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寝ているだけで代理人が世界征服してしまった話  作者: ルリア
第5章 日記編
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2049年11月

2049年11月11日 木曜日 晴れ


満月だ。

僕の身体検査が終わった。人ナビに問題はないらしい。らしい、というのは人ナビというのは家電のように個人が買うものであるのと同時に、この世界全てと同じだから、人ナビに問題がある、というのは、世界に問題がある、ということになるから、そういう結論はないのは、僕のような学生でも理解している。

じゃ、なんのための身体検査なのか、といえば・・・。

自宅に帰ってきた僕宛に手紙が届いていた。電子的メッセージではないのは、紙がもっとも改竄されにくいメディアだからだ、と手紙には書いてあった。


2049年11月12日 金曜日 曇り


君は自分が人間だと思うのかい、という君の問いかけへの答えが、手紙には記してあった。


2049年11月28日 日曜日 晴れ


よく晴れた寒い日だ。

僕が君のいうように人間でなく、僕の周りにいる人々の大半が人間でないが故に人ナビに最適応できる、というのは、なぜか、僕には納得しやすい世界だが、僕がこんな手紙を読んで思考しているのを、人ナビはどう視ているのかな?

身体検査から帰ってきて手紙を読んでから、僕は少し神経質になっている。これまで自分の周りの世界を構成している全てにナノ単位の多機能センサーを内臓していて、それのお陰で快適な生活を過ごせているのに、別に何の気持ち悪さも感じなかったけれど、要するに、僕らは億万の目と鼻と手によって支えられているというわけだ。

人ナビは僕が誰かや何かと衝突したり、無駄な接触をすることなく、最短時間で目的へと到達できる快適さを示してくれる。

僕が君が手紙に書いたように、人造人間だとしても、人ナビに囲まれた僕らの社会全体が人造的だから・・・。



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