すると奥からサチがやってきた。

「やぁ、みんないらっしゃい。さっそくだけど、これが完成した剣だよ」

サチはそう言うと興奮しながら1本の剣を取り出した。

それを受け取った僕は鞘から剣を抜き、確かめる。

「この剣・・・なんか不思議な色をしてるな」

手に持っている剣は金属塊だった時とは異なり、少し青色を含んだ透き通るような美しい色をしていた。

しかも見る角度によって微妙に色が変化する。

「それね、カムイの血を加え始めたところで金属の性質が変化したみたいなんだ。色々調べたところオリハルコンと同等の魔素含有量があったんだ」

「それってつまり、打ってる最中でアダマンタイトからオリハルコンに変化したってこと?」

「そうなるね。でもなんでだろ・・・」

首を傾げるサチだったが、イヨやユウナはなぜか納得している。

「イヨ、ユウナ、なんか心あたりがあるのか?」

「あるよー」

「教えてくれないか?」

すると、ユウナが耳打ちをしてくる。

「お兄様の身体のことをサチさんにも教えることになりますが、よろしいですか?」

サチなら構わないだろうということでユウナに頷き返す。


そして、二人がアダマンタイトがオリハルコンに変化した理由について話し始めた。

二人の話をまとめると、僕の身体は全て魔化細胞であるため含まれる魔素の量も半端じゃなく多い。

その大量に魔素が含まれる血を結構な量(100ccくらい)使うことでアダマンタイトの魔素含有量が大幅に上がり、オリハルコンになったのではないかとのこと。

「いろいろツッコミどころの多い話なんだけど・・・」

サチが中々信じてくれなかったが、持っていたダガーに10回ほど【魔力付加】を掛けたところでようやく信じてくれた。


サチが納得したところで剣の特殊能力についての説明をしてくれる。

「【分析】を使って、この剣の持つ能力は【切断】と【暴食】だとわかったんだ」

「【切断】?【暴食】?」

「うん。【切断】は魔力が足りなくて使えなかったからどれくらい効果があるかわからなかったけど、【暴食】については試してみてわかったよ」

「教えてもらっていいか?」

「もちろんだよ。【暴食】は魔素を含む金属や鉱石を剣に喰わせることで剣の能力を上げるというものらしいんだ」

ということはこの魔石も喰わせることができるのかな?

「ちょっとこの魔石で試してみる」

魔石を剣先に当てて『喰え』と念じると、魔石が消えて剣の輝きが増す。

「なるほど、こうやって剣を強くしていくことができるのか・・・」

そして、次に僕達は【切断】を試すべく試し切りが出来る場所・・・冒険者ギルドの訓練場に行く事にする。


訓練場とカカシを借り、【切断】を試すことにする。

「じゃあ、ちょっと離れててな」

サチを含む皆に下がるように伝え、僕は剣を構える。

剣に魔力を与えて【切断】を発動し、カカシに斬りかかる。

すると、僅かな抵抗を感じるだけでカカシを両断することができた。

「・・・はい?」

斬った本人である僕が間抜けな声を出してしまった。

皆もポカーンとしてしまっている。


我に返った僕たちは【切断】について話し合う。

その結果、【切断】は【魔力付加】と同等の魔力消費で【魔力付加】より高い効果が得られるものという結論が出た。

「まさに魔剣ができちゃったね」

というのはサチの弁。

サチを工房に送り、今日は休日なのでまだ時間があるということで試し切りを兼ねて依頼を受けることにする。


「よし、じゃあいつものこの依頼を受けるか」

僕が選んだのはよく受ける『ラージベアー討伐依頼』だ。

受付に行き、クエストを受注する。

「よし、みんな行くぞ」

ワクワクしながら依頼に出発した。


サチさん製造チートです。

ヒロインにするか否か・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