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六ひらめ みだれし世の父母愛(ゆきは)
その少女は五つの歳
領地の内外に響き伝わる美貌の娘
男親は行商人
主家に逆らい身分を失った元剣闘士
少女の母は三十の歳
やはり美しく引く手あまた貴族の娘
されど騙された
立場を弁えぬ剣闘士に連れ出された
いかな戦士もいかな獣も
剣闘士は負けを知らない
ひとたび負けることが死を意味する
それが所詮は剣闘士の生きる世界
いかな貴族もいかな宝も
貴族の娘を誑かすに能わず
ひとたび想えば地の底までも共に行く
その激情を誰も気付きはしなかった
それは良いそれは良い
既にどちらも過去の存在
母は強情に死を選び父は娘を連れ去った
そのあとを追うは狩りの喜び狩りの興奮
必ずや獲物を我が手に
娘を将来の妻とせん




