【超能力先輩と雪】
ち「じゃあ、いってきまーす」
母「ああ、ちょっとまって、ちよ……」
ガチャ
ビュオォォォ!!
ち「え……!?」バタン
母「今日は大雪だから傘を持っていきなさい」
ち「できればその話は起きてすぐに聞きたかったな。すくなくとも玄関を開ける前に!!」
母「頭から雪被ってるわね。大丈夫?」
ち「一瞬で唇まで真っ青になったのに、大丈夫だと思う?」
母「送っていこうか?」
ち「ううん。この雪の中運転する方があぶなでしょ。傘させば大丈夫だよ」
母「そう。くれぐれも風邪ひかないようにね。カイロ一個多めに持っていく?」
ち「いや、それもいいや」
ち(椿先輩に頼んであっためてもらおう~!!)
ち「じゃあ、行ってきます」
ビュオォォォ
ち(雪道、すごい歩きにくい……)
ち「うう……風が冷たい。顔が凍りそう!!」
万「小桜さん!! 大丈夫?」
ち「わ、先輩!? どうしたんですか……?」
万「どうしたもこうしたも、この吹雪の中を歩いてる幼女が居たからどうしたんだろうと思ってさ」
ち「幼女じゃないです」
万「そんなことより、体は大丈夫? 瞬間移動する?」
ち(もしかして、いつもこうやって甘えてるから幼女扱いするのかな)
ち「大丈夫です。私もちゃんとした高校生なので、平気です!!」
万「……そっか。でも無理はしないでね」
ち「それより、椿先輩は居ないんですか? 千里眼で探してくださいよ」
万「えー。俺より椿先輩の方が頼りになるっていうの? いや、この状況じゃ仕方ないか」
ち「あ、椿先輩の所まで瞬間移動してくださいよ」
万「なんかすげぇ負けた気分!!」
椿「朝から痴話喧嘩しないの。ご近所さんに迷惑よ」
ち「あ、噂をすれば椿先輩!!」
万「痴話喧嘩ではないですけどね!?」
ち「椿先輩、なんで傘さしてるんですか?」
椿「こんなに雪が降ってるんだもの傘は差すに決まってるでしょう?」
万「どうしたの? 急に椿先輩をいじめたくなった?」
ち「いや違いますよ!! 尊敬してる椿先輩をいじめるわけないじゃないですか」
椿「あら、可愛いわね」
ち「ただ、温度を操って雪を溶かしながら登校すると思ってたので」
椿「私はモーゼじゃないわよ!? そんな目立つことするわけないでしょう」
万「忘れているかもしれないけど、超能力者であることは隠してるからね?」
ち「今まで、みじんもそんな様子無かったですけどね」
椿「少なくとも校長先生が守れる範囲でしか使わないわよ。信用できない人の前では使わないわ」
万「とくに愛と椛はその辺の警戒心が高いからね」
ち「じゃあ、椿先輩温めてくださいよ。手だけでいいんで」
椿「……ごめんなさい万。この娘、私がもらっていいかしら?」
万「ちょっと待ってください!! そんな一部の人が大喜びする展開はやめてください!!」
ち「わぁ、暖かい……」
椿「それにしてもひどい雪ねぇ。やっと校門が見えてきたわ」
万「無視!?」
万「ん? 門が閉まってる……。様子がおかしくないですか?」
『本日、大雪のため臨時休校です』
椿「あら……!?」
ち「あ、学校から連絡来てた。って、充電が11%!? 朝は60ぐらいあったのに」
万「俺のは自動シャットダウンされてた」
椿「私のもね。故障かしら……?」
万「いや、寒すぎて一時的にバッテリーが上がったんだと思います」
ち「ちょっと……いや、だいぶ暖かい!?」
万「バッテリーが凍らないようにわざと放電して温度を一定に保ってるんだよ」
椿「……世界一無駄なホッカイロね」




