表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/26

第16話 女王降臨

「女王陛下であらせられます」


 さて場面が飛んだな。

 簡潔に今の立ち位置を図解にしよう。


  |兵士 女王 兵士 |

  |         |

  |ーー見えない壁ーー|

 壁|         |壁

  |    俺    |

  |         |

  | 幼女 ツンデレ |


 ……。


 なんでお前ら後ろなの?

 おい幼女、お前仮にも俺の主だろ。


「勇者よ、よくぞいらしてくれた」


 女王から声かけられるんだけどさ。

 俺は重大な事に気がついちゃったんだ。


「はい、ぎゅ……女王陛下」


 なんで、ここに高校の時の担任。

 あだ名は『牛魔王』がいるかと言う事だ。


 危うく牛魔王って言うところだった。

 多分赤の他人だろう。


 牛魔王はここまで気品溢れてなかったし。

 ただ激似なのは間違いない。


 今すぐ写真撮って高校の同級生に送りたい。


「どうした、そう畏まらずよい。 肩の力を抜いてよい」


 ごめんなさい、これ緊張しているわけじゃなく笑いを堪えてるだけです。


「奥の二人もよくぞいらした」

「ハッ! 勿体無きお言葉!」

「はっ! もったい……?」


 もったい……なんだって?


 お姉さん、そんな慈しむような表情を妹に向ける前に教育するのが先では? 妹さん言葉理解してないぞ。


「そこにいる小さな女の子が伝説の勇者を召喚したと?」

「はい! そうよねヘレナ?」

「はい! ヤマザキはわたしのなのです!」


 ……待って待って?

 いつから俺幼女の所有物になったの?


「我がエモリーシスも安泰じゃな」

「ふふん! ヤマザキにかかればどんな魔王もへっちゃらです」

「おお! それは心強いのう」

「まかせてください!」


 任せないで。


 勝手に話進めないで。


 なにこれ、俺いる必要なくない?

 物置みたいな扱いなんですけど。


「姉のサバサ・フリューミルも優秀な魔導士だとか」

「滅相も御座いません!」

「ほほっ、流石国を代表するフリューミル侯爵家よ」

「有難う御座います!」


 あれー? なんかこの子達スペック高い系?

 だったら御者くらいお抱えでいるんじゃないかな?


 と言う問いは心の中にしまった。


 国を代表するって言ってるくらいだから有名なんだろう。


 日本でいう、レスリングの吉田沙◯里みたいなもんだろう。

 どう見ても女王さまの方が霊長類最強みたいな容姿してますけど。


 あだ名デンジャラスクイーンとか付いてませんか?


「今日は勇者に褒美をとらせようと思ってな」


 お? なんか褒美をもらえるのか?


「なにがよい?」


 いやー、なにがよいって聞かれても分かんないっす。

 そうだな……。


 あ。


「宝石とか?」

「ほう、勇者ともあろうものが人並みのものが欲しいと」


 あれ、意外にオッケーだった。

 正直俺が欲しいものは無い。


 世の中を穏便に過ごしたい。

 そう思った時、市川課長の顔が浮かんだ。


 奥さんに宝石を上げれば許されるだろうと言う安易な発想。


「それでは其方の功績に則った分用意しよう」


 こうして、特になにも起きないまま女王との謁見は終了した。


 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


「あなたが宝石欲しかったなんて意外だわ」


 門が閉まった後お姉さんが話す。


「わたしも思いました」


 まさかの幼女も思ってた。


「なんだ? そんな変か?」


 俺ってどうゆう扱いなんだよ。

 これってもしかして金より名誉を取る的な?

 選択肢間違えたか?


「やっぱり名誉とか、そこら辺か?」

「ううん違う」


 違うのか。

 おじさん分からないや。


「俺がなにを要求すると思ってたんだ?」

「「パンティー」」


 だと思ったぜ☆


 それ誤解だぜ☆


「パンティーなんか貰えるわけないだろ常識的に」

「あら、あなた常識あったのね」

「そもそも前回は履いてなかったから欲しかっただけだって!」

「人は運命には逆らえないのでは?」

「ヘレナ? 俺の運命勝手にパンティーにしないで」


 その考えには運命の女神モイラもビックリして窒息するわ。


『あなたの運命はパンティーでしょう』


 とか言わされるモイラの気持ち考えて?


「さ、終わったしちょっと王都でお買い物でもしましょ!」


 もう話題は終了したのかお姉さんは買い物モードだ。


 あれ宝石は?


「あのー宝石はどうなるんですか?」

「え? 後日郵送されるわ」


 そこだけ現代!?


 異世界ファンタジー壊れちゃう。


「どれくらいかかりますかね?」

「さあ? 一ヶ月くらいじゃない?」


 課長の奥さんすいません。

 異世界産なので届くまで一ヶ月かかりそうです。


「さあ! 今日は荷物係も居ることだし気兼ね無く買えるわね!」

「お姉ちゃんアイスクリーム食べたい!」

「ええ、良いわ行きましょう!」


 へー、荷物係なんて雇ってたんだ。 御者雇ってなかったくせに。


「じゃあ俺はぶらぶらしてるよ」

「は? 何言ってんの?」


 え? 何? なんかあるの?

 俺あえて無視してるんだけど、理解して?


「いや、姉妹二人の楽しみを邪魔しちゃ悪いからね」

「ねえ? 反抗する気?」

「あのね、俺がその気になればボコボコにできるんだぞ?」


 ちょっと脅してみる。


「な、なに? 女性に暴力振るおうってのサイテー」

「ふるいますが?」

「うわ……それでも男なの?」

「あのですね、こちらも易々と、はいそうですかってならないからな?」

「勇者なのに?」

「……勇者を便利屋みたいに呼ばないで?」

「えーー、持つの大変じゃない!」

「じゃあ『お兄ちゃんお願い♡』って言えば許してやる」

「…………」

「……分かった『勇者様愛してます♡』でも可」

「………ヘレナ、私達だけで行きましょ」

「まてまてまて! オーケー分かった大幅に譲歩しよう」

「なに、まだあるの?」

「『ヒロオミくん♡』って言って?」

「…………行きましょ」


 なぜだ!?


 これほどまで大バーゲンセール中だと言うのに!


「はあ……新しいパンティー買おうと思ってたのに」


 なん………だと!?

 お姉ちゃんのパンティーだと!?


「そこのお二人、まあ待ちなさい」

「…………」

「…………」

「仕方ないな、紳士であるこのヤマザキが荷物を持ってあげましょう」

「…………」

「…………」


 視線が痛い。

 だって仕方ないじゃないか。

 幼女が俺を見て何か言いたげだ。


 俺を疑うのか?

 ……やれやれだぜ。


 良いかいお嬢さん?


「人は運命には逆らえないんだよ」

「ヤマザキ?………ねえヤマザキ?」



 幼女の声は、俺には届かなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