第九話 押しかけ治癒師と偽の依頼
王都冒険者ギルド本部の朝は、今日も忙しかった。
受付には冒険者たちが並び、依頼掲示板の前では新人たちが真剣な顔で紙を見比べている。
奥の酒場では、朝から酒を飲もうとした冒険者が受付職員に叱られていた。
そして執務室では、レオン・ガルディアが書類の山と向き合っていた。
レオン「……減らないな」
セシリア「昨日、禁忌の森の報告書を後回しにした分です」
セシリア・ノートは、いつも通り冷静に言った。
レオン「孤児院への食糧支援の手続きは?」
セシリア「それもあります」
レオン「第七倉庫の子どもたちの受け入れ書類は?」
セシリア「それもあります」
レオン「禁忌の森の黒い結晶の調査依頼は?」
セシリア「それもあります」
レオンは黙って判子を手に取った。
――剣で斬れない敵は厄介だ。
書類は斬っても増えるだけだ。
いや、斬ったらセシリアに怒られる。
レオンは静かに判を押した。
その時、執務室の扉の向こうから、妙に明るい声が響いた。
???「レオン様はいらっしゃいますか!」
レオンの手が止まった。
セシリアの眉がわずかに動く。
セシリア「……この声は」
レオン「いないと言ってくれ」
セシリア「マスター、ここはあなたの執務室です」
レオン「なら、席を外している」
セシリア「椅子に座っています」
扉が勢いよく開いた。
受付職員「す、すみません! 止めたのですが……!」
その後ろから、一人の若い女性が顔を出した。
淡い金色の髪。
白い治癒師服。
胸元には王都治療院の紋章。
腰には薬瓶の入った小さな鞄。
見た目だけなら、品の良い治癒師だった。
ただし、その瞳はレオンだけをまっすぐ見て輝いていた。
???「レオン様!」
レオン「……フィリア」
フィリア「はい! 王都治療院所属、フィリア・ローレンスです! 今日もレオン様はご無事で何よりです!」
セシリア「今日も、とは」
フィリア「昨日も、一昨日も、明日もご無事でいていただきたいので!」
レオン「用件は」
フィリア「まずはお会いしたかったです!」
セシリア「帰ってください」
フィリア「まだ本題を言っていません!」
フィリア・ローレンス。
王都治療院に所属する若い治癒師である。
三年前、魔物に襲われた治療団をレオンが救ったことがあり、それ以来、彼女はなぜかレオンを強く慕っている。
治癒師としての腕は良い。
責任感もある。
子どもや怪我人への接し方も丁寧だ。
ただし、レオンが絡むと少し面倒になる。
レオンはそれをよく知っていた。
――苦手だ。
悪意がない分、余計に扱いづらい。
フィリア「レオン様、昨日は禁忌の森へ行かれたと聞きました! お怪我は? 魔力欠乏は? 毒は? 蜘蛛の糸によるかぶれは?」
レオン「治療は受けた」
フィリア「誰にですか?」
レオン「ギルドの治療師に」
フィリア「私ではないのですね……」
フィリアは胸に手を当て、少しだけ悲しそうな顔をした。
セシリア「治療師を指名制にしないでください」
レオン「それで、本題は」
フィリア「あ、はい」
フィリアは急に表情を引き締めた。
さっきまでの浮かれた空気が消える。
その切り替わりに、レオンは少しだけ目を細めた。
――仕事の顔か。
フィリアは鞄から一枚の依頼書を取り出した。
フィリア「これを、治療院の前で新人冒険者の方が持っていました」
セシリア「依頼書?」
フィリア「はい。王都治療院からの緊急薬草採取依頼、ということになっています」
セシリアは依頼書を受け取り、目を通した。
その表情が変わる。
セシリア「……これは」
レオン「どうした」
セシリア「ギルドの承認印があります」
レオン「俺は押していない」
セシリア「私も処理していません」
フィリア「治療院も、この依頼を出していません」
レオンは依頼書を受け取った。
内容は、一見まともだった。
王都治療院からの緊急依頼。
黒眠草の採取。
場所は旧水路跡。
報酬は銀貨二十枚。
新人でも受けられそうな採取依頼に見える。
だが、レオンはすぐに違和感を覚えた。
レオン「黒眠草を、新人向けに出すはずがない」
フィリア「はい。黒眠草は扱いを間違えると強い眠気と幻覚を起こします。採取にも知識が必要です」
セシリア「旧水路跡は、最近魔力異常の報告があった場所です」
レオン「報酬も高すぎる」
セシリア「新人を釣るには十分ですね」
フィリア「私が見つけた新人冒険者の方は、すでに仲間二人と向かうと言っていました」
レオンの目が鋭くなる。
レオン「誰だ」
フィリア「エミル・クロウさんと、他に二名です」
セシリア「昨日の新人講習にいた三人ですね」
レオン「出発は?」
フィリア「私が止めようとした時には、もう準備に向かっていて……すぐギルドへ来ました」
レオンは立ち上がった。
椅子が低い音を立てる。
レオン「セシリア」
セシリア「掲示板を確認します」
レオン「バルドを呼べ」
セシリア「はい」
フィリア「私も行きます」
レオン「駄目だ」
フィリア「怪我人が出るかもしれません」
レオン「だから危険だ」
フィリア「危険だから、治癒師が必要です」
レオンはフィリアを見る。
フィリアの目は真剣だった。
そこにあるのは、ただの憧れではない。
怪我人を放っておけない治癒師の目だった。
レオン「……俺の前に出ない。指示を聞く。勝手に動かない」
フィリア「はい!」
セシリア「嬉しそうにしないでください」
フィリア「レオン様と任務ですので!」
セシリア「不安ですね」
レオン「俺もだ」
フィリア「ひどいです!」
ギルドの受付前は、すでに少し騒がしくなっていた。
掲示板の端に、同じ依頼書が貼られていた。
しかも、正式な依頼と同じ紙を使っている。
受付職員「こんな依頼、貼った覚えがありません!」
セシリア「掲示板の管理記録を」
受付職員「はい!」
バルドが大股でやってきた。
バルド「偽依頼だって?」
レオン「ああ。新人が釣られた」
バルド「昨日講習したばっかりだろうが」
セシリア「だからこそ、報酬の高い採取依頼に引っかかったのでしょう」
レオン「急ぐぞ」
バルド「了解」
その時、訓練場の方から小さな声がした。
トト「……偽依頼?」
レオンはゆっくり振り向いた。
柱の陰から、トト・ミルクが顔を出していた。
レオン「トト」
トト「今日はちゃんと入口から来た!」
セシリア「来る許可は?」
トト「……ない」
バルド「堂々としてる分、悪化してねぇか?」
フィリア「あら、この子が噂のトトくんですか?」
トト「噂?」
フィリア「レオン様が大事にしている孤児院の問題児さん!」
トト「問題児じゃない!」
レオン「なぜここにいる」
トト「昨日の講習の続き、聞きたくて」
セシリア「マーサ先生には?」
トト「……」
レオン「帰す」
トト「待って! 偽依頼って何? エミル兄ちゃんたち危ないの?」
レオンは言葉を止めた。
トトは昨日の講習で、エミルたちと少し話していた。
新人冒険者に興味を持ち、冒険者の仕事を知ろうとしていた。
その相手が危険な依頼に向かったと知れば、気になるのは当然だった。
レオン「危ない可能性がある」
トト「俺も行く!」
レオン「駄目だ」
トト「でも!」
レオン「昨日の講習を覚えているか」
トト「……危ない時は勝手に動かない」
レオン「ああ」
トトは悔しそうに唇を噛んだ。
レオン「トト。お前には別の仕事を頼む」
トト「仕事?」
