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知と記憶の回廊を抜けて:異世界で二度目の生を  作者: 三木 天
イニシ法国編

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第二十三話 領地を守る壁

先日シトを出てからの道中。

あることをモナと一緒に研究している。

それは、剣に魔法の属性を纏わせ斬撃を飛ばす。

以前、モナとの模擬戦の時に使ったやつだ。


あれから色々模索した結果。

まず先に、雷の魔法を扱えるようになった。

しかもオリジナルなのだ。

魔力について振り返った時、この力は万能だということに気づいた。

そこで試しに雷雨の日に、雷に干渉できないか魔力を送ってみたらできてしまった。

とはいえ、巨大な雷撃みたいなことはまだ出来ないけどな。


ちなみにモナにせがまれたので仕方なく教えたらすぐにマスターした。

相変わらず魔法に関しては天才ぶりを見せつけられた。


そんなこんなで雷魔法そして風魔法を斬撃として飛ばせるようになった。

水、氷、土も出来たんだが、この二つは実用性が無さ過ぎて、わざわざ斬撃にする必要がないので一旦は見送ることにした。


それぞれの特徴は、


・炎 対象を焼き切りながら飛んでいく斬撃 威力が高い

・風 不可視の斬撃 奇襲や不意を突ける

・雷 対象の中を焼く斬撃 実際には切れないが固い外皮や鎧に対して有効 麻痺もある


こんな感じだろう。

実際に魔物との戦闘でも使ってみてもかんり有用だった。

炎は威力が申し分ないから使いやすい、風は警戒度の高い魔物に奇襲を仕掛けるとき、雷はグレイブ・ボアのような奴には特に真価を発揮した。


そして今、もう一つチャレンジしていることがある。

それは、一つの斬撃に複数の属性を纏えないかというものだ。

しかしこれが難航している。

何度やっても成功しない。

やり方を変えるだけで、そもそも纏えなかったり、纏えたとしても斬撃が途中で霧散してしまったりと様々だ。

もしこれができれば戦闘の際に出来る択が増えるから便利になる。

いつかは習得したいものだ。


イニシ法国へ向かう際に必ず通らなくてはいけない都市がある。

国境都市ワニング。

新しい技とかの研究だったりをしながらの旅だったから、シトを出てから2ヶ月も経っていた。


都市を初めて見た時は驚いた。

この都市は、イニシ法国領の国境沿いに壁が築かれている。

つまり、バルドー王国領から法国領に入るにはこの都市を通らないといけない。

いわばイニシ法国の玄関口の役割を担っている。

かなり厳格な宗教国家なのだろうというのが嫌でもわかる。

まあ、シトにいた神父がかなり歪んだ思想?の持ち主だったからな…


壁はおよそ5メートル、門はさらに大きく10メートルぐらいか?

話には聞いていたが、実物を目の当たりにするとさすがに驚くな。


「こんな大きさの壁初めて見たわ…」


隣にいるモナも似たようなことを感じているのか、唖然とした顔で城壁を見ていた。


門の周辺には数えきれない程の聖騎士が駐在していた。

彼らが警備と検問をやっている。


「よしつぎ、荷物と身分の証明するものを見せろ」


俺たちは荷物を下ろし、冒険者カードを見せた。


「冒険者か、ここへは何をしに来た?」


「我々は世界中を旅しています。この国はあくまで旅路の経由地点です」


「なにか商売等をしに来たわけではないと?」


「一応冒険者なのでその活動とかはしますけど」


「ふむ、まあいい。荷物等からもそれらしい物はないしな」

「ちなみにどこへ向かっている?」


「魔族の住む大陸よ」


「ほう?あそこは今も戦争中だぞ?なぜそのような所に行く?」


「アルケウスが言ったでしょ。私たちは世界中を旅してるの」


「なるほど、そういうことか」


いやどういうことだよ。

今のモナの発言のどこに納得したんだ?この人は…


「よし、入国を許可しよう。ただし、悪いことはするなよ、常に創造神様はみなを見ていらっしゃるからな」


そうして無事、イニシ法国領へ入ることができた。

まずギルドへ向かい、そして宿探しだな。


貨幣はここでもそのまま使える。

というか貨幣に関しては、この世界に違う貨幣はないらしい。

ただ国や町といった場所で物価が大きく異なる。

よくあるパターンは、王城のある城下町などが安くな、ワニングやシトのような役割を持った町や都市は高くなる傾向がある。

ここでも宿代の最安は銅貨8枚からだ。

ただ今の俺たちの懐は裕福とまでいかなくとも、それなりに潤っている。

ということで一泊食事付で銀貨1枚と銅貨5枚の宿に泊まることにした。

これだけで部屋の内装に料理場が増え、ベッドがふわふわになった。

今までどれだけ固い寝床で暮らしてきたか…

ただこれだけのように見えるが、やはり依頼とかはやっていかないとすぐにお金はなくなりそうだな。

もちろんこの町にも冒険者ギルド等はある。


「それで?これからどうするの?」


ふわふわのベッドの上で上機嫌なモナが今後について聞いてきた。


「そうだな、まずはイニシ法国領でどんな魔物がいるのか知らないから、そこを知るために依頼とか受けてもいいかもな」


「じゃあまたしばらくとどまる感じ?」


「まあそうなるかもな」


「本当に魔王を倒しに行く気ある?」


倒す気はある。

だが自信があるかと言われると、あるとは言えない。

そもそも、未だにメンバーが二人しかいないのはどうなんだ?

よくある勇者パーティって4人以上じゃないか?


「あるがまだ自信がない。負けることは死を意味するんだぞ?」

「逆にモナは自信があるのか?」


「ないわね」


ないのかよ!


「じゃあ何で聞いたんだ?」


「ん?私と同じ考えかな?って」


「じゃあ別にゆっくりすることに異論はないな?」


「ええ」


ということで、しばらくこの町で情報収集兼実力を磨くとしよう。

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