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寝ているだけで代理人が世界征服してしまった話  作者: ルリア
第5章 日記編
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2049年9月

2049年9月3日 金曜日 晴れ


学校が始まった。

どうやら僕の人ナビは絶好調らしい。らしい、というのは僕には実感がないからだ。こんなのは初めてだ。そういえば、森林区であった人ナビを持っていない「君」は、夢の中で僕の心臓の中に入った。もしかして、この絶好調は人ナビのせいじゃなくて「君」のせいなのかな。

人間は皆、生まれる以前から人ナビ一緒にいる世界で、人ナビといない君はどうやって生きているのかな?


2049年9月20日 月曜日 曇り


5連休の3日目だ。

人ナビなしで過ごしてみようと思ったけれど、無理だった。朝、両親に会う時も、自然と向こうが何を言ってくるのか、僕は何を目的としているのかを自然と人ナビにきいてしまうし、表現された選択肢や予想の方がないと、とても面倒臭い上に間違った方向に進んでいる感覚が凄まじい。

拡張倫理学で人ナビ以前の社会について学んだけれども、最初の人ナビは拡張現実型ゲームだったそうだ。今やゲームなんてマニアしかしないけど、現実世界に仮想的に配置されたアイテムを獲得していくゲームの進行を助ける機能をもったAIが、偶然、六本木テロを防いだのが人ナビの始まりだったらしい。


2049年9月27日 月曜日 曇り

真っ暗な夜だ。

昨晩、暗闇から僕は突然、話しかけられた。声ではなく、心に直接響く振動のような言葉で、彼らは僕に、逃げろ、と言った。逃げろと言われても、部屋から出るとか、家から出るとかしかないけれども、狼狽している内に、気を失ったらしい。人ナビの記録では、僕はただ、ベットへと緩やかに倒れて眠ってしまったようにしか思えない。ただ、朝になって鏡をみたら、首に赤い点が二つあった。体調について人ナビにきくと、少し貧血気味らしいから、必要な錠剤を学校でもらって飲んだ。

今日、最近では珍しく人ナビがミスを連発した。といっても、数ヶ月前と同じなんだけれど、とても嫌な感じがする。

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