【合法ロリVSロリコン超能力者先輩】
ち「先輩、なんか、久しぶりですね……」
万「そう、だね……」
ち「覚悟、決まりましたか?」
万「大丈夫。もう、怖くないよ」
ち「アハハ……。正直な話、私はまだ怖いですけどね」
ち「私、ずっと考えてたんです。私は先輩を好きだけど、先輩は、私でいいのかなって」
ち「先輩が好きなのは、小さくてかわいい女の子で、私である必要はないんじゃないかなって。むしろ、私みたいに面倒な性格と付き合うのは、迷惑かけちゃうんじゃないかなぁとか考えてて」
ち「それでもやっぱり、憧れが捨てられないんですよ。先輩が間近で花火を見せてくれた時、誘拐犯から助けてくれた時、毎日勉強を優しく教えてくれた時、あのトキメキを忘れたくないです」
ち「私は、ずっと子供のまま変わらないですけど、それでもいいですか?」
万「もちろん。俺は、いつだって君を守る。それは、どんな時も変わらない」
万「むしろ小桜さんは、俺でいいの?」
ち「いまさらな質問ですね。まぁ、ちょっとエッチで、セクハラが多くて、幼女相手なら誰にでも優しくて、幽霊が苦手で、信頼されたり、好かれたりするのが苦手な先輩ですけど……」
ち「でも、私は、そんな先輩が一番好きです」
万「ああ、そっか……。人に好かれるって、こんなに嬉しい物なんだ……。今まで逃げ続けてた、人の温かさって、こんな感じなんだ……」
万「うん。小桜さんの感情は本物なんだなぁ……。俺が自分勝手な超能力で作った物じゃないって、すごく伝わってくる。なんていうか、嬉しい……」
万「ずっと、考えていた。もし、小桜さんの気持ちを信じることが出来たら、ある場所に連れて行こうって、自分の感情に気づいてから考えてた」
ち「ある場所……?」
万「小桜さんは、月は好き?」
ち「まぁ好きです。けど、まだ昼間で月が出るような時間じゃないですよ」
万「そうだよ。でも、俺にしか見えない景色がある。一緒に行ってくれる?」
ち「……ええ、いいですよ。ずっと、先輩の隣に居ます」
月面にて……
万「俺の手、離さないでね。死んじゃうから」
ち「月を見に行くんじゃなくて、月に来るんですね!?」
万「告白するなら、誰も居ない場所って決めてたから。それに、ロマンチックでしょ?」
ち「まぁ、超能力者が告白する場所って考えたら、ロマンチックですね」
ち「だって、こんなにきれいな景色、私と先輩以外誰も見れませんよ!!」
万「俺はさ、超能力を嫌いになったことはないけれど、怖くなったことは何度もある。目の前の人が、俺の超能力で都合のいいように動かされてるって考えたら、ゾッとするでしょ?」
ち「そうですね」
万「この世界が、俺にとって都合のいい思い込みかもしれない。何かアクションを起こさなくても、小桜さんとの未来は変わらない。だったら、あやふやなまま過ごしたっていいだろうって思ってたんだ」
ち「私も、私の我儘で先輩を困らせるぐらいなら、適度な距離間のままで……って思ってましたよ」
万「でもそれじゃダメなんだ。たとえ未来が見えていたとしても、今、行動しない理由にはならない。小桜さんの感情を否定する理由にはならない。だから、改めて言わせてください」
万「小桜ちよさん、俺は、あなたが好きです。どうでもいいことにケチをつけて、子供みたいなことを言ったり、お姫様に憧れていたり、嫌がりながらもコスプレに付き合ってくれる貴女が。いつも笑顔で、俺を好きだと言ってくれるあなたが、ずっと好きでした」
万「付き合ってください!!」
私は、目に涙を浮かべて差し出された手を握り返した。
返事はずっと前から決まっている。
「ハイ!! こちらこそお願いします。先輩、大好きです!!」
氷のように冷たい手を握り締める。ふわりと笑う先輩に力強く抱きしめられると、ボロボロとうれし涙が零れてきた。
月での告白なんて、世界で私だけだろう。
どんなお姫様だって体験できない、私だけの経験だ。私のことを好きな先輩が、必死に私を喜ばせようと思って考えたに違いない。
だからこそ、今夜の月は美しい。
万「小桜さん、帰ろうか」
ち「もう少しだけ、先輩と2人きりがいいです」
万「小桜さん、月が綺麗ですね」
ち「2人で見てるからじゃないですかね」
万「小桜さん、すごく暖かい。体も、心も」
ち「逆に先輩は冷たいですね。私の体温、あげますよ」
ち「体温だけじゃない。全部、あげます。私があげられるもの、全部あげます。だから、ずっと隣に居てください。私から、離れないでください」
万「合法ロリVSロリコン超能力者は、どっちが勝ったと思う?」
ち「さぁ? まぁでも、両方勝ちでいいんじゃないですか?」




