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3Dプリンターで異世界調査はじめました!  作者: しゅーる君
調査報告書③
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調査報告書③ ちょっとアレをお借りします

新しい剣を手に入れたけど、

新しい悩みも手に入れた。


サテラさんの事。

鉱山の魔石の事。

そしてソフィアの事。


ルポルさんが意地悪をしている訳ではない。

それは十分理解しているのだけれど、

なんかこうすっきりしない。


一度店を出たのだが

ナタリーさんの魔剣を返し忘れていたことを思い出して慌てて戻る。

「そんなものはおまけだ」ってルポルさんは言うけれど、

鍛冶師の腕は安売りしないんじゃなかったっけ?

ナタリーさんも予備の剣として使ってくれと言うので、

このお礼は日を改めてする事にしよう。

あの様子じゃ、ルポルさんは絶対に対価を受け取らないだろう。

マーサさんと喧嘩するのがよくわかる。

ともに生きていた事の方が不思議なくらいだ。


とにかく明日、いや今夜から行動を開始しよう。

話を聞く限り、そんなぼやぼやしている時間はなさそうだ。

ペトラは明日から学院の授業が再開する様だ。

今夜は実習期間中のレポート作成で徹夜だとか泣いてたな。

アンととソフィアは何も予定は無いか。

同行させるのならばこの二人になるな。

ビリアンティさんの特訓の成果も見てみたいところではある。

ソフィアの場合は索敵技術と魔素コントロールの鍛錬だから、

驚くような進歩はないのかもしれないけど、

置いてきぼりをくらうと、

ベットで壁に向かって体育座りをしてそうだからな。

まぁ、ペトラには学校を最優先してもらう事にしよう。


モンスターハウスに戻ると、

サルドウスさんとビリアンティさんが待っていた。

ポーさんのはからいで、

ビリアンティさんとウチの女性陣がお茶会を楽しんでいたらしい。

このところの稽古の打ち上げと、拠点(ホーム)のお披露目もあったのだろう。


ルポルさんから追い返された後、

サルドウスさんをみつけてこのお茶会に至ったのだとか。

まぁ、アンヤペトラ、そしてソフィアがいるのだ。

それに、ポーさんなんか見た目はソフィアより小さいけど、

大人びた顔立ちにその体に不釣り合いな戦闘力を有している。

この変態野郎(ロリコン)はギャップ萌えとか言いそうで怖い。

さらにマリルーさんという同じようなのかもう一人いるとなると、

いったいどういう反応を示すのか、一抹の不安がある。

少なくとも彼が邪魔だと思っているのは、

僕とビリアンティさんであることは間違いないだろう。

変態野郎(ロリコン)がここに永住するとほざきだしたら、

すぐストーンゴーレムを起動して強制排除してやる。


アールグレイっぽいお茶に、

皿いっぱいに乗せられた焼き菓子。

英国式のアフタヌーンティーを思わせる。

さすがに3段重ねのティースタンドはこちらには無いようなので、

プリンターが使えるようになったら作ってみよう。


「おっ、ルポル翁の剣か、見せてみろ!」


先ほどの屈辱をはらすべく、

真っ先に僕の剣を取り上げたサルドウスさん。

いざ鍛冶師マイスターの刀身みたり。

って思ったのだろうが、

どんよりとした鈍色(にびいろ)にくすむその剣に、

なにやらガッカリとした表情が見て取れる。

「そうか魔剣か!」といって、魔素を剣に纏わせるが、

さらに鈍色(にびいろ)がくすみ、

今にも雨が降り出しそうな様相となった。

なるほど、ルポルさんがこの剣は人を選ぶってのがよく理解できた。

サルドウスさんには悪いけど、

この剣は僕の為に作られた剣というより、

全属性適合者専用の剣ということなのだろう。

まぁ、使えるのは僕と兄さんだけなのかもしれない。


「こう使うんですよ」


サルドウスさんから剣を受け取り、

僕の魔素を刀身に流し込む。

養分を吸い上げ細胞の一つ一つに魔素を運ぶかの如く、

葉脈のような魔素回路が光を放つ。


「・・・なんだこの剣は」


魔素剣(マナソード)ヴェインです」


アンやペトラは良くわからないようだったが、

ビリアンティさんとソフィアそれにポーさんは、

この剣の持つ底が知れない恐ろしさに気がついた様子だ。


「まぁ、お茶会に剣の話は無粋でしょう。そうだビリアンティーさん。近々引っ越し祝いをやりたいんです。ポーさんのお許しを頂ければなんですが・・・」


「はい、是非お使いくださいませ。マリルーが腕によりをかけておもてなし致しましょう」


「ということなんで、明日とか明後日とか如何でしょうかね」


サルドウスさんと顔を合わせるビリアンティさん。

なにか予定でも入っているのだろうか。


「明後日からクエストを受けちまってる。今度のクエストは聖都の外まで足を延ばさなくちゃなんねえ。招かれるのならば明日がいい。トリスカイとセダは予定なんてある訳ないからな。アンちゃんやペトラちゃん。それにソフィアちゃんに会えるってだけで飛んでくるさ」


・・・それは貴様の事だろう。


「それじゃ、明日の夕方。美味しいお酒を沢山準備してますからね、ビリアンティさん」


「もう、すっかり酒呑の烙印おされちゃったわね。否定はしないけど」


・・・しないんだ。


「わぁ、わたしホームパーティーって憧れだったんだぁ!」


ペトラが黄色い声をあげた。


「俺もホームパーティーには憧れているんだぁ♪」


サルドウスさんも黄色い声をあげたが、

こいつの目的は絶対に他にあるだろう。

美少女たちがいるホームパーティー限定だって顔に書いてある。


さすがにビリアンティさんの肘鉄が彼の脳天に落ちたところで、

変態野郎の妄想モードは終了した。


さて、明日は忙しくなるな。

酒や食材の準備をしなくてはならない。

食費は生活費として前渡金を預けているけど、

こういったパーティーは都度お金を渡すことになっている。

何事も契約とルールを重んじる精霊らしい取り決めだ。


酒は僕が直接買い付けるとして、

食材は誰が買い出しに行くのかというと、

ミスリル製の人型ゴーレムだ。


見た目はブリキの人形のようだが、

この屋敷を出ると、品の良い良家のメイドに見えてしまう。

これも精霊魔法の一種なのだろうか。

さすがにコピーできなかった。

まぁ、料理についてはゴーレムとマリルーさんにすべて任せる事にしよう。



「ポーさん、ちょっといいかな」


「ボーズ様、何事でしょうか」


「今夜、屋根にいるアレ、1匹借りたいんだけど」


「それは構いませんが、夜のお散歩でしたらガーゴイルは不向きでございますよ。飛べる範囲は上層内部の結界内空域だけでございます」


「でも、それを超えれれば長距離の飛行も可能なんだよね」


「ええ、魔素を尽きない限りは飛行できますか・・・」


「長距離移動になると思います。どちらのガーゴイルが適任でしょうか」


「それでは東側にいるガーゴイルをお使いくださいませ。西側のガーゴイルは戦闘に特化したもの。東側は警戒用に作られておりますから」


「・・・この話は内密に願いますよ」


「なにやら面白そうなお話ですこと♪」



今夜、ガーゴイルをお借りいたします。


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