【親友と恵方巻】
万「さて、今日は節分なわけだけれど……」
愛「さすがに豆まきをする許可は下りなかったね」
楓「妙にリアルな鬼のお面を持ってきた椛先輩は生徒会に連れていかれましたし……」
ち「恵方巻だけでも食べます?」
愛「お昼食べたし、私はいらないかな」
万「俺は昼抜いたから食べられるよ!!」
楓「それは誇るべきことじゃないですけどね!?」
ち「相変わらず不健康ですね」
愛「特に万と椛の食生活はひどいからね」
楓「椛先輩は食が細いだけで、まだマシだと思います……」
ち「先輩は偏食家で無頓着ですからね。目を離すと餓死してそうです」
万「そこまで酷くはないよ。たまに食べ忘れるけど」
愛「それが一番の問題だよね……」
楓「じゃあ、小菊先輩と私は恵方巻を食べますか。今年の恵方どっちでしたっけ?」
ち「私は恵方巻、半分でいいかな。1本は食べきれない……」
万「そうなの? 俺と半分する?」
愛「昼食べてないんでしょう? せめて1本は食べきろうよ」
楓「ちよが残した分は私が食べるんでいいですよ。で、恵方はどっちですか?」
愛「えーと、たぶんこっちの方かな?」
万「そういえば、去年は皆で豆食べたよね」
愛「そうだっけ? あ、椿先輩が大量に持ってきた落花生の話?」
万「そうそう。あれ、食べきるのに苦労したよね」
ち「この部活、いつも食べきれなくて大変な思いしてません!?」
愛「っていうか、椿先輩が落花生持ってきたのは3月だよ」
楓「3月? 節分終わってますよね?」
万「そんな変な時期に落花生買うかなぁ?」
愛「だから、節分で食べきれなかった分を私たちに押し付けたんだよ」
万「ああ、そうだったそうだった!!」
ち「それ、食べきれたんですか?」
愛「いや、ダメだったから、依頼に来た生徒に配ってたよ」
万「しばらく『超能力研究会』じゃなくて『豆配り同好会』って呼ばれたね……」
ち「……今年はそんな呼ばれ方しませんように!!」
愛「無理じゃないかな。校長先生も豆を買ってたような気がするし」
万「ある意味来年の3月が楽しみだね……」
楓「あの、それより、そろそろ恵方巻食べませんか?」
万「え、別に先に食べててよかったよ」
楓「もしかして、お喋りしながら食べるつもりでした?」
愛「そういえば、無言で食べきれなきゃいけないんだっけ?」
楓「そうです!! 全日本恵方巻愛好会の威信にかけて、今回の節分も完ぺきにこなしますよ!!」
万「ええ、ちょっと大げさじゃない?」
楓「大げさじゃありません!! 今年1年の運命が決まると言っても過言ではないんですよ?」
愛「たしかに、食べ物を蔑ろにするのは良くないよね」
万「そもそも全日本恵方巻愛好会って何? そんな組織あるの?」
楓「ないです。私が勝手に言ってます」
ち「あ、それ聞き覚えがあると思ったら、去年も同じこと言ってたね!!」
楓「去年は、世界恵方巻連盟って言った」
愛「節分は日本とか中国の文化なのに、世界連盟があるわけないでしょ……」




