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Artificial Magi  作者: 津賀
第3章 第一学園編 前編
25/34

武術大会 -開幕前-

誤字脱字等ありましたら連絡していただけると喜びます

7/5 感想で指摘していただいた部分の修正をしました.

パーティーを結成したその次の日以降は、学園で授業を受けて細かな違いにおおっと驚いたり(特に魔術学が今までやったことない感じなので驚くことも多い)、昼ごはんをイヨとヒロシと食べてヒロシがイヨの食べっぷりに唖然としていたり、皆の都合のいい時はパーティー用クエストを受けて過ごしていた。

ちなみに学園は昔と同じ感じで5日学園へ来て、2日休みという感じだった。


時は少し流れて5月初めの週。

朝起きると、ユウナがどこかに連絡を入れていた。

「おはよう、ユウナ」

「おはようございます」

「こんなに朝早くから誰と連絡をとっていたんだ?」

僕の質問にユウナが少し止まってしまう。まずいこと聞いたかな?

「・・・今朝方、視えたのです」

「視えた、というと・・・【予知】?」

「えぇ、都市国家イングランドのエディンバラという都市に3日後、魔獣の襲撃があるというものでした」

「海の向こうのことも視えるんだな」

「えぇ、最近はこの辺りの事ばかりで余り視えなかったのですが・・・それで、冒険者ギルドに連絡を入れていたという訳ですわ」

「なるほど」

予言の巫女というのも大変そうだ。

洗面所で顔を洗い、ご飯を食べ、学園へ行く準備をする。

そして、いつもの様にユウナと主に学園へと向かう。


学園へ到着し、ユウナと別れて教室へと向かう。

教室に入ると皆に挨拶をして自分の席へつく。

この1ヶ月でなんとなくクラスに溶け込めたような気がする。イヨはあんな感じだから普通に皆と打ち解けてたし、ヒロシは口調が怖いからか余り僕達以外と喋ってるところはあまりみない気がする。

しばらくイヨやヒロシと話していると、先生が教室に入ってくる。

HRが始まり、先生が連絡事項を伝える。

「来週には武術大会がある。今週から参加を受け付けるから、出たいものは所定の用紙に記入をして提出してくれ」

そういえば、初夏あたりに武術大会があるとかユウナが言ってたな。

「なお、今年は冒険者ギルドが推薦するCランク以下の冒険者も何人か参加するから、心しておくように」

先生のその言葉に教室がざわめく。

Cランクって言うと結構な実力者な気がするんだけど・・・?一人の生徒が先生に抗議をする。

「先生!そのレベルの冒険者の方に来られてしまうと気軽に参加できなくなってしまうじゃないですか!」

うん、やっぱり普通にきついのか。

「あぁ、わかっている。つまりCランクの冒険者にも引けをとらないと思うものが参加してくれればいい。今まではちょっとダレてた部分もあったからな」

先生によると、この武術大会は成績に加算されるということでなんとなくでも参加する人が多かったみたいだ。そのせいでただ単なる消化試合みたいなものも多く、緊張感に欠ける状況が増えてきたため今回のような措置が取られるようになったとのこと。

ちなみに発案は生徒会長らしい。


「HRは以上だ。号令を頼む」

「きりーつ、礼!」

伝えることを伝えると先生は出ていってしまった。

とりあえずヒロシに武術大会に参加するかどうかを聞いてみよう。

「ヒロシは武術大会に参加するの?」

「おう、相手もちょうどいい感じだし、なんといっても戦うのは好きだからな」

なんという肉体派。すなわち脳筋

「あ、わたしもでるー!」

横からイヨが参加表明をしてきた。

「マジで?」

「うんうん、わたしの魔術と杖で吹き飛ばしてやんよっ」

イヨがノリノリになってしまっている。

「僕も出ようかな」

「「えっ」」

二人がポカーンとしてしまった。

「え?なんかまずい?」

「まずいというか、お前に出られると、なぁ?」

「うん、普通に勝ち目ないよ!」

なんだ、この二人は僕が全力出せる状態で出場するとでも思ってるのか。


「このままでは出ないよ、ちゃんと【バインド】掛けて出るって」

「「【バインド】?」」

「うん、使えるオドの量を抑える魔術。昨日完成した」

この魔術を使えば常に身体の維持に必要なオドは隔離しておいて、それ以外のオドは使用可能みたいな感じにもできるから便利だ。

「それだったら・・・でも、どこまで減らせるの?」

「限界まで減らして2000だね」

「それでも2000あるとか信じられねぇよ・・・」

ヒロシにも僕の魔力量については話してある。

元が10万で減らして2000。

それでもエルフの平均が400だということを考えると異常な数値だ。

しかし、僕はまだ魔術をちゃんと必要最小限な魔力で発動することが出来ないため、2000くらいだと心もとないのが本音だ。

「ま、10万から2000になったんだ。なんか勝てる気がしてくるじゃねぇか」

「そうだねっ。カムイくん覚悟っ!」

「俺だって負けるつもりはない」

と各々がやる気を出していたところで

「じゃあ授業始めるぞー」

と先生が入ってきたため、おとなしく自分の席についた。



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放課後、今日はイヨとユウナの都合が悪かったため、アリアンと二人でクエストに行く事にする。

二人でパーティーとして行ってもパーティーランクの足しになるため、僕はちょくちょく都合のいい人と一緒にクエストを受けている。

アリアンの希望もあって今日のクエストはラージハウンド討伐クエストを受けることにした。ラージハウンドは草原に生息するシルバーウルフと同様に群れを作って動く魔獣だ。

どうやら、前の戦いで集団戦に慣れていないことがわかり、訓練をしたいようだ。

ラージハウンド自体はDランクであるため、単体だと討伐は容易いが、平均で10匹ほどの群れを作る。

そのため、Cランクのパーティークエストとなっている。

今回は20匹以上のラージハウンドを狩ってこいというクエストなので、2つほど群れを潰せばいいことになる。


今日は南門を出て、ラージハウンドが出る地域へと向かう。

その途中、今日の戦い方についてアリアンと話し合っていた。

「じゃあ、アリアン。僕が開幕でラージハウンドの数を4~5匹まで減らしておくよ」

「お手数をお掛けします」

「気にしない気にしない。最近学園の方ばっかりであんまりアリアンと出かけれなかったから、その埋め合わせとでも考えといて」

「ありがとうございます、主」

「(主のためにももっと強くならないと・・・)」

なにやらアリアンが気合を入れているように見える。

その時、僕の【鷹の目】が10匹ほどの犬の群れを捉えた。

僕は更に目に魔力を与えて姿を鮮明に捉える。

「アリアン、前方500mほど先にラージハウンドがいる」

僕の言葉に、即座にアリアンが戦闘態勢となる。

匂いで気づかれたら厄介だ、今のうちに数を減らしておこう。

アリアンに合図をし、ラージハウンドに向かってアリアンが駆け出したのを見、僕は魔術を使う。

「雷よ、敵を貫け・・・【雷舞:コンプレス】!」

僕が魔術を発動した瞬間、数本の雷が正確にラージハウンド達を捉える。

【雷舞】はもともと広域殲滅魔術だが、コンプレスを付けることで的をいくつかに絞って強力な雷を落とすこともできる。

僕は【雷舞】によって残りのラージハウンドが4匹になったのを確認すると、アリアンの方を目で追うことにした。


轟音と閃光ともに稲光がラージハウンドに襲いかかるのを確認しつつ、アリアンはラージハウンドに向かって疾走する。

すでに【身体強化】と使っており、カムイに薄い【外装】を掛けてもらっている。

(今日は【外装】を破壊されないように複数の敵を対処できるようになることを目標としましょう)

アリアンはシルバーハウンド戦以降、脳内では幾度と無く複数の敵との戦闘はシミュレートしてきた。

それ故に想像の中だと動けるのだが、実際に動けるかどうかは未知数、ということでアリアンは少々緊張しつつもラージハウンドと接敵した。


先手必勝、アリアンは未だ突然仲間が減って混乱の最中にある4匹のラージハウンドのうち、最も近い1匹に接近して、拳を叩きつける。

相手の骨を砕く感触を感じつつ、次を狙うべく辺りを素早く見渡す。

すると、残りのラージハウンドは体勢を立てなおしつつあり、最も体の大きなラージハウンドがアリアンに対して咆哮を上げて威嚇を行う。

「オオオオォォォォーーーーン!!」

それを皮切りに残りの2匹が左右に飛び出し、同時にアリアンへと襲いかかる。

(正面・・・はまだ敵がいますね。それでは)

アリアンは大きく後ろに飛び、ラージハウンドの攻撃を回避する。

回避と同時に左から攻めてきたラージハウンドに対して魔力を多めに込めた【魔弾】を撃つ。

飛んできた【魔弾】は疾く、ラージハウンドは回避する暇もなく頭を砕かれて絶命した。

アリアンの猛攻はまだ続く。【魔弾】を放った瞬間、思いっきり前に踏み込んで勢いと魔力を乗せた蹴りを右から攻めてきたラージハウンドに浴びせる。

魔力を込められた足甲からは稲妻が放出され、蹴りの重い衝撃とともに電撃がラージハウンドの命を容赦なく刈り取る。

同時攻撃をいなし、一瞬息を吐いたアリアンの隙を見逃すことなく、最後に残ったラージハウンドが彼女に襲いかかる。

「・・・っ!」

一瞬息をつまらせながらアリアンは左へと跳躍し、攻撃を回避しよとする。

しかし、予想以上に大きいラージハウンドの前足がアリアンの脇腹を叩く。

その瞬間、キィィィンという音を立てて【外装】が悲鳴を上げる。

跳躍をしながら衝撃を感じたアリアンは着地と同時に体勢を立て直し、襲い掛かってくるであろうラージハウンドに対するカウンターの構えを取る。

アリアンの目論見通り、ラージハウンドが正面からものすごい勢いで迫ってくる。

アリアンとラージハウンドが接触する瞬間、瞬時にアリアンは身体を返してラージハウンドの突進を回避し、魔力を込めた手刀をラージハウンドの胴に叩きこむ。

魔力により炎を上げた手刀により、ラージハウンドは地に叩きつけられて炎を上げて絶命した。

「油断大敵、ですね・・・」

アリアンは呟いて、討伐の証となる部位を回収してからカムイの元に戻った。


「お疲れさま。1発もらってたみたいだけど大丈夫?」

「はい、【外装】も砕けておりませんので問題ありません」

「そっか、それならよかった」

「心配していただき、ありがとうございます」

アリアンが数匹の魔獣を相手にしてるのって、じっくり見たのは初めてかも。

「アリアンってちゃんと戦闘訓練受けてないんだろ?よくあそこまで動けるな」

「・・・そういえばなんででしょうか。私としてはただこの動きはできる、という動きをつなぎあわせている感じなのですが」

僕が見た映画の記憶とか漫画の記憶が引き継がれて、今の身体能力で再現してるって感じなのかもしれない。同じ身体能力を持つ僕でもできるとは思うけど・・・

もしかしたら僕は『あの動きはできないなー』といった考えが心の奥底にあったりして、それが邪魔してるとか?

「どうしました?」

しまった、考えに集中しすぎたか。

「ごめん、ごめん。ちょっと考え事してた。じゃあ残りのラージハウンドを探しに行こうか」

「わかりました」


その後僕たちは割とすぐに次の群れを発見できた。

最初と同じように、敵に気づかれていない位置から僕が魔術で半分くらいに数を減らし、残りをアリアンに任せるといった流れで討伐を行った。

今回、アリアンは相手の攻撃を貰うことなく討伐できたためか帰ってきた時はどことなく上機嫌だった。


クエストを終え、冒険者ギルドへと報告へ向かうとなぜかアリアンがマスターに呼び出された。

ぼーっとアリアンを待っていると、割とすぐに帰ってきた。

「なんで呼び出されたんだ?」

「はい、第一学園で開催される武術大会に参加しないかと言われました」

「えっ!?」

「どうしました?」

「い、いや、なんでもない。それより、武術大会には参加するの?」

「はい、出てみようかと思います」

Cランク以下でマスターが推薦した冒険者が参加するとは聞いていたけど、その内の1人がまさかアリアンになるとは・・・。アリアンと戦う人がかわいそうだ。

「そうか、これはもしかしたら大会で当たるかもしれないな」

「主も出られるのですか?」

「あぁ、イヨも出るぞ。ユウナはまだ聞いてないからちょっとわからないけどな」

「それは楽しみです」

ニヤッと笑ったアリアンがちょっと怖かった。


冒険者ギルドを出て家へと帰る。

ユウナはすでに帰ってきており、居間でくつろいでいた。

ユウナと挨拶を交わし、武術大会に参加するか聞いたところ、答えはイエスだった。


これで『アブサード』のメンバー全員が参加することが決定した。


ここから武術大会スタートです

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