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3Dプリンターで異世界調査はじめました!  作者: しゅーる君
調査報告書②
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閑話 調査報告できません

酔いつぶれた雷帝の剣の男性3人を、

ソフィアの浮遊板(フロートボード)に乗せ、

ビリアンティさんが強制的に連れ帰った。

あいつら本当にダメンズだな。

酒の量を一番多く呑んだのはビリアンティさんだったけど、

乱れる気配は微塵もない。生粋の酒飲みなのだろう。


まぁ、剣が出来上がるまでの間、

思わぬかたちで修行できることとなった。

僕もそうだが、アンも上級冒険者から教えを乞うという経験がない。

その点、学校に通っているペトラとは大きく違っている。

人への警戒心が強いアンにとって、

気心の知れたビリアンティさんなら、

アンの先生としては適任なのだろうな。


さて、お腹がいっぱいに満たされたのなら、

柔らかい枕に顔を埋めて眠りたいというのが、

人間だれしも抱く欲望であろう。

本来であればすぐさまされを実行に移すべきところなのだろうが、

今夜の僕には解決すべき問題がまだひとつ残っている。

金獅子亭はシングルベットが2台しかない部屋ひとつしか予約されていないという事だ。

少し前、アンとペトラとこのような状況になった時、

ベットをくっつけて3人で寝ようという事になったが、

結局のところ折り合いがつかず、魔法(禁呪)まで使って床で寝る羽目になった。

ペトラが言ってた「初めての尻尾事件」は、その時の弊害である。


まぁ、こんなこともあろうかと、

さっきマーサさんの宿にも年間契約で部屋をひとつ押さえてある。

田舎の開拓村では食堂としては繁盛店でも、

宿屋としては稼働率が悪いだろう。

年間契約なんてストック収入は、

マーサさんもありがたいはず。

子供たちの件のお礼でもあるんだけどね。


支配人に確認したところ、

本日も金獅子亭は満員御礼。

もうひと部屋借りる余裕はない。

マーサさんの安宿も、部屋にはベットがふたりだけ。

改装中という事もあり、今夜は部屋が一つしか空いていない。


さてそこで問題だ。


【問題】

金獅子亭のベット2つ。

石の家のベット2つ。

移動は魔法を使うとして、

誰と誰がどちらに泊るのでしょうか。

※途中の計算式も記入する事


うーん、なかなか難しい問題だ。

はたして答えが存在するのだろうか。

まずは組み合わせから考えよう。


ケース①

僕とアン。


さきほど散々蹴られたのでなんとも気まずくなることだろう。

病み上がりのアンとペトラには葡萄ジュースを頼んでいたのだが、

さきほどからジュースを飲むぼとに、

顔が赤くなっていったアン。

不思議に思いそのジュースを一口飲むと、なにやらアルコール臭がする。

ネラちゃんにこれは本当に葡萄ジュースなのかと尋ねると、

プンプン怒りながら私の仕事に間違いはないと豪語する。

そのジュースが入っている瓶を見せてくれと頼んだら、

「ごめーん。この葡萄ジュース、ちょい古かったみたいで醗酵しちゃってた♪」

ドブロクになっていた。

このドブロク。アルコール度数が思いのほか高かった。

アンとペトラが忽然と暴走を始めたのは、

きっとこれが原因だろう。


それに魔王からうけた傷が治ったとしても、

心の傷は癒えてはいない。

ペトラとお風呂で気分転換させたものの、

その傷が癒えるにはまだまだ時間が掛かる事だろう。


祠堂では感極まって抱きつかれたのだが、

部屋で二人きりになったとすれば、

アルコールとの相乗効果が発揮され、

アンらしからぬ大胆な行動を起こしかねない。


しかも風呂上がゆえなのか、

今日は妙に色気がある。

戦闘力こそ変わりないが、

子供以上大人未満という、

【完全な不完全】のギフトを発動している。

ロ▲コ▲じゃない僕であっても、

その無敵のギフトに(あがな)う事は難しい。


僕のベットに入り込まれでもすれば、

あんなことやこんな事をしてしまう危険性極めて大である。

そして●●●(ぴーー)●●●●(ぴーーー)に僕の●●●●●(ぴーーーー)●●●●(ぴーーー)すれば、

きっと行き着く先は天国となる事だろう。


【マスター、そんな事したらサテラ様の隷属契約により地獄行きですよ】


