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水茎はわらいなく  作者: いすみ 静江☆須能 雪羽(二名)
第一章 青の手紙
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四通目 りんごの香りに忘るる(ゆきは)

香水に化粧液と染め色の粉

りんごは美しさを生む魔法の果実


もうりんごを育てる必要はない

今日は西の森へと野駆けに従う

明日は東へ昨日は南へ

魔法を叶える腕を俺は買われた


黄金の髪には豊かな香りを

白い肌には透き通る潤いを

青い瞳の周りには赤い色を

美しき王女に俺は飼われた


途中で落とした空の色の鳥

枝に掛かって行方が知れない

探す時など王女には要らない

美しき王女に俺は魅せられた


城への帰路は速やかに厳かに

ふと覗いた窓からは物売りの娘

遠い記憶に残っていた

今はもう失われた名前


許してほしい俺の想いを

許してほしい裏切ったことを

宛名も書けない届かぬ手紙

せめて視線に乗せて送ろう


馬車は走る物売りなど置き捨てて

馬車は走る王女と俺を中に抱いて

許しを請うのももはやあるまい

美しき王女に俺は囚われた

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