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第24話 召喚に消費期限は無し。

「おー、キタキタヤマガターー!!」


 ふぅ……。


 耐えてくれよ俺のケツ。


 俺、怒ってもいいよね?

 呼び出しの理由酷すぎるし、ケツはピンチだし、あと幼女だし、それと幼女だし。


「どうしたのヤマガタ? 元気ないね」


 元気ないです、貴方のせいで人生終わりそうなので。

 現世戻ったらこんな感じなんだろうな。


【24歳サラリーマン、突然飛行場に現れケツが2つに割れて死亡】


 なお独身。




 ……嫌だな、せめて既婚でいたかった。

 社会的に価値が高いままで死にたかった。


 はあ。



「ねえねえ、どうしたの?」

「……ケツが割れそうなんだ」

「それ元から割れてるよね?」

「……」


 ……分かってねえよ、なにも分かっちゃいねえ。

 お前はケツの神にジャンピングドリルパイルバンカー土下座して来いよ。


 ケツってのは割れるもんじゃなく、割るものだ。

 自らの意思で割るのと、割れちゃいましたテヘッ! では雲泥の差があるんだよ。


 いいか? 分かったか?

 因みに俺も意味がわからん、自分で言ってて何言ってんだろうって思ってる。


 ケツについてなんでこんな解説してるのかもよく分からない、誰か止めて。


「ねえ、ケツが割れるの心配なの?」


 非常に心配です、命かかってるんで。


「じゃあさ、なんかクッションでも挟めば?」

「……」


 ……。


 ……おい、お前天才かよ。

 小堀保三郎かよ。


「お前小堀保三郎かよ」

「誰それ」

「エアバッグ発明した人」

「エアバッグって何?」

「ケツを守るやつ」

「へー」


 確かに異世界から帰る時にケツが耐えれる様にすれば良いんだ、逆転の発想だ。

 問題は。


「じゃあクッションちょうだい?」

「え? 持ってない」



 はい、様式美。



「なあ幼女?」

「なに? 飴ちゃんちょーだい」

「ああ、飴ならここにある」

「やったー! ありがとう!」

「取り敢えずだ」

「高い高いして!」

「そう、高い高いす……る訳ねーだろーがよ! 先に俺の話聞けよ!!」

「え、じゃあいいや、ヤマガタバイバーイ」

「……まって? まってまって! 今帰ると俺のケツが割れるって言ったよね? なにしてくれちゃってんの?!」


 待てやコラ、なんなの? 俺の帰還ってお前のさじ加減だったの?! 初めて知ったわ!


「いや、俺ってお前の意思で向こうに帰れるの?」

「うん」

「いや、うんって。 幼女今まで魔力切れまでずっと召喚してたよね?」

「だって高い高いしてくれないんだもん」

「あ、なるほど☆ 君は暴君の素質があるね!」


 なにこのちびっ子魔王、誰か躾ちゃんとした方が良いですよ。


 まあ、仕方ないここは幼女の要求を呑むしかないな。


「幼女真っ直ぐにピンとしろ」

「え?」

「飛びたくないのか?」

「飛びたい!」

「世界は」

「丸い!」

「OIOI」

「丸い!」

「よっしゃ行ってこーい!!」

「ヘレナいっきまーす!」


 シュピンッ!


 もう、効果音も光の速さで飛んで行ったからおかしな音を発している。


 過去最高に最強の力振り絞って飛ばしたからな、多分物理的に違う異世界まで飛んだんじゃなかろうか。


 帰ってきたらそいつは宇宙人だって教えてやろう。


 ふぅ、ひと段落だな。


「え、ちょっと私の妹になにしてんの!?」


 ……ひと段落してなかった。


 いたんですねネーサン。


 周りを見渡す、あれ? 居ないんだけど。

 どこ?


「ちょっと! 妹大丈夫なんでしょうね!?」


 俺の背中になんか尖った感触が。

 なにこれ?


 こうゆう時、異世界だと柔らかな2つの感触が! とかがお決まりでは?


「返答次第によっては刺すわよ」


 ……察し。


 てか、いつの間に後ろにいたの?

