タロの回転 3
僕たちは二人の先輩のことを飲み会で話して笑い合った。タロ先輩の、あの妙に引っかかる間のことや、どこで立ち止まるのか分からない癖のことを思い出しては、なんとなく笑いがこぼれた。誰かが「あの人、何もしてないのに残るよな」と言うと、別の誰かが「いや、何もしてないわけじゃないんだよ」と曖昧に返して、それでも結局はよく分からないまま、また笑いが続いた。ペイさんの話になると、少しだけ空気が整うような感じがあった。無駄のない受け答えや、きっぱりと終わる感じのことを思い出して、「あの人がいると締まるよな」と誰かが言った。それに対して、「締めてるつもりはないんじゃないか」と誰かが言い、結局また曖昧なまま、しかし納得したような顔でうなずき合うのだった。そうして、タロとペイの話は行ったり来たりしながら、どちらがどうというわけでもなく、ただ名前だけが軽く回っているような時間が続いた。そのとき、ふとした拍子に、俺は思いついた。説明できるようなものではなく、ただ形だけが先に浮かんだような、そんな思いつきだった。俺は電話をかけるそぶりをして、少しだけ間を置いた。「タロロロロロロ。タロロロロロロ」誰かがくすっと笑った気配があったが、俺はそのまま受話器を取る動作をして、「ガチャ!」と口に出した。そして、ほとんど反射のように、「ペイ!!」と叫んだ。ほんの一瞬、場が止まった気がしたが、次の瞬間には笑いが広がった。その笑いは長く続くものではなく、すぐに別の話題に流れていったが、それでもどこかに残っているようでもあった。何が面白かったのかは、うまく言えない。ただ、タロからペイへと、何かが回ったという感じだけが、妙にはっきりしていた。




