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四通目 りんごの香りに忘るる(ゆきは)
香水に化粧液と染め色の粉
りんごは美しさを生む魔法の果実
もうりんごを育てる必要はない
今日は西の森へと野駆けに従う
明日は東へ昨日は南へ
魔法を叶える腕を俺は買われた
黄金の髪には豊かな香りを
白い肌には透き通る潤いを
青い瞳の周りには赤い色を
美しき王女に俺は飼われた
途中で落とした空の色の鳥
枝に掛かって行方が知れない
探す時など王女には要らない
美しき王女に俺は魅せられた
城への帰路は速やかに厳かに
ふと覗いた窓からは物売りの娘
遠い記憶に残っていた
今はもう失われた名前
許してほしい俺の想いを
許してほしい裏切ったことを
宛名も書けない届かぬ手紙
せめて視線に乗せて送ろう
馬車は走る物売りなど置き捨てて
馬車は走る王女と俺を中に抱いて
許しを請うのももはやあるまい
美しき王女に俺は囚われた




