【怪異シリーズ(髪の長い女編)】
万「ん~!! 警備のバイト、さすがに20時まではキツかったな~」
?「あ、見つけた!!」
万「わ!! びっくりした……。何か用ですか?」
?「あ、ごめん、人違い。驚かせてごめんね」
万「ああ。えと、迷子ですか?」
?「私が迷子? アハハ、そんなわけないじゃない」
万「え、ああ、そうなんですか。じゃあ、人を探してる途中?」
?「そうね。あなたぐらいの背丈の男の子を探してるのよ。どこではぐれちゃったのか分からなくてね」
万「でも、もう夜ですよ? 電話してみるとか、知り合いに聞いてみるとか……」
?「ごめんなさいね。私、スマホ持ってないのよ。持ってても使えないしね」
万(使えない? 珍しい人だな)
?「君、名前は?」
万「あ、小菊万です……」
?「そう。私は梅白 霊音。霊ちゃんって呼んでいいわよ」
万「梅白さんは、どのあたりに住んでるんですか? 人探し手伝いますし、良ければ送っていきますよ」
霊「まさかの無視!? 霊ちゃん傷ついちゃったわ~」
万(うわ、面倒な人に声掛けちゃったかも)
霊「ちょっと、そんなに嫌そうな顔をされると、本当に傷つくんですけど……」
万「ああ、すみません」
霊「敬語じゃなくていいわよ? 私も敬語じゃないし」
万「じゃあ、梅白さんの探してる人とはどこではぐれましたか?」
霊「それが分らないのよね~。いつの間にか居なくなっちゃって」
万(いつの間にか居なくなったのは、梅白さんの方なんだろうなぁ)
霊「送ってくれるって言ったけど、私、帰り道も知らないのよ」
万「え? 家の住所とかは……?」
霊「分からないわ。私は居場所を持てない。だから覚えていられないのよ」
万(居場所を持てない? どういう意味だろう……)
霊「まぁ、適当な時間になったら呼ばれると思うから、もう少しその辺をさまよってるわ」
万「いやでも、危なくないですか!?」
霊「心配はありがとう。けど、私は大丈夫だから」
万「……すっごく失礼なことを聞きますけど、梅白さん、人間ですか?」
霊「私が人間以外の何かに見えるの?」
万「さぁ。けど、すくなくとも見た目は人間だ。本質は分からないけど」
霊「アハハ。あなた、鋭いのね。面白い子だわ」
万「はぐらかさないでください。宇宙人? ロボット? 俺の幻覚? あなたは何なんですか!!」
霊「私は何者でもないのよ。生きてもいないし、死んでもいない。そして、どちらでもないわけでもない。どちらかであるというわけでもないけれどね」
万「どういう意味ですか!! 生きてる……死んでる……?」
霊「ごめんなさいね。私のダーリンがお呼びのようよ。また会えたら会いましょうね」
万「アナタは何なんですか!? ただの夢……!?」
霊「夢なんてロマンチックなものじゃないわよ。幻覚なんていう無粋な物でもないけどね」
万「き、消えた……!!」
万「今のって、何だったんだろう……」
万(本物の幽霊? ま、まさかね)




