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二十五通目 宝石のしるべ(こゆき)
母さんが産み落とした私
その時に亡くなった母さん
父さんは寡夫となり
私だけを育ててくれた
父さんの小指
似合わない青い宝石
黙っているけれども
母さんへの指輪だろう
料理屋の旦那をしていても
肌身離さない
青い宝石
父さん
私は料理屋の娘となった
仕事をして恩を返すのだ
ある春のよき日
お客様の青年から
テーブルにお勘定をいただく
二枚のコインが優しく置かれた
ふと見れば
封筒を忘れて
店を出ようとしている
お忘れ物ではありませんか
その声掛けに青年がはにかむ
促されて私が封をきると
父さんの青い宝石が入っていた
結婚の申し出を受け
きらきらした日々を送る
その二年後
可愛い女の子を産む
娘の名は
青い宝石にちなもう