レオン「孤児院に戻って、マーサ先生に伝えろ。俺は少し遅れる。夕飯までには戻る努力をする、と」
セシリア「努力ではなく、戻ると伝えてください」
レオン「戻る」
トト「……それだけ?」
レオン「それと、エミルたちは助ける」
トト「本当?」
レオン「ああ」
トトは少しだけ迷った。
本当は行きたい。
自分も何かしたい。
だが、昨日の講習で言われたことを思い出す。
生きて帰る。
勝手に動かない。
危ない時は大人を呼ぶ。
トト「……分かった」
レオン「よし」
トト「でも、絶対助けてよ」
レオン「約束する」
トト「約束だからね!」
トトはそう言って、走り出そうとした。
セシリア「走らない」
トト「早歩き!」
今度は早歩きでギルドを出ていった。
バルド「ちょっと成長したな」
レオン「ああ」
フィリア「可愛いですね」
レオン「危なっかしい」
セシリア「両方です」
四人はすぐに旧水路跡へ向かった。
旧水路跡は、王都の南東にある古い石造りの水路だった。
昔は農地へ水を流すために使われていたが、今はほとんど使われていない。
湿った石壁。
苔むした足場。
昼間でも薄暗い通路。
黒眠草は、そうした湿った魔力だまりに生える薬草である。
ただし、採取方法を間違えると胞子を撒き散らす。
その胞子を吸い込めば、強い眠気と幻覚が襲う。
新人だけで向かう場所ではない。
バルド「足跡がある」
水路の入口で、バルドが地面を指差した。
三人分の足跡。
まだ新しい。
レオン「中に入ったな」
セシリア「急ぎましょう」
フィリア「はい」
レオン「フィリア、布を口に」
フィリア「黒眠草の胞子対策ですね」
セシリア「用意が早いですね」
フィリア「治癒師ですから!」
フィリアは少し誇らしげに言った。
レオンはその様子を見て、少しだけ評価を改める。
――浮かれているだけではないな。
水路の奥へ進むと、湿った空気が肌にまとわりついた。
壁には黒い草が点々と生えている。
先端に小さな灰色の胞子袋がついていた。
フィリア「黒眠草です。胞子袋が膨らんでいます。触らないでください」
バルド「新人ども、触ってねぇといいが」
その時、奥から声が聞こえた。
エミル「こっちですか!? いや、さっきもここを通ったような……」
新人冒険者1「なんか、壁が動いて見える……」
新人冒険者2「眠い……」
レオン「いた」
レオンたちは走った。
水路の曲がり角の先で、エミルたち三人がふらついていた。
足元には、黒眠草が数本折れている。
胞子を吸ったのだろう。
エミル「ギルドマスター……?」
レオン「喋るな。息を浅くしろ」
フィリア「すぐに解毒します!」
フィリアは三人の前に膝をつき、小瓶を取り出した。
フィリア「これを少しずつ飲んでください。眠気を抑えます」
エミル「す、すみません……俺たち……」
レオン「謝罪は後だ」
セシリア「周囲に魔力反応があります」
バルド「来るぞ」
水路の奥から、ぬるりと何かが動いた。
苔に覆われた石の隙間から、小型の魔物が何匹も這い出してくる。
黒い体。
赤い目。
背中には小さな黒い結晶のようなものが埋まっている。
セシリア「黒晶鼠……?」
バルド「鼠にしてはでけぇな」
魔物は猫ほどの大きさがあった。
十匹以上いる。
新人三人はまともに動けない。
フィリアは治療中。
セシリアは封印札を構える。
レオンは剣を抜いた。
レオン「バルド、左を」
バルド「任せろ」
レオン「セシリア、結晶を壊せるか」
セシリア「動きを止められれば」
フィリア「治療まで少し時間がかかります!」
レオン「ああ。こっちは任せろ」
黒晶鼠が一斉に飛びかかってきた。
レオンは一歩前に出る。
剣が低く走る。
一匹目、二匹目、三匹目。
刃は魔物の体ではなく、背中の黒い結晶だけを正確に砕いた。
結晶が割れると、魔物は力を失ったように倒れた。
バルド「相変わらず器用なことするな!」
レオン「殺さずに済むなら、その方がいい」
バルド「鼠相手にもかよ!」
レオン「元はただの獣かもしれない」
セシリア「黒い結晶の影響で凶暴化している可能性があります」
バルド「なら、壊せばいいってことだな!」
バルドは大斧の柄で魔物を叩き、動きを止める。
セシリアが封印札を投げ、結晶の光を鈍らせる。
レオンがその隙に結晶を砕く。
息の合った動きだった。
フィリアはその背中を見ながら、エミルたちに薬を飲ませていた。
フィリア「大丈夫です。ゆっくり息をしてください。眠くても、まだ寝てはいけません」
エミル「すみません……俺、依頼書をちゃんと見たつもりで……」
フィリア「反省はあとです。今は生きて帰ることを考えてください」
エミル「はい……」
フィリアの声は優しかった。
だが、強かった。
治療院で何人もの患者を見てきた者の声だった。
レオンは最後の黒晶鼠の結晶を砕き、周囲を確認する。
動く魔物はもういない。
だが、水路の奥には、まだ嫌な魔力が残っていた。
セシリア「この結晶、禁忌の森のものと似ています」
レオン「ああ」
バルド「偽依頼で新人をここに呼んだ。黒い結晶持ちの魔物がいる。偶然じゃねぇな」
レオン「誰かが試したのかもしれない」
フィリア「試した?」
レオン「新人冒険者が、黒い結晶の魔物に襲われた時どうなるか」
フィリアの顔が強ばる。
フィリア「人を、実験に使ったということですか」
レオン「可能性だ」
フィリアの手が震えた。
怒りによる震えだった。
フィリア「許せません」
レオンは少しだけ彼女を見る。
その声に、レオンへの好意は混じっていなかった。
治癒師として、人の命を粗末にされたことへの怒りだけがあった。
レオン「同感だ」
セシリア「依頼書の偽印、黒い結晶、旧水路跡。すべて記録します」
バルド「新人どもはどうする?」
フィリア「歩けるようにはしました。ただ、今日は安静です」
エミルはふらつきながら立ち上がった。
エミル「ギルドマスター……申し訳ありません!」
新人冒険者1「俺たち、報酬に釣られて……」
新人冒険者2「依頼書も、ちゃんと見たつもりでした……」
レオン「生きているな」
三人は顔を上げた。
レオン「なら、次に覚えろ」
エミル「……はい」
レオン「依頼書を疑え。報酬が高い理由を考えろ。分からなければ聞け」
新人冒険者たち「はい!」
レオン「今日は帰るぞ」
バルド「説教はギルドに戻ってからだな」
新人冒険者たちの顔が青ざめた。
セシリア「当然です」
フィリア「その前に治療院です」
レオン「その後、ギルドで説教だ」
エミル「はい……」
旧水路跡を出る頃には、空が夕方に近づいていた。
フィリアはエミルたちの様子を確認しながら歩いている。
先ほどまでの騒がしい雰囲気とは違い、今の彼女は完全に治癒師だった。
レオン「フィリア」
フィリア「はい、レオン様!」
呼ばれた瞬間、すぐに顔が明るくなる。
レオン「治療、助かった」
フィリアは固まった。
そして、みるみるうちに顔を赤くした。
フィリア「レ、レオン様に……助かったと……」
セシリア「仕事の評価です。落ち着いてください」
フィリア「家宝にします!」
セシリア「言葉は家宝にできません」
バルド「いや、こいつなら本当にしそうだな」
レオン「治癒師として、今後もギルドに協力してくれると助かる」
フィリア「もちろんです!」
フィリアは胸に手を当てた。
フィリア「レオン様のために!」
セシリア「ギルドのために、です」
フィリア「ギルドのために! そしてレオン様のために!」
セシリア「増やさないでください」
レオンは少しだけ頭が痛くなった。
――やはり面倒だ。
だが、必要な人材ではある。
王都に戻ると、ギルドではトトが入口で待っていた。
トト「レオン兄ちゃん!」
レオン「なぜここにいる」
トト「孤児院に戻った! マーサ先生にも伝えた! それから許可もらって戻ってきた!」
セシリア「本当ですか?」
トト「たぶん!」
レオン「たぶん?」
その時、後ろからマーサの声がした。
マーサ「本当だよ。ただし、夕飯までには連れて帰る約束だ」
レオン「マーサ先生」
マーサは腕を組んで立っていた。
フィリアが姿勢を正す。
フィリア「あ、あなたがマーサ先生……!」
マーサ「そうだけど」
フィリア「レオン様を育てた偉大なお方……!」
マーサ「レオン様?」
レオン「気にしないでくれ」
トト「この人、レオン兄ちゃん好き好きヒロインだって」
レオン「誰が教えた」
バルド「俺じゃねぇぞ」
セシリア「説明としては間違っていませんが、本人の前で言うことではありません」
フィリア「ヒロイン……!」
フィリアは少し嬉しそうだった。
レオン「嬉しそうにするな」
マーサはフィリアをじっと見た。
それから、ふっと笑う。
マーサ「治癒師かい?」
フィリア「はい! 王都治療院所属、フィリア・ローレンスです!」
マーサ「なら、子どもたちの様子も見てもらえるかい? 最近、無理をしている子が多い」
フィリアの表情が真面目になる。
フィリア「もちろんです」
マーサ「それなら歓迎するよ」
フィリア「ありがとうございます!」
トト「レオン兄ちゃん、ヒロイン歓迎されたよ」
レオン「治癒師としてだ」
フィリア「最初はそれで構いません!」
セシリア「最初は?」
フィリア「努力します!」
レオン「何をだ」
フィリアは答えず、にこにこと笑っていた。
その日の夜。
ギルドでは、偽依頼書の調査が始まった。
偽の承認印。
旧水路跡の黒い結晶。
新人を狙ったような依頼内容。
偶然ではない。
誰かが、ギルドの中に偽の依頼を紛れ込ませた。
誰が。
何のために。
そして、黒い結晶とどう繋がっているのか。
レオンは執務室で、偽依頼書を見つめていた。
セシリア「マスター」
レオン「分かっている」
セシリア「これは、ギルドへの攻撃です」
レオン「ああ」
セシリア「新人を狙った。治療院の名前を使った。ギルドの承認印を偽造した」
レオン「放っておけないな」
セシリア「はい」
窓の外では、王都の灯りが揺れていた。
ひだまり孤児院では、今頃トトが夕飯を食べながら、今日の出来事を大げさに話しているかもしれない。
マーサ先生に怒られながら。
エルやユアンたちと一緒に。
レオンは偽依頼書を机に置いた。
レオン「明日から、依頼書の流れを全部洗う」
セシリア「書類が増えますね」
レオン「……そうだな」
セシリア「フィリアさんにも協力を?」
レオン「治療院の印が使われている。必要だ」
セシリア「では、明日も来ますね」
レオン「……来るだろうな」
セシリア「嬉しいですか?」
レオン「助かるが、騒がしい」
セシリア「正直ですね」
レオンはため息をついた。
ギルドマスターを好きだと全身で主張する治癒師が現れた。
そして同時に、偽依頼という問題も発生した。
日常はまた少し騒がしくなる。
それでも、助かった新人たちは生きて帰った。
なら、今日の講習は無駄ではなかった。
レオンは静かに呟いた。
レオン「生きて帰ったなら、次がある」
偽依頼書の端には、黒い小さな染みが残っていた。
まるで、黒い結晶の粉がこすれたような跡だった。




