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3Dプリンターで異世界調査はじめました!  作者: しゅーる君
調査報告書③
100/539

100話記念 聖都で桃狩りに出かけましょう

引っ越し祝いがつつがなく開催された。

雷帝の剣のメンバーも、沢山の差し入れを手にやってきてくれた。

といっても、そのほとんどは自分が飲みたい酒だったが・・・


ビリアンティさんは、お気に入りのワイン。

サルドウスさんはアルコール度数の高い蒸留酒。

セダさんはエールを大樽ごと抱えてきた。

トリスカイさんは秘蔵のドワーフ御用達の火酒を手にしていた。

あんた変人だけどエルフだろう。


ポーさんとマリルーさんも大忙しだ。

こんなに大勢の人が来たのは60年ぶりらしく、

ゴーレムを3体起動させて料理を手際よく作り上げていた。

彼女たちには突然事で申し訳なかったのだけれども、

なんだか文句を言いながらも嬉しそうにしているその様に、

少しだけほっと胸を撫で下ろす。


ペトラは明日も学校に行かなければならない。

レポートがまだ完成していないらしく、

お酒は最初のひと口だけといってたのに、

ビリアンティさんに注がれるまま、

酒に呑まれていくのであった。

あとで回復魔法をかけててやろう。

二日酔いで学校に行かせたら、

退学になったらシャレにならない。


アンとペトラが魔乳・・・もとい、

魔女のビリアンティさんにつかまっている頃、

ソフィアはトリスカイさんとセダさんの二人を一手に引き受けている。

見た目は完全に父親と子供の関係だが、実際は孫と老婆の年の差がある。

真実とは時に無情なくらい残酷なものなのだ。


意外にもサルドウスさんは静かに酒を飲んでいた。

グラスに魔法で作り出した氷をまわし、

淡々と強めの蒸留酒をロックで流し込む。

一見、ダンディな大人を気取っているようだが

この人がひとり静かに酒を飲んでいるのは、

ソフィアやペトラ、そしてアンの様子を()でながら、

それを肴に酒を飲んでいるからだろう。

彼こそ変態中の変態(キングオブキングス)なのだから。


「なぁ、ボーズ。可愛い女の子たちに囲まれて生活できるなんて、女神がそれを許しても、俺は貴様を絶対に許さねぇ・・・」


「なに笑顔でとんでもない事言ってるんです。だいたい師匠にはビリアンティさんって完熟たわわな超絶美女がいるじゃないですか」


「ふっ、果実は青いほど美味である」


やはりこいつの正体は筋金入りの変態野郎(ロリコン)だ。

納得いかないもやもや感を晴らすべく、

つい酒を腹の中に流し込む。


もともと僕は酒が強い方ではい。

ビールならばジョッキ1杯。

薄めのハイボールの方が好みだった。

しかし、この世界で手に入れたこのカラダ。

ワインをボトル1本程度飲んだくらいじゃ酔った感覚がない。

記憶を無くしたという事も一度もない。

まぁ、お金がなくてそこまで深酒をしたことが無いから断言はできないけど。


とにかく、ビリアンティさんのようなスーパーボディをお持ちの女神様より、

うちの発展途上の娘たちのほうが良いというのは、

なんだか無性に腹立たしく思える。


「なんだ、ボーズは完熟派か」


「普通はそうでしょう。あんた達のほうが変なんですよ」


「おいおい、師匠からあんたに降格かよ。そんなにアレが好きか」


「はい、断言します。僕は●●●●(ぴーーー)星人ですから」


それを聞いて、サルドウスさんがアン、ペトラ、サフィアの順番で、

娘たちの戦闘力をチェックしていく。

思わず特大の対消滅弾をぶち込みそうになったけど、

ここはなんとか堪えることが出来た。


「なるほど、そういう事か。この天国のような環境がお前にとってはそうじゃないってことなんだな」


「ここだって天国だとは思ってますよ。うちの娘たちはみんな可愛いですからね。ただその、戦闘力は無い物ねだりというか、発展途上というか。僕のストライクゾーンまであと何年かかるのか分かりませんからね。もちろん何年たっても現状維持という悲惨な結果もある訳ですよ」


