第三話 5歳になったので
この世界での俺は5歳になった。
この世界は誕生パーティなるものは無いようだが、いちよう祝い事としてはあるらしい。
五年に一度、普段よりは多少豪華な食事になる。プレゼントとかはない。
そこで俺は、いつかの時の質問をレイルにした。
「お父さん、ついに僕は5歳になりました。以前の約束を覚えてますか?」
「もちろん覚えているよ。もともと5歳になったら魔法や一般的なことを教えるつもりだったからね」
「ただ今日は祝いの日だから、教えるのは明日からな」
「はい!楽しみにしています!」
ついにその時が来た。待ちに待った魔法を教えてもらう日。
そしてこの世界の一般的なことも教えてくれるらしい。
実に楽しみだ。
翌日
レイルは国でも指折りの学者らしく、かなり博識だ。
後に聞いた話だが、5歳になったタイミングで教養を始める。その際、小さな村は近隣に学校のような施設がある村で一斉に教えられる。王国などはそれらが城下町に必ずあるからそこで教えられるのが一般的らしい。
うちの場合はレイルがいるので行く必要がないというわけだな。
「そしたらアル。まずは何から知りたい?」
そんなものは決まっている。
「魔法について知りたいです」
「よし。それなら魔法に関しては魔力から教えていこう」
「まず魔力なんだが、これは誰もが持っている。持ってない人は存在しない。そして最近……と言っても数百年前だが、魔力は世界中のあらゆるものが持っていることも判明している」
「あらゆるものって?」
「お父さんたちのような人間だけでなく世界中の他の種族や、草木のような動植物、はたまた建物や武器に至るまでの、あらゆるものが微量ながら魔力を宿しているんだ」
驚いた。まさか無機物まで魔力を持っているのか。となるとこの世界には魔剣とかの類もあるのだろうか。
「魔力は皆の生活において必要不可欠なんだ。だから基本的な魔法は皆使えるんだよ。な?カエル?」
ん?いつのまにか、カエルが隣にいた。いったいいつからそこにいたんだ?
「なんで私を見るのよ。私だって多少は使えるわよ」
「母さんはこうは言っているが、魔法の扱いに不慣れな人もいる。例えば、普段よく使う「リトル・フレイム」なんかは、火魔法の基本、「フレイム」の応用術なんだが多少緻密な魔力操作が必要だ」
「これができるかできないで、魔法を扱うのに向いてるか否かがわかる。アルはどっちなのかな?」
「それに関しては、追々やっていくとしよう」
「お父さんはどれくらい魔法が使えるの?」
「まあそうだな。応用ぐらいまでならできるが、まあ日常で使う魔法なら大抵は扱えるな。と言っても、戦闘面においては母さんには劣るな」
「戦闘面?」
「ああ。母さんは元Cランク冒険者だからな。」
「やめてください。もう昔の話です。それにCランクは対して強くはありません」
「そうはいっても、僕の見立てだと剣の腕前だけなら、Bランク冒険者でも上位に入ると思うおけどな」
「お母さんは冒険者だったのですか?」
「はあ……そうよ。だから今は村の警備と、魔物が出た際の討伐を任されているんだ」
そうだったのか。
どうりで一日家を空けることがあったりしたのか。
そんなオーラは……いや、あったかもな。
レイルが真っ向から歯向かわないわけだ。
「丁度いいし、冒険者についてだ」
話が長かったので、冒険者についてまとめるとこうだ
・ランクはD~Aまである
・Sランクもあるがこれは個人にのみ与えられる称号
・支部などが一部の秘境を除いたほぼ全世界に点在する
といったところだ。
ついでに種族についても尋ねてみた
・大陸の中央が主に人族
・大陸の西側全域を魔族
・大陸の東側にはエルフ族と精霊族が一緒に暮らしている
・大陸の南側には獣人族が暮らしている
・大陸の北は龍族
・人族と龍族の領域に挟まる形でドワーフ族
というかんじで暮らしているそうだ。
「そして実はもう一つあるんだ。それは、今は龍族の領域でもある北方の秘境に住まう、竜人族と呼ばれる種族だね」
「竜人族?それはどういった種なのですか?」
「見た目は、ハーフエルフのような見た目をしているらしいよ」
「らしい?二人は会ったことないのですか?」
「竜人族はね、今は絶滅しているんだ」
「父さんは歴史にも精通していてね。それで、1000年ほど前まではその存在が確かに確認できるんだが、急に一切の情報が消えているんだ」
なるほど。急に消えた種族ね、千年も前だというしあまり気にしなくてもいいいな。
母 カエル・クロニカ 26歳
職業:村の警備 元Cランク冒険者
魔術:基本のみできる
性格:強気だが、褒められたりすると赤面してしまう部分がある。そこが普段と違って可愛いらしい(レイル談)
冒険者のランク
Dランク
冒険者の始まりでもある初心者ランク
Cランク
Dランクから昇格しそれなりの経験をもつランク。実力もそれなり。
Bランク
一般的なプロのランク。通常の人はここが限界。
Aランク
通常の枠に当てはまらない人、もしくはグループ。最強の称号。
Sランク
個人にのみ与えられる称号。対象は一般的な常識が通用しないまたは常軌を逸した強さの存在。