取り乱しました。

とにかくアンと二人きりというのは危険性が高い。


ケース②

僕とペトラ


【私の初めて男性(ひと)】と言われタコ殴りにされたのはほんの1時間前だった。

確かにペトラの尻尾を触ったことは間違いないけど、

そんなに大切な尻尾であるのならば、

あんな無防備に垂れ下げないでもらいたい。

目の前にあのようなモフモフがぶら下げられたら、

誰だって触ってみたいと思うはずなのだ。

ペトラとの出会いがあんな感じのものだったから、

最初こそ大人しかったのだけれど、

基本的にペトラはおしゃべりで明るい性格だ。

これが自分の信じる事と決めたら梃子でも動かない。

そんな頑固さも持ち合わせている。

そのペトラが僕たちと一緒にいたいと言ってくれた。

僕もその事は嬉しく思っているのだけれど、

「責任取ってくださいね」という言葉が気にかかる。

アルコールとその場の雰囲気にのまれていた可能性は高いが、

なにせペトラは14才。

この国の法的にも未成年であり、

僕のモラル的にも完全アウトの領域だ。

それが激しい思い込みで予想を超える行動に打って出るとも限らない。


年齢もさることながら、アンと同じ程度の戦闘力。

その点で僕はブレることが無いのだが、

どうしても我慢できないことがあった。


【あの耳をどうしても触りたい】


ふっと息をかけるとピクっと反応したじいちゃん家の猫。

ふっふっと2階息を吹きかけると、ピクっピクっと2回反応してたっけ。

尻尾であのくらい反応するペトラの感度。

悩ましいくらい高性能だ。

あの栗色の髪の毛に隠れている黒い猫耳にふっと息を吹きかけたい。

その欲望は日に日に高まっていくことを僕はもう抑えきれない。


【・・・死ねばいいのに】


【ナビシステム・オフ】


ぶちっ。


とにかく隣で寝ているだけなら問題はないが、

感情が高まって、ベットに潜り込まれたりもすれば、

あの猫耳をめちゃくちゃにしてしまう可能性があるから危なすぎる。


うん。

ペトラもダメだな。


ケース③

僕とソフィア


まぁ、昨夜も一緒に寝ているんだけどね。

問題になるとすれば、ソフィアから襲われるというよりも、

嫉妬したアンとペトラから僕が殺される可能性が高いって事だろうな。

今日は公衆浴場につれていってあげられなかったけど、

明日養成学校(アカデミー)の訓練から帰ってきたら、

みんなで汗を流しに行ってみるのも悪くはない。

ここのマナーも教えなくてはいけないし、

アンとペトラを敵に回すって事は、

ソフィアにとっても良いことでは無い。


それにペトラだけをのけ者にするってのは止めにしたい。

ベットに座って壁に向かって体育座り。

あのシュールな光景は僕の中でトラウマになりつつある。


小さいカラダに似合わない戦闘力を有しているが、

あの幼い顔立ちではとてもストライクゾーンとはいえない。

となりのベットで寝ていようが、

同じベットで寝ていようが、

僕から間違いを犯すことはないだろう。

むしろ夜中にこっそり僕の魔素を吸いつくしている可能性の方が高い。


という事で、ソフィアの事を考えればコイツもダメだな。


うーん、全通りでダメ出しする事になったか。

こうなったら全員からの承諾を得て、

くじ引きという線で決定するしかないのか・・・


「おい、お前ら。今からクジで部屋割りをする・・・」


くかーっ。

くかーっ。

くかーっ。


「ちょっとボーズさん、片付けられないから、はやくこの3人撤収してよね撤収!」


あたりを見渡せば食堂に残っているのは僕たち4人だけ。

アンとペトラとソフィアの3人は、

椅子にもたれ掛かり夢の世界に旅立っている。


【・・・空間転移(テレポート)


石の家のベットを繋げ、

3人を荷物のように放り投げる。

まったくおきる気配はない。

相当なアルコール臭がしている。

いったいどんだけ飲んだんだコイツら。


僕だけ金獅子亭に戻ろうかと思ったけれど、

眠っていたアンから不意にローブの袖を握られる。

もちろんぐっすりと眠っているのだから、

偶然握ったものなのだろう。


壁に向けてじゃなかったけれど、

この日僕はこの3人娘を眺めながら、

体育座りで眠りにつくのであった。





















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