 お姉さんの職業なんだったっけ?


「なんか、勘違いしてそうだから言っておくけど私は魔導士よ、そう、ちょっと隠れて妹を観察する為にちょこっとだけ、うんほんの少しだけ隠密に長けてるだけだわ」


 ちょっと聞き捨てならない単語がブッ込まれたけど気にしたら負け、というより気にしたら死ぬ。


「大丈夫です」

「なにが?」

「直に戻って来ます」

「信用出来ないわ!」


 おやおや、困ったお嬢さんだ。

 どうやって証明してやろうか。


 俺は昔を思い出した。


 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


 10年前、御歳14歳のヤマガタ。


 友達ん家にて。

 ゲームの最中。


「おい、次死んだら交代だって言っただろ!」

「なにそれ? 今聞いたんですけど?」

「は? お前殺すわ」

「はい、バリアー無敵でーす!」

「バリア破壊の魔剣召喚、パリーンはい割れた、はいザシュ! はい死んだー!」

「蘇生魔法ピロリン、はい生き返ったー残念でしたー!」

「もう良いわ、拳で」


 ボコッ!!


「お、おいちょっとまて物理攻撃は無しだろ!」

「おいバリア貼れよ? お? なんだ終わりか?」

「分かった! 渡す、渡すから!」

「最初から、そうしろ」


 ふんっ!


「よし、これで俺の番!」

「秘技ブレーカー落とし!」


 バチ!


「はっ!? 真っ黒なんだけど?」

「お前、ゲームに嫌われてんな、知ってたけど」

「いや、家全体暗いんだけど」


 友達の母登場。


「………」

「………」





 懐かしいな。


 要するに。


「お姉さんも飛びますか?」

「おかしいよね?」


 懐かしかったなあ。


「お姉さんも飛べば宇宙で妹さんと会えるかもしれませんよ?」

「その前に死ぬんですが」


 まあまあ良いじゃないか。

 軽く宇宙の旅してくるだけだって。


 あと、俺の勘だが。


「そろそろ戻って来ますよ」

「なぜ分かる」

「長年の勘です」

「まだ三回しか飛ばしてないよね?」


 ほら、空を見てごらんなさい。

 なんか真っ赤に燃える物体が大気圏に突入して来ましたよ。


「見てください、妹さんの帰還です」

「あれが妹だったら溶けて死んでるわよ」


 大丈夫大丈夫、どうせ異世界で宇宙船に乗って帰って来てますから。


 ……それにしても。


「これまた随分とデカい宇宙船ですね」

「はあ? 何言ってんの? あれはどう見ても隕石じゃない」


 隕石? お姉さんからしてみたら宇宙船も隕石か。

 ふふ、可愛らしいものだ。 萌え。


「お姉さんあれは宇宙船と言ってですね」

「なんか音聞こえない?」


 音?


 そんな音します?


「耳がいいですね、どんな音ですか?」

「いや、ゴゴゴゴって」


 ゴゴゴゴ? はいはい隕石じゃあるまいしそんな音。



 [………ゴゴゴゴ]


 ……しとるな。


 [ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!]



 ……デカいな。


 また幼女が召喚でもしてるんだろう、全く困ったちゃんだ。


 真っ赤な物体が凄い音立てて来てるけどあれ宇宙船だしな。


「まことでっかき宇宙船じゃ」

「認めたくないのね」


 とりあえず。


「お姉さん、俺帰りますね」

「どうやって?」


 ……。


「ふー、幼女まだかなー?」

「まだでしょうね」


 ……。


「どうしましょうか」

「祈りましょう」


 ……。


 ……なんか。


「お茶でも飲みたい気分です」

「同感です」

「辞世の句は決まりました?」

「いえ、そちらは?」

「まだ迷ってますねー、2つまで絞ったんですが」

「叶うといいですねヤマガタさん」

「ヤマガタではなくお兄ちゃんと呼んでくれないか?」

「いやです」

「……」

「……」

「あと1つ何ですか?」

「…………パン」

「いやです」

「……」

「……」


 ふぅ……。


 空って、何で青いんだろう。




 隕石衝突まであと40分。

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