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Artificial Magi  作者: 津賀
第3章 第一学園編 前編
26/34

武術大会 - 1 -

誤字脱字等ありましたら連絡していただけると喜びます

ちょっと遅くなりました


7/4 ちょっとだけ書き換えました

1週間の間、僕たちは放課後の時間を特訓に充てた。

お陰で僕はいくつかの魔術を作ることができた。

これで僕のできることは

 ・なんちゃって体術

 ・なんちゃって剣術

 ・【知覚加速】を含むチート魔術(イヨ命名)達

 ・【身体強化】とかの一般の魔術

となった。剣術は1週間の間ヤマトさんに教えてもらえるように頼み込んで、なんとかちゃんと剣を振るくらいはできるようになった。ヒロシに教えてもらうことはできないので、体術は授業で習っていること以上の動きはできないといってもいいだろう。

今回は魔力量がかなり落ちているため、チート魔術を連発することは出来ない。せいぜい1戦につき1回だろう。

魔術については消費するオドの量を減らすように重点的に特訓をしてきたため、今までみたいに魔力ゴリ押しで発動させるようなことは少なくなった。

あと、【硬化】を使うときは本気で掛けるんじゃなくてダメージが軽減できるくらいの弱さで掛けることにする。これは皆からの「反則だ!」という声を受けたからだ。世知辛い。

イヨやユウナ、それにアリアンそれぞれに負けないぞ!と宣言されたので彼女たちの特訓も順調にいっているんだと思う。

ヒロシは魔術の練習をちょっとやってたみたいだけど、唸っていたところを見るとあまりうまくはいってないみたいだ。


ちなみに、武術大会はトーナメント形式で行われる。

去年は予選ありで本戦参加者が50人だったらしいが、今回の参加者は予選なしで16人だ。現役冒険者が参戦するというのが効いてる証だ。

対戦相手は前日に発表されており、僕の相手は同じクラスの男子生徒だった。

運良く1回戦では『アブサード』のメンバー同士が戦う事にはならなかった。

ヒロシも1回戦は知らない人が相手らしい。


---------------------------------------------------------


そして、武術大会当日となった。

いつものように、起きたらヤマトさんから教えてもらったことを反復するべく【空間】へと入る。

「おはようございます」

「おはよう」

アリアンと挨拶を交わし、僕は自分の鍛錬を行う。

庭で鍛錬をしたいところだが、ヤマトさんの邪魔になっては悪いと思い、こうして毎朝【空間】で鍛錬を行なっている。

いつのまにかアリアンも同じ動きをして鍛錬に参加しているが、まぁいいだろう。


鍛錬を終え、アリアンとともに居間へ降りて挨拶をする。

朝ごはんを食べ、今日は僕とユウナとアリアンの3人で家を出る。

アリアンも一緒というのに新鮮な気持ちを覚えながら、学園へと向かう。

学園に到着すると、教室へは向かわずに武術大会が行われる闘技場へと直行する。

今日はルール説明が終わった後に、1回戦の計8試合が行われる。

ちなみに明日は2回戦の4試合、明後日は準決勝の2試合、明明後日は決勝が行われる。

各人の消耗を考えた結果らしい。


闘技場は普段の授業では余り使われないが、魔術を使った試合をするときには活用される。

この闘技場の地下には特殊な刻印が施されており、中級以上の魔術は威力を極限まで下げられる。例えばエクスプロージョンをここで使ったら、目の前で爆竹が爆発するくらいの威力にまで下げられてしまう。

それでもって、その時の魔力量を計測して審判の持つ端末に魔術の威力を伝える。

しかし、この刻印よって自分で自分にかける魔術の威力が落ちることはない。

こういった模擬戦をするにはうってつけの場所なのだ。



「はじめて闘技場に来たけど、これはすごいなぁ」

「かなり大きい建物ですね」

「学園自慢の闘技場ですわ」

闘技場は遠目から見たことしかなかったため、近くで見てその大きさに圧倒されてしまった。

「久しぶりに来ても大きさにびっくりだよー」

「あ、イヨ。おはよう」「おはようですわ、イヨさん」「イヨさん、おはようございます」

いつの間にか背後にイヨが居た。

「3人ともおはようだよ!」

今日のイヨは朝からテンションが高めだ。戦いがあるから興奮してるのかな?

「みんなはもうエントリーした?」

「あ、まだだ」

「じゃあ皆で一緒に行こう!」

ということで全員で入り口に向かっていく。


エントリーを済ませ、参加者である僕達は観客席ではなく舞台の方へと向かう。

中に入ると周囲を観客席で囲まれているからか、より一層圧倒される。

初めて来たアリアンも同じようで、若干放心状態になってしまっている。

「おーい、カムイ!」

正面から聞き慣れた声が聞こえてくる。

「あ、ヒロシじゃないか」

「あ、じゃねぇよ。どうしたんだ、一体?」

「いや、ちょっとこの光景に圧倒されてた」

「あー、確かに。こんだけデカけりゃ圧倒もされるか」

「ヒロシは大丈夫そうだね」

「まーな。でそっちの子は誰なんだ?」

そうか、ヒロシはアリアンとは面識がなかったのか。

ユウナはたまに僕と一緒にいるから覚えたのかな。

「初めまして、アリアン=カミシロと申します」

「丁寧にどうも。俺はヒロシ=サカガミってんだ。カミシロってことはカムイの妹か?」

アリアンがどう答えましょうかという感じのアイコンタクトを送って送る。んー、まぁヒロシにならいいか。

「いや、妹じゃない。この子は僕がゴーレム生成をアレンジして作ったホムンクルスっていう人工生命体」

「ハァ?この子がゴーレムだって?」

スゴく柄の悪い感じに返されてしまった。

「そんな感じ。自我もあるからぶっちゃけ世界に1人しか居ないかもしれないホムンクルスっていう種族になるかも?」

「・・・もう驚かねぇぞって思ったんだが、斜め上をいくとは」

ヒロシが呆れ顔でこちらを見てくる。そういう感じはもう慣れてきたぞ。


『えー、静かに。それでは只今より武術大会の開会式を行います』

おっと、そろそろ始まるようだ。

『それでは、開会の挨拶を生徒会長のミコト=ワダツミさんに行なってもらいます』

生徒会長って初めて見るかも。

『生徒会長のワダツミです。私は運営としてこの大会を支えていく所存ですので、参加者の方だけでなく観客の方もどうぞこの武術大会を楽しんでいって下さい。武術大会が開かれるこの4日間、参加者の皆様は出し惜しみなど無きよう、死力を尽くして戦って下さい。以上で私の挨拶とさせて頂きます』

あれが生徒会長かー。綺麗な人だなー

『それでは、只今よりルールの説明を行います。

まず、使用武器についてですが、これはこちらの用意する訓練用の武器を使用して下さい。盾、鎧、銃については持参した品を使っていただいて構いません。

1試合は最大10分とします。10分過ぎても決着がついていない場合は審判による判定になります。

続きまして勝敗についてですが、これは相手に降参を認めさせた場合、上級魔術もしくは攻撃系の固有魔術がヒットしたと判定された場合、相手を気絶させた場合に勝ちとなります。

なお、万が一相手を殺害してしまった場合は即刻失格となります』

つまり、相手に上級魔術を使わせないようにしつつこちらの攻撃を加えていかなきゃいけないのか。

『以上を持ちまして開会式を終わります。それでは、30分後から第一試合を開始しますので、選手の方は準備をして下さい』

第一試合は僕だから、とりあえず控え室に行こう。


控え室は2つあり、一応対戦相手とは別々の部屋に割り当てられるみたいだ。

控え室に、ついてきた皆と一緒に入る。

「いよいよだねー」

「あぁ、ちょっと緊張してきたぞ」

「大丈夫ですか?お兄様」

「この緊張はちょっと大丈夫じゃないかも」

「まぁ、気楽にいきゃーいいんだよ」

「そのメンタルを僕にくれ・・・」

試合前の緊張している僕に皆が話しかけてきてくれる。

「主、こちらが木剣になります」

「まだはえーよ!?」

「そうでしょうか?」

と首をちょこんとかしげるアリアンの様子が何となくおかしくて吹き出してしまった。

皆でひとしきり笑った後には僕の緊張もすっかりほぐれていた。

「ありがとう、皆」


そこからしばらく雑談をしていると入場口に集合して下さいとのアナウンスが入った。

「じゃあ、いってくるよ」

そう皆に告げて部屋を出る。

背後から皆の頑張ってこいというエールを受けながら僕は入場口へと向かう。

入場口に着くと、すでに対戦相手が待っていた。

「よろしく」「よろしくな」

一応お互い顔見知りなので軽く挨拶を交わす。

アナウンスに従って闘技場の中央に入場し、辺りを見ると予想以上に観客席が埋まっていてびっくりした。

後で着いた話だけど、この時代だとお祭り的な行事が少ないとのことで、この武術大会は結構盛り上がるらしい。なんというか、甲子園的なノリかな。

『只今より第一回戦の第一試合を開始します。選手の方は所定の位置について下さい』

僕と対戦相手が所定の位置につく。

『それでは第一試合、カムイ=カミシロ対ジョン=カシワギ・・・始め!』


試合開始の合図とともにカムイとジョンは瞬時に【身体強化】を掛ける。

木剣を構えたジョンが牽制で数発の【バレット】を放ちつつカムイとの間合いを詰めるように動く。

カムイは相手の放った【バレット】が着弾する前に、【ウィンドアシスト】を使って相手の頭上を飛び越えるような大跳躍をする。

ジョンは頭上を超えられるなどとは思っていなかったのか、カムイを見上げて一瞬静止してしまう。

カムイはその隙を逃さずに【ウィンドアシスト】を掛ける方向を瞬時に変えてジョンに向かって降下する。

ジョンは慌てて迫り来るカムイに対応するために剣を構えなおす。

着地する寸前、カムイはジョンに向かって剣を振り下ろす。

文字通り全体重を乗せた一撃をジョンは受け流すことが出来ず、もろに木剣で受け止めてしまう。その重さに耐え切れなかったジョンは思わず木剣を手放してしまう。

そして、カムイはジョンの喉元に木剣を突きつける。

「降参するか?」

「あぁ、参った。降参だ」

『只今、ジョン選手が敗北を認めたため、第一試合はカムイ選手の勝利となります!』

アナウンスが終わった瞬間、観客席から勝者を称え、敗者を慰めるように盛大な拍手が上がった。


『それでは、30分後に第二試合を行いますので、選手の方は準備をして下さい』

控え室に戻り、自分の荷物を回収すると外に出る。

「「おめでとう(ございます)!」」

控え室から外に出ると、待ち構えてた皆が祝福してくれる。

「ありがとう!」

次は第二試合か。第二試合は確かアリアンが出るんだったな。



「では、行ってきます」

アリアンが闘技場中央への入り口へと向かって歩いていく。

次話で1回戦+αのよてい

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