第100話「明日、答えを出そう」
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カフェを出ると、外はもう夕方になっていた。
オレンジの光が通りに伸びていた。
「どこかで晩ご飯食べようか」とナナが言った。
「ラーメンは昨日食べましたね」とカイが言った。
「じゃあ違うものを」
「何がいいですか」
「何でも」
「何でもは困ります」
「居酒屋でいいじゃないか」とテルが言った。
「未成年がいますよ」とソウが言った。
「誰が」
「ナナさんが」
「……ソフトドリンクを頼みます」とナナが言った。
「居酒屋じゃなくてもいいんじゃないですか」とカイが言った。
結局、ファミレスに入った。
横浜に行った日と同じファミレスだった。
「前もここだったな」とテルが言った。
「そうですね」とソウが言った。
「なんか、あのときより気持ちが落ち着いてる気がする」
「そうですか」
「横浜から帰ってきたときは、みんなまだ重かった。今日は——」
「今日は違いますか」
「違う気がする。何かが決まりかけてる感じがして」
「明日」とミオが言った。
全員がミオを見た。
「明日、もし答えが出そうなら——出しませんか」
「答えというのは、封印のことですか」
「封印のことも、テツジンさんのことも、全部含めて——方向性を一つ決める日にしませんか」
「バイトがあります」とカイが言った。
「バイトの後で、少し集まれますか。いつもより少し遅くなってもいいなら」
「田所店長に言えばなんとかなるかもしれないですね」とソウが言った。
「店長に話せばいいな」とテルが言った。「あいつには話してあるんだし」
「聞いてくれますよ、たぶん」
「明日、答えを出そう」とテルが言った。
それが自然にそう聞こえた。命令でも、提案でもなく——全員がそう決めた言葉のように聞こえた。
「はい」とソウが言った。
「うん」とナナが言った。
「参加します」とレイが言った。
「いいですよ」とカイが言った。
「よろしくお願いします」とミオが言った。
夜、それぞれが別れた。
ソウは一人で歩いた。
空が暗くなっていた。星が出ていた。いつも見る星が出ていた。
ソウは歩きながら、上を見た。
副作用で何かが乱れていても、星は見えていた。消えた星もあるかもしれなかった。でも、いくつかはまだあった。
ふと——一つだけ、見覚えのない光が見えた。
小さかった。他の星より明るくはなかった。でも確かに、そこにあった。
「あれ」とソウが言った。
立ち止まって、もう一度見た。
「昨日まで、あんな星なかった」
見間違いかもしれなかった。副作用で何かが変わったのかもしれなかった。
「……気のせいか」
でも、気のせいにしなかった。
六十三日から始まったカウントダウンが——また一日減った。
明日、答えを出す。
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