「むしろツルペタ最高じゃねえか」


「ええ、あんたが変態野郎だって事はよく理解できました」


僕が顔を真っ赤にしてサルドウスさんの性癖の方がおかしい事を抗議すると、

わかったわかったとでも言いたげな表情をうを浮かべる変質者。

都合の良い時だけ大人ぶるのは止めてほしい。

サラリーマン時代の50才になる上司が、

「俺には未だ少年の心が生きている」ってほざいた時。

さりげなく椅子に画びょうを仕込んだことを思い出す。


「ボーズはまだまだガキだってことが分かっちまった・・・」


「人の底が知れたみたいな言い方やめてくれませんか?」


「しょうがねえなぁ。そんなにストレスが溜まってんならよし、今夜連れて行ってやる」


「・・・どこにですか」


「俺の趣味には合わん店だが、師匠が好きでよく連れていかれた店なんだが・・・」


「師匠って『雷帝』と呼ばれていた人の事ですか?」


「ああ、無類の巨乳好きでな、死ぬ間際まで『願わくば挟まれて旅立ちたい』とかいう変態だった」


「いや、なかなか興味深い話ですね。ご存命なら今すぐ弟子入りします」


「その師匠行きつけの店が下層にあるんだが、引っ越し祝いがお開きになったら行ってみるか?」


「はい師匠。聖都で『桃狩り』を体験できるとは思いませんでした。師匠に忠誠を誓います♪」


こうしてサルドウスさんと、秘密の計画が立てられた。

まさか聖都にそんな素敵なお店があるとは思ってもみなかった。

といっても、最近までお金に余裕はなかったから、

必要最低限の行動しかしていなかったもんな。

特に夜の街の探索などもってのほかだ。

聖都では、そういった娼館や風俗店らしき店などお目にかかることは無かった。

もっとも、治安の都合で大通りを中心に移動していたから、

聖都の路地裏の顔は全くわからない。

その闇の部分を調査できると思うと、

前身の血がたぎりカラダの奥が熱を帯びるのがわかった。

そうだ。これが調査員の本能か!


【興奮して血圧が上昇しているだけです。このスケベ野郎が】


(システム・オフ)


ぶちっ。


これで最大の不安要素は解消された。

あとはアンとペトラとソフィアの目を掻い潜り、

変態師匠とここから脱出するだけなのだが・・・


チラリ、アンの姿を確認すると、

すぐさま僕の視線に気がついたようだった。

昨夜・・・というより今朝の話なのだが、

アンの唇を奪ってしまった訳で・・・


朝食後、支援物資の買い出しやら届け物やら、

エリザベスさんへの報告と引っ越し祝いの買い物など。

一日中アンを連れまわしていたのだけど、

そのことについて、お互い一言も触れることが無かった。


まぁ、意識すれば気まずくなるかもと、

わざと多忙を演じたところがあったのだが、

アンはあのことをどう思っているのだろう。


「なんだボーズ。怖気づいたのか?


「いえ、そんなことは無いですよ。ただちょっと桃を狩るには早いような気がして・・・」


「ふーん、ところでなんだな。今日はなんだかアンちゃんが妙に色っぽくないか?」


口に含んだワインを豪快に吹きこぼす。


「ゲホゲホっ」


「長年美少女を観察してきた俺だからわかる。あれは女になった証だ・・・」


「証ってなんです。ここまでが少女でここからは大人の女性って区切りは無いでしょう」


「ありゃ、男を知った仕草だ。抱かれなけりゃあの色気は出すことは出来ねぇ」


「そんなバカな。いくら師匠が変態野郎(ロリコン)でも、それは間違ってますよ」


「なぜそう言い切れる?」


「だってアンとはまだキスしかしていないんですから!」


「「「「「「「「 えっ? 」」」」」」」」


陰の風が吹き、滅の雨が降る。


サルドウスさんの大検が僕に振り下ろされ、

寸でのところで白刃取りでかわすと、

後ろからサルドウスさんとセダさん。

それにビリアンティさんからボコボコにされる。

ペトラは気を失って倒れているが、

酒に酔って倒れている事を願うばかりだ。

幸いソフィアはワインをボトルでラッパ飲みの真っ最中。

アンといえば・・・真っ白になって固まっている。

まぁ、無理もないか。


とにかくアンとの大切な日だったのに、

変態野郎と桃狩りに出かけようとした罰が当たったという事なのだろう。



失敗してもいいじゃないか。

ちっぱいでもいいじゅないか。


人間だもの・・・









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